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いま聴きたいオーディオ! 最新ポータブル&ハイエンド事情を知る

利用場所を選ばず、いい音がどこでも聴ける!

「小型スピーカーだから」という先入観は、すぐ捨てるべき! 機能も音の良さも凝縮した「Sonos Play」に感激

2026年05月06日 17時00分更新

文● ASCII

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 以上が、SonosのPlayのおおまかなメリットです。筆者は比較的長期間、この製品を試用することができたので、以降は、実際に使用してみて感じたデメリットなどにも触れながら、ポイントを整理していきます。

設置の自由度が高く、長時間のバッテリー駆動も可能

 まずは本体のサイズについてです。サイズは幅113×奥行き77×高さ192mmとなっており、重量は1.3kgあります。Sonosのワイヤレススピーカーには、筒状でペットボトル感覚で持ち運べ、カラバリも豊富な「Roam 2」(430g)や、より大型でバッテリー内蔵の「Move 2」(3kg、海外モデル)、据え置き型の「Era 100/Era 100 SL」といった機種があります。

左がRoam 2

 Playはカバンに入れて持ち運ぶには少し大型のサイズですが、据え置きで使うぶんにはコンパクトです。特に奥行きが抑えられているので、広くないデスクや棚にちょっと置いて使う用途で場所を取らないのが好印象でした。メーカーは推奨していない使い方だと思いますが、安定したフックがあれば短時間そこに吊るして使うといったことも可能です。また、ドックに置けば定位置に収まり、充電も進むので快適です。

 パッシブラジエーターが左右についており、かつ音は前面に出るタイプの製品なので、壁際で左右に広いスペースが確保できる場所に置くのが基本になるとは思いますが、本当にどこでも使えるスピーカーになっているという印象です。

オートマティックTrueplayとは?

 さらに注目したいのが、オートマティックTrueplayです。

 Trueplayは壁や床との距離、その材質など、スピーカーの周囲にある反射物の影響を考慮して、最適な再生音を出せるSonos独自の技術です。過去の製品では、利用のための設定がやや大変で、SonosアプリをインストールしたiPhoneのマイクを活用して、部屋の色々な場所で音を計測する必要がありました。オートマティックTrueplayではこうした前準備が不要で、基本的にはPlayの内蔵マイクを使用する設定にして、アプリでオン/オフを切り替えるだけでTrueplayの自動補正が利用可能となります。

設定中の画面

オートマチックTrueplayを使用するには、背面スイッチでマイクをオンにする。

 難しいことを考えず、音楽を再生していれば、自動で周囲の状況を測定して、再生設定に反映してくれるので、面倒さがありませんし、Playのように使う場所が1ヵ所ではない製品では特に有効です。

 実際の効果ですが、オープンな環境や、周囲に物が置いてある棚の上、部屋のコーナー部分、壁際に寄せた場合など、さまざまな場所においてみたところ、それぞれで補正が効いている実感が確かにあります。オートマティックTrueplayをオンにした際は、オフの状態に比べて定位がはっきりとして、全体に明瞭なサウンドになります。ボーカルの入っている曲であれば中心に人の声が絞られた再生音となり、音の輪郭がぼやけて不明瞭に広がってしまうということがありませんし、楽器を中心にした曲でも解像感が上がり、音色の対比などがはっきりと意識できるようになります。

 ただ、デメリットというべきか、少し感じたのは中音域の成分が少し引っ込んでしまい、ややきつめの高域と低域の押し出し感が強まる点です。男性ボーカルや器楽曲などではそこまで違和感がないのですが、女性ボーカルなどでは、少し中域が抜けてしまうというか音の密度感が足りなくなる印象です。

 その場合はイコライザーから「ラウドネス」をオン/オフしてみたり、低音・高音の項目を少し下げて調節してみるといいかもしれません。SonosアプリのEQは簡易的なものなので、細かく調節できると良いとも感じた部分です。

Sonosならではの拡張性を備える

 今回は1台のPlayの試用だったため、細かくは試していませんが、本機は2台をステレオペアで使用することもできます。過去に聞いたデモでは、単体での使用でも音場の広さがあり、十分なステレオ効果が得られましたが、低域の音圧感や音に包まれる感じなどにかなりの差があることを感じられました。

 本機は実売で約5万円と、ワイヤレススピーカーとしては高価な部類に入るため、複数台を同時に購入するのはなかなか難しいかもしれませんが、将来的なグレードアップを考えているなら知っておきたいポイントです。

写真はSonos Era 100 SLを使用しているが、オプションのケーブルによってアナログの音声をUSB-Cに変換して入力できる。

 加えて、本機はUSB-Cで有線接続も可能です。面白いのはオプションで用意されているSonos Line-inアダプターと、AUXケーブルを使用することでレコードプレーヤーをはじめとしたアナログの再生機器の音も楽しめる点です。Sonosには複数のスピーカーで音楽ソースを共有する機能があるため、Playで入力した音をWi-Fiで飛ばして別の機器で聴くこともできます。

 レコードで再生中の音をマルチルームで聴くといった活用も面白いのではないでしょうか?

ミニマムだがSonosの思想が体現された製品

 Sonosは創業当初から、単体スピーカーのブランドではなく「システムカンパニー」としての道を歩んできたと言います。ここには「音は家の中で自由に行き来できるものであるべきだ」という確信があり、すべてのプロダクトが「同一のプラットフォーム」上で動作するという思想の実現に継続して取り組んできました。

 そんなSonosは、Playをブランドの原点に立ち返る「原点回帰の製品」であると位置付けています。担当者を取材した際には「音はスピーカーに宿るのではない。家に宿るのだ」というメッセージもありました。家という空間が「住む場所」から、仕事、エンターテインメント、そして人生そのものを楽しむ多目的な場へと変容している中、Sonosが目指すのは、音楽を聴くためだけに、オーディオ機器の置いてある場所に出向かず、時間と空間とシームレスかつエフォートレスに行き来できるようにすることです。

 汎用性の高さを謳うPlayはこうしたSonosの思想を体現した製品であると言えます。

 同時に、Sonosは「人とともに成長するホームシステム」を目標に掲げています。オーディオに限らず、現在のデジタル製品は一定の「置き換えサイクル」をベースに、陳腐化を前提とした開発がなされています。つまり、機能が追加された際にはハードウェアの新規購入も必要で、それが企業の継続した収益につながるという考え方です。

 しかし、Sonosではこういった考え方ではなく、いちどリリースした製品をできるだけ長く活用できるよう、古い製品の継続的なソフトウェアアップデートに取り組んでおり、音質や利便性の向上が得られる仕組みを提供しています。一例を挙げると、2024年に発売されたヘッドホン「Sonos Ace」は、約1年後に「TrueCinema」という新しいバーチャルサラウンド機能を搭載しました。加えて、新旧の機種が統一したUIで管理でき、相互に連携できるプラットフォームが形成されているのも魅力です。

 SonosのPlayは製品単体として利用するのももちろん、便利で楽しいですが、Sonosプラットフォームならではの拡張性やソフトウェア進化による機能進化なども期待できるポイントです。Playは過去にも用いられてきた型番ですが、最新製品にこれを用いたことも、使いやすく統一感があり、長期にわたって陳腐化しない製品を作りたいというSonosの思想が凝縮されていると言えます。Playは音楽を気軽に楽しめるデバイスであると同時に、Sonosの世界観に触れ、その世界を楽しむきっかけになる製品と言えるでしょう。

 直販価格は4万9800円で、4月23日から販売が始まっています。

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