東京の影のインフラ「下水道」、その先で何が起きているのか? をリサーチ&アートで見える化
都市の細部にまで張り巡らされ、生活に欠かせないライフラインでありながら、普段は意識されることの少ない下水道。そんな下水道をアートとリサーチから読み解く展示「Presentation Vol.1『Holes』」が、YAU CENTER ぜにがめで開催中です。
「ぜにがめ下水道リサーチ」の成果発表
有楽町アートアーバニズムYAUは、リサーチプロジェクト「ぜにがめ下水道リサーチ」の成果発表となる展示「Presentation Vol.1『Holes』」を、YAU CENTER ぜにがめにて2026年3月13日から3月29日まで開催しています。
本プロジェクトでは、アーティストや音楽家、編集者、建築家など多様なバックグラウンドを持つリサーチャーが参加し、東京都下水道局の協力のもとフィールドワークを実施。都市と下水道の関係をそれぞれの視点から観察し、普段は見えない都市インフラの仕組みをリサーチしてきました。
2027年まで継続的に展開されるプロジェクトのなかで、今回の展示のテーマには「観る / Observe」を掲げています。高度な土木技術と科学技術、そして分解者として働く微生物の力によって成立する下水処理システムは、「川」の仕組みを凝縮した人工物とも言えます。本展では、地下に広がる下水道への入り口であるマンホールや排水口など、都市に点在する「穴(Holes)」を手がかりに、リサーチ成果と作品を紹介します。
展示の中心となるのは、アーティスト石橋友也による作品です。本展では、下水を高度処理した「再生水」が放流される渋谷川で、石橋が拾い集めたごみを素材に制作した顕微鏡作品を展示。来場者はその顕微鏡を通して、下水処理において重要な役割を担う「活性汚泥」と呼ばれる微生物群集を観察することができます。また、顕微鏡で観察した活性汚泥中の微生物の映像が、東京都で実際に使用されていたマンホールに投影された作品もあわせて紹介します。
また、会場ではリサーチチームが行ったフィールドワークの記録も展示されています。2025年10月から2026年2月にかけて、有明水再生センター、銭瓶町ポンプ所、砂町水再生センター(東部スラッジプラント)、虹の下水道館などを訪問し、下水処理の仕組みや微生物の観察を実施。リサーチメンバーが残した観察メモや問いを展示することで、来場者は都市インフラを調査していくプロセスを追体験することができます。
ぜにがめ下水道リサーチPresentation Vol.1「Holes」
会場:YAU CENTER ぜにがめ(東京都千代田区大手町2-6-3 銭瓶町ビルディング1階)
会期:2026年3月13日(金)~3月29日(日)
開館時間:12:00~19:00
休館日:月・火
入場:無料

文 / オシミリン(LoveWalker編集部)
大阪生まれ。
趣味は読書と写真を撮ること、おいしいものを食べておいしいお酒を飲むこと。








