このページの本文へ

合理的で機能的な「昇降式ホーム柵」

大阪駅で見かける「ロープ柵」なぜロープ? 意外と知らない深い理由

2026年01月29日 10時25分更新

文● 貝塚/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

大阪駅などで見かける「ロープ柵」

JR西日本で見かけるロープ柵

 JR大阪駅など、JR西日本のホームでは、支柱の間にロープが張られたホーム柵を見かけることがある。

 これは、同社が2016年頃から設置を進めている「昇降式ホーム柵」と呼ばれる安全設備だ。久しぶりに関西圏を訪れた人は、列車の到着に合わせて「グイーン」と上にロープが持ち上がる動作に、驚くかもしれない。

 ところで、なぜ金属や樹脂製の自動ドアタイプの柵ではなく「上下するロープ」なのだろうか? 実は、このロープタイプの昇降式ホーム柵には、深い工夫が隠されている。

電車が止まっているところを見ると、その意味がよくわかる

合理的で機能的な昇降式ホーム柵

 自動ドアタイプの可動式ホーム柵は、列車の扉位置に合わせてピッタリ設置されるのが基本である。線路への立ち入りを防ぐ効果は高いが、扉位置が柵と正確に合う車両にしか対応できない。また、ドア部分を広く作ることにも限界がある。ドアを支柱に収納する必要があり、さらに面積が広すぎると、風圧の影響も受けやすくなるためである。

 これに対して、昇降式ホーム柵は、支柱間に比較的広めにロープを張り、上下に昇降させる構造を持っている。電車のドア位置が“ロープの範囲におさまる限り”は、ホーム柵としての役割を果たすことができるのである。

 さまざまなタイプの列車が停まっても、安全策としての役割を保てる柔軟性が、このロープ柵の大きな特徴だ。実際に電車が止まっているところを見ると、ロープの範囲内で列車のドア位置が微妙に異なることが分かり、その意味が直感的に理解できる。

 JR西日本の公式サイトにも、「従来の可動式ホーム柵では扉位置が異なる列車には対応できないため、一定間隔に配置した支柱間にロープの柵を設け、上下に昇降させる昇降式ホーム柵の開発を行いました」と記載がある。

 同社の2025年の発表によれば、この昇降式ホーム柵は、2024年時点で、六甲道駅、高槻駅、大阪駅、三ノ宮駅、神戸駅、明石駅、京都駅などに導入されているようだ。JR西日本の電車に乗る機会があれば、持ち上がるロープの動きを眺めつつ、その合理的な設計に注目してみよう。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  3. 3位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  4. 4位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  5. 5位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  6. 6位

    sponsored

    乱立する文書管理をBoxに統合へ、オークネットは基盤整備で「AIをビジネスの武器にする」

  7. 7位

    sponsored

    ルールは作ったが… 現場の「勝手にAI利用」が止まらない! どうやったら防げた?

  8. 8位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  9. 9位

    IoT

    フィジカルAI時代を見据え、NTTドコビジがNaaS基盤を強化 数万台のIoTデバイスをセキュアに管理

  10. 10位

    デジタル

    Zscaler Internet AccessのIKEv2接続例 ヤマハRTX1300でZIA経由の冗長IPsec VPNを構築する方法

集計期間:
2026年09月22日~2026年09月28日
  • 角川アスキー総合研究所