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AI活用成功にはデータ基盤整備が不可欠。新たなコンセプトを掲げ、その浸透を図る

“鶏が先か、卵が先か”の議論をやめ、AIを事業成果につなげる年へ ―ネットアップ・斉藤社長

2026年01月09日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 昨年(2025年)6月から、ネットアップ(NetApp)日本法人の社長を務める斉藤千春氏。9月に行った事業戦略説明会では、企業がAI活用を成功させるためのデータ基盤構築の重要性を訴えるとともに、「日本の企業やSIerはまだその重要性に気づいていない」と指摘。ネットアップが掲げる「インテリジェント・データ・インフラストラクチャー」コンセプトを日本企業に広く浸透させ、その現場導入を進めていく1年にしたいと語った。

 AIとデータの活用をめぐる日本企業の現状や課題をどう見ているのか、そこから前進させるためにネットアップは何ができると考えているのか。あらためて、斉藤氏と同社チーフ テクノロジー エバンジェリストの神原豊彦氏に話を聞いた。

ネットアップ 代表執行役員社長の斉藤千春氏

AIの本格展開を前に“鶏が先か、卵が先か”で立ちすくむ日本企業

――先の事業戦略説明会では、「AI活用成功の重要ポイントはデータ基盤の整備」と強調した一方で、日本の企業やSIerはそうした意識が薄く、データ基盤整備への投資意向も低いことを指摘されました。そもそもなぜそうなっているのか、背景をどう見ていますか。

斉藤氏:AIに限りませんが、全体としてはやはり欧米の企業のほうが、決断も行動も早いですね。もちろん、日本企業においてもAIへの期待は非常に高まっていて、PoCやトライアル利用は始まっています。ですが、一部の大企業を除いて、「具体的な事業成果」に結びつけるフェーズにはまだまだ達していません。

 この「AI活用を事業成果に結びつける」フェーズで、データ基盤への投資が不可欠になると考えています。AI活用を事業成果に結びつけるには、信頼できるデータを用いて、安全かつ迅速に、自社の業務やビジネス課題に適合させていくことが重要だからです。しかし、トライアルの段階では基盤整備が不十分なケースが多いため、事業成果の見通しが立たない。“鶏が先か、卵が先か”という言葉のとおりかもしれません。

 日本では、データ基盤への投資を「コスト」と捉える傾向が強く、投資判断も遅れがちです。日本企業に今求められている“次の一手”は、AI戦略の中心にデータの戦略を据え、投資判断をきちんと加速していくことだと、わたしたちは考えています。ここがいま、日本企業にとっての大きな課題ではないでしょうか。

NetAppでは、AI活用/AIイノベーションだけでなく「すべての変革の中心」にデータがあると訴えている

――“鶏が先か卵が先か”の議論で立ち止まってしまっているわけですね。そうした現状に対して、ネットアップではどんな解決策を提示しているのでしょうか。

斉藤氏:まずは「試してみる」から「本番で活用する」「統制しながら活用を広げていく」までの3段階を、ネットアップが途切れなく支援できます、ということです。ネットアップならば、オンプレミスと主要クラウドを横断する形で、一貫したルールでのデータ管理や強固なガバナンスを持つ“一枚岩のデータ基盤”を構築できます。

 それから、データ基盤を通じて「スピード」と「ガバナンス」「ROI(投資対効果)」の3つを同時に引き上げられることも、とても重要だと考えています。どれか1つだけならばそれほど難しくないのですが、この3つがそろわなければ「投資する」という決断までは持って行けないな、という実感があります。

――3つを「同時に」という点が難しそうです。そうした新たなデータ基盤の構築は、具体的にはどんな手順で進めるのですか。

斉藤氏:まずは顧客企業の経営層の方々にアプローチをして、エグゼクティブブリーフィングというかたちで、現状の認識を再定義します。そのうえで、全社にあるデータの棚卸しと可視化を行い、現状を明確化したうえで、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドを前提とした本番運用のアーキテクチャを再構築します。そのうえで、PoC、本番活用、全社展開までを一気通貫で加速していくというのが、現在のアプローチです。

 エンタープライズのお客さまの場合、こうした新しいデータ基盤への転換は「3年で結果を出す」ことを目標に進めるケースが多いです。まず1年目はPoCや簡単なテストケースを実施し、2年目に本番運用のデザインを行って、3年目に事業成果を出すというかたちですね。もう少し規模の小さなお客さまでは、そこまで急がず、5年後をめどに事業成果を出そうと考えられることが多いと感じます。

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