このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

HPE Networkingは、キャンパスからデータセンター、セキュリティまで4分野に展開するブランドへ

Juniper・Arubaの技術融合でリード狙う HPE Networking「自律運用NW」への挑戦

2026年02月16日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

HPE Networkingは4つのソリューション分野に展開

 基調講演後半では、HPE Networkingの事業戦略について、各幹部が説明した。まず、HPE Networkingは、次の4分野で構成される。

(1)キャンパスとブランチ
(2)データセンターネットワーキング
(3)ルーティングインフラソリューション
(4)セキュリティ

 (1)はアクセスポイント、スイッチ、ルーターといった機器の開発/提供だが、特にエンドユーザー体験にフォーカスしながら、セルフドライビングネットワークのビジョン実現を目指す。キャンパス&ブランチ EVP兼GMのスジャイ・ハジェラ氏は、「ネットワークが動いていることと、ユーザーが良好な体験を得ていることは別物」と強調する。

 セルフドライビングネットワークの具体例を2つ紹介した。

 1つ目はオフィスネットワークだ。全社会議中、参加者が増えるにつれてネットワーク負荷も増し、Wi-Fi接続が不調になったため、Marvisが自動的にデュアル5GHzとデュアル6GHzを有効化する。それと並行してMarvisが原因を調査すると、一部のアクセスポイントのファームウェアが古く、6GHz帯のチャンネルを活用できていないことが判明した。そこで、会議継続に必要な通信容量は確保したままで、アクセスポイントの自動アップデートを実行した。

 2つ目はスタジアムのネットワーク。来場するファン向けにWi-Fi接続サービスを提供しているが、音響映像チームが新たなデバイスをネットワーク接続したところ、このデバイスが誤ってネットワークループを構成してしまい、パケットが循環し始めた。これが急激に帯域幅を圧迫し、スイッチの処理負荷が高まる。ここで、Aruba Centralが自動的に問題を検知し、問題のデバイスが接続されているポートを自動でシャットダウンする。

 JuniperのMist、ArubaのCentralは、ともにGartnerのエンタープライズ有線/無線LANインフラのマジック・クアドラントで、リーダーポジションに位置付けられている。ハジェラ氏は、競合のCiscoがチャレンジャーポジションになったことを指摘しながら、「リーダー同士の統合が、セルフドライビングネットワークビジョンを加速する」と述べた。

 さらにハジェラ氏は、Juniper MistとAruba Centralは、ともにマイクロサービスで構成されており、複雑なネットワーク運用をAIで簡素化することに注力している点も同じだと述べた。「MistはAIOpsで、Aruba CentralはAgentic Meshの開発で先行しており、この2つを組み合わせる」(ハジェラ氏)

Juniper Mist、Aruba Centralの両方でセルフドライビングネットワークを実現していく

 (2)のデータセンターネットワーキングでは、Arubaのデータセンター製品とJuniperのQFXスイッチなどが主な製品となる。ここでは、データセンター運用のためのエージェンティックAI、SONiC採用(オープン)、ApstraとOpsRampの連携に取り組む。

 先述したQFX 5250は、64ポートで1.6Tbpsのイーサネット接続を提供する。HPEが30年以上前から取り組んできた冷却の専門知識を活用し、「世界最高性能の100%冷却スイッチ」を標榜する。

AIデータセンター向けスイッチ「QFX 5250」

 (3)ルーティングインフラソリューションは、主にJuniper製品が中心だ。

 SVP兼GMのエーイー・ナタラジャン氏は、AI時代に特徴的なトラフィックはアップストリーム/ダウンストリーム双方での“エレファントフロー(巨大なデータ転送)”だと説明する。こうしたトラフィックパターンの変化以外にも、キャッシュ技術が使えないこと、ユーザー体験として遅延が許容できなくなっていることなどを挙げて、「ネットワークは再校する必要がある」と指摘する。

 こうした動向に対し、HPE Networkingでは、PTX/MS/ACXのルーターシリーズなどで対応していく。

 また、NVIDIAとの提携を通じて、ロングホールのデータセンター相互接続、エッジオンランプ(OnRamp)などの技術により、AI Factoryの性能を加速することも明らかにした。

 (4)セキュリティでは、旧Aruba幹部であり、SASE/セキュリティ担当SVP兼GMのデビッド・ヒューズ氏が登壇した。ヒューズ氏は「ネットワークとセキュリティの境界があいまいになっている」と語り、Aruba、Juniper双方のセキュリティ機能やセキュリティ製品を紹介した。

セキュリティソリューション

 HPE Networkingでは、ゼロトラストを実現するために「統合型SASE」「フルスタックAIOps」「ユニバーサルZTNA」「ハイブリッドメッシュ・ファイアウォール」の4つの技術を備えるとした。ヒューズ氏は「ネットワーキングチームとセキュリティチームが、共通のゼロトラストミッションを実現/実践するソリューションを提供する」と述べ、ゼロトラストが組み込まれたネットワークを提供することで、パフォーマンスとセキュリティ保護の両方が実現できるとした。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    sponsored

    60年の時を超え「COBOL」がGitHub Copilotでよみがえる 勘定系アプリの“超難関”モダナイに7社が挑戦

  2. 2位

    ビジネス・開発

    富士ソフトがエンジニア1万人超を「AIネイティブ」化 実装力を武器にフィジカルAIなど3本柱に注力

  3. 3位

    ITトピック

    IT技術者の8割超「AI生成コードには人間のレビューが必要」/「偽・誤情報を見破れる」と自信を持つ人はICTリテラシーテストの正答率が低い、ほか

  4. 4位

    sponsored

    「現場に行くのが当たり前」を変えたアズビルのリモート調整 効果はプライスレス

  5. 5位

    TECH

    攻撃するAIと防御するAI 日本企業のセキュリティ対策にいま何が必要か?

  6. 6位

    デジタル

    東京タワー相当の紙を“完全撤廃” 点検業務をkintone化した“現場ファースト”な改善術

  7. 7位

    ITトピック

    実用化が楽しみすぎるスマート技術たち 「長距離ワイヤレス給電」から「室内向け太陽電池」「超音波センサー」まで

  8. 8位

    TECH

    パンや酒、チョコづくりにも関わる微生物「酵母」の進化を追求

  9. 9位

    デジタル

    IoTデバイスをサイバー攻撃から守る IoT向けゼロトラストの“3つのアプローチ”

  10. 10位

    ITトピック

    6割超の企業で「セキュリティは取引条件」 SCS対応も進む/パワハラと指導の違い、あなたの基準は?/AIへの危機感か 転職希望のIT人材が増加、ほか

集計期間:
2026年07月22日~2026年07月28日
  • 角川アスキー総合研究所