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「AI成功の重要ポイントはデータインフラの整備。日本の企業やSIerはまだ気づいていない」

“これまでと違うネットアップ像”を広める 斉藤新社長が新年度戦略を語る

2025年10月14日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットアップ(NetApp)日本法人は2025年9月30日、新年度(2026年度、2025年5月~2026年4月期)の事業戦略発表会を開催した。

 今年6月から社長を務める斉藤千春氏は、新年度の事業方針として、ネットアップが“データプラットフォームの新たなあり方”として掲げる「インテリジェント・データ・インフラストラクチャー」コンセプトに基づくソリューションを、顧客企業の現場に「展開」していく年にしたいと説明。現状における顧客企業側の課題や、ネットアップ側での具体的な施策について語った。

 なお、最新四半期の国内市場調査でシェアトップの座を獲得したことを受け、3年後を目標に「ぶっちぎりシェアNo.1」を実現していくという目標も掲げている。

ネットアップでは、AI/データで顧客企業が抱える“4つのチャレンジ(課題)”を解消できる「インテリジェント・データ・インフラストラクチャー」を提唱している

ネットアップ 代表執行役員会長の中島シハブ・ドゥグラ氏、同社 代表執行役員社長の斉藤千春氏

グローバルで過去最高の売上を記録、国内市場ではシェアNo.1を獲得

 発表会ではまず、昨年度(2025年度)まで日本法人社長を務め、6月に会長に就任した中島シハブ・ドゥグラ氏が、昨年度のネットアップのビジネスを振り返った。

 2025年度のグローバル売上は、過去最高となる66億ドル(前年比5%増)を記録した。特に「オールフラッシュ」「サブスクリプション型ビジネス」「クラウドストレージ」の3領域で大きな成長を遂げたと、中島氏は強調する。

 こうした成長傾向は、日本市場においてもほぼ同様だったという。その結果、2025年第2四半期のIDC調査では、日本のネットワークストレージ市場において「シェアNo.1」を獲得するに至った。中島氏は「顧客の重要なニーズである、セキュリティ、モダナイズ、AI対応という期待に応えたことで、ブロック、ファイル、オブジェクトストレージというすべてのストレージ領域で販売を拡大できた」と説明する。

ネットアップの2025年度業績ハイライト(グローバル)

僅差ながら、国内のオープンネットワークストレージ市場でシェアNo.1を獲得

 中島氏は昨年度、企業ビジネスが「データとインテリジェンスの時代に突入した」ことを宣言していた。現在もその見方には変化はなく、「これからの企業成長には、AIに対応したインテリジェントなデータ基盤の構築が不可欠」だと強調した。

新たなコンセプトのデータ基盤を「展開」する年、ただし顧客側の理解にはまだ課題も

 続いて、2026年度の国内事業戦略と具体的な重要施策について、新社長の斉藤千春氏が説明した。斉藤氏は、ヒューレット・パッカード(現在のHPE)でストレージ製品のハイタッチセールスやパートナー部門マネジメントなどを、またオラクルでアライアンス事業、「Exadata」やSparkサーバー、IaaSなどのインフラビジネスなどを担当してきた経歴を持つ。

 斉藤氏はまず、昨年度は、新コンセプト「インテリジェント・データ・インフラストラクチャー」に基づく新製品群やアップデートが多数リリースされ、顧客企業への導入も進んだと説明。そのうえで今年度は、そうした製品を活用したソリューションを実際に現場導入するフェーズに入る「展開の年」にしていきたいと、今年度の方針を語る。

昨年度は、インテリジェント・データ・インフラストラクチャーのコンセプトに基づいて製品の刷新を図った

 しかし、データプラットフォームに対する日本企業の理解には、まだ大きな課題があるという。斉藤氏は、ネットアップが実施した、日本企業におけるAI利用の実態/意識調査(2025年8月実施)の結果を示した。

 この調査によると、すでに65%の企業でAIの業務利用(もしくはトライアル)が行われており、「今後のIT投資分野」についてもトップ項目は「AIの活用」だった。ただし、AI活用の基盤となるはずの「データインフラの整備」については、投資の優先度が低い。

 「AI先進国である英国の調査では、AIプロジェクトの85%が、データプラットフォームの整備に課題があったことで商用化に失敗している。つまり、AIの成功には『データプラットフォームの整備』が必須事項となる。日本の顧客企業やシステムインテグレーターは、この重要なポイントにまだ気づいていないと感じる」(斉藤氏)

ネットアップによる国内企業230社への調査結果より

 企業におけるデータ関連の具体的な課題としては、大きく4つを挙げた。「どのようなデータプラットフォームに投資すべきなのか」「ハイブリッドクラウド環境下でどのようにクラウドを最適化するか」「サイバー攻撃対策の強化とサイバーレジリエンスの実現」「AI時代に対応したデータプラットフォームの刷新」の4つだ。

 「これらを一気に解決できる新時代のプラットフォーム、それがネットアップの提唱するインテリジェント・データ・インフラストラクチャーだ」(斉藤氏)

 続けて斉藤氏は、今年度のネットアップのミッションは、そうしたデータプラットフォームを実現できるよう構成されたネットアップの製品ポートフォリオを用いて、顧客ごとの要望に応じたインテリジェント・データ・インフラストラクチャーを共に作り上げていくことだとした。

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  • 角川アスキー総合研究所