●基本的な使い方は風量と温度設定
風量は赤いスイッチで切り替え。2段階のシーソータイプのスイッチになっており、下側だとOFF(停止)、中央にするとLOW(弱風)、上側ではHIGH(強風)となります。
温度調整ができる範囲が風量によって変わり、弱風だと50~300度、強風では100~600度。風が強いと熱が逃げやすくなり、温度が上がりにくそうな印象になりますが、最大温度を上げるというより、より多くの熱風を送り出すということを重視している感じですね。この温度設定も熱風の温度ではなく、ヒーターの温度でしょう。
温度設定は液晶画面の下に搭載されている、3つのボタンで行ないます。弱風の場合は+と-のみで、押すたびに10度ずつ変化。強風の場合はモードが有効になり、ボタンを押すたび、通用(100度~)、熱収縮(200度~)、フィルム(300度~)、溶接(400度~)と切り替わります。
といっても、モードごとにスタート温度が違うだけで、設定できる範囲は100~600度で変わりません。単純に、使いたい温度へのショートカットみたいなものだと思えばいいでしょう。ちなみに強風の場合、+と-を押すと10度ずつ変化するのは弱風と同じですが、長押しすると100度単位で変更できるという点が異なります。
個人的に気になったのは、この弱風と強風で、それぞれどのくらいの温度の風が出てくるのかという点です。吹き出し口の先、約5cmの場所に温度センサーを置き、直接温度を測ってみたところ、300度設定の弱風では約221度、600度設定の強風では約335度まで上昇していました。
ただし、センサーに直接風が当たることもあってか、温度は乱高下。熱風の当て方次第で大きく変わります。とはいえ、このくらい加熱できるなら、多くの用途で活躍できるのは間違いありません。
使用後に電源をオフにすると自動で冷却動作が入り、5秒ほど最大風量でヒーターを冷やしてくれます。マニュアルには「完全に冷やされます」とありますが、全然そんなことはなく、かなり熱いままなので、気休め程度に思っておいた方がよさそうです。
ちなみに、吹き出し口を上にした状態で自立可能。かなり安定しているので、加工したい物を両手に持って熱風を当てる場合や、ヒーターの冷却時にこの状態で置いておくと便利です。
付属のノズルは、曲面ノズル、平面ノズル、丸ノズル(大)、丸ノズル(小)の4種類。曲面ノズルは風向を変えられるので、パイプや竹ひごの曲げ作業などで活躍してくれます。平面ノズルは薄く広く風を当てられるので、シュリンクフィルムなどに最適。丸ノズルは、特定の場所だけ集中的に加熱したい場合に向いています。
スクレーパーは、平たい場所でシールや接着剤、塗装剥がしをするのに便利な平たいタイプと、三角の薄板にハンドルが付いた2種類が付属しています。三角のタイプは、角に張り付いたシールなどをかき出す場合に活躍してくれます。
なお、ノズルもスクレーパーも加工はあまり丁寧ではないため、角が尖ってかなり痛いです。作業時にケガや火傷をしないよう、軍手などをする方が安全でしょう。
続いて、ヒートガンでどんなことができるのか、身近なモノで試してみました。

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