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ヘルスケア・行政領域から適用、システム開発を“人月”から“顧客提供価値”ベースに

“保守地獄”からSEを解放する 富士通がソフトウェア改修の全工程をマルチエージェントで自動化

2026年02月18日 10時45分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 人材不足が深刻化する中、既存システムの改修にかかる負荷は年々深刻化してきている。とりわけ、法改正への対応が求められる業界ではその影響は大きく、自治体・医療機関向け事業を手掛ける富士通Japanでは、何千人ものSEの工数を費やしてきたという。

 このような状況を変えるべく、富士通は、2026年2月17日、AIエージェントがソフトウェア改修の全工程を自動化する開発基盤の運用開始を発表した。同基盤による実証実験では、3人月を要していた法改正に伴うソフトウェア改修を4時間に短縮するといった、高い成果が得られているという。

 同社では、2026年度内に医療・行政分野の全67種のパッケージソフトウェアの改修に同基盤を適用すると共に、外部向けサービスとしても同基盤を展開していく。

 富士通のAI戦略・ビジネス開発本部 本部長である岡田英人氏は、「目指しているのは単なる開発の効率化ではなく、社会や業務の変化にシステムが追従し続けられる仕組みそのもの」だと語った。

富士通 AI戦略・ビジネス開発本部 本部長 岡田英人氏

法改正によるシステム改修は人から“AIの作業”に

 富士通が2025年より挑戦しているのが、長年のビジネスの柱である「システム開発」のあり方を根本から変えることだ。「複雑で巨大なシステムをAIに理解させ、『システム開発のプロセス全体』を変革することを問われている」と岡田氏。

 こうした要望に応えるべく、2025年4月よりトップダウンでスタートしたのが、「Takane-Driven Initiative」というプロジェクトである。富士通が所有する医療・行政向けのパッケージ製品を対象に、法改正時のシステム改修における全工程を生成AIで自動化する取り組みだ。

トップダウンでスタートした「Takane-Driven Initiative」プロジェクト

 この医療・行政向けパッケージは、富士通が法改正に前向きに向き合ってきた結果、67パッケージ、150MS(メガステップ)におよぶソフトウェア資産に膨れ上がっている。そして、今後も法改正のたびに改修に迫られ、ユーザーもその都度、業務の変更を強いられる状況だった。

 富士通Japanの特定プロジェクト対策本部 本部長である國分出氏は、「ソフトウェアの改修は、病院や自治体、ベンダーの大きな負担になっている。その負担を減らしつつ、社会の前進に寄り添いながら、システムの進化も止めない。この挑戦のしがいのある課題にこそ、AIの力が必要」と語る。

富士通Japan 特定プロジェクト対策本部 本部長 國分出氏

 その成果として運用開始したのが、ドメイン特化のLLM「Takane」や大規模システム開発向けのAIエージェント技術などの富士通の独自技術を駆使したAIドリブンな開発基盤である。

 この基盤は、いわゆるバイブコーディングのような開発を支援するAIとは異なり、人の手を完全に離れて、ソフトウェア改修のすべてを任せられるのが特徴だ。法令文章を入力すると、複数のAIエージェントが協働して、要件定義から設計、実装、結合テストまでをノンストップでこなしていく。

Takane-Driven InitiativeによるAIドリブンな開発基盤

 2024年度の法改正を対象とした実証実験では、従来の開発手法で3人月を要していた改修期間を4時間に短縮したケースもあったという。これは生産性を約100倍にする成果である。

実証実験では生産性が100倍になったケースも

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