丸の内・三菱一号館美術館に併設された Café 1894 は、明治時代に銀行営業室として使われていた場所を復元した美しい空間です。高い天井と吹き抜けのホール、重厚なカウンター、そして柔らかな灯りが織りなすクラシカルな雰囲気は、まるで19世紀末のヨーロッパに迷い込んだかのような空間。言わずと知れた丸の内の人気スポットです。
現在、三菱一号館美術館に併設するCafé 1894では、開催中の展覧会「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」とのタイアップメニューが登場しています。カフェのクラシカルな空間に、1920〜30年代パリのエレガンスが香る期間限定の美食が揃いました。
ランチタイムには、前菜とメイン・ドリンクを組み合わせたタイアップランチ「Délices de la mode (デリス ドゥ ラ モード)」(2,800円)が登場。エビやカリフラワー、ビーツなどの色彩豊かな野菜をコンソメジュレで包んだ前菜「エビと季節野菜のテリーヌ風」と、じゃがいものグラタンを添えた「鴨肉のロティ 赤い果実のソース」。華やかな色彩と味の調和が、まるでモードのように洗練された一皿です。
ランチ限定のミニデザート「フルーツジュエル―ヴァニラビーンズ香るブランマンジェ」(500円)は、カルティエの“フルーツサラダ・リング”に着想を得た一品。宝石のようにきらめくフルーツとブランマンジェがテーブルを彩ります。
午後のカフェタイムには、展覧会を象徴する赤いドレスをイメージした「レッドベルベットケーキと赤い果実」(1,550円)。フロマージュクリームを挟んだケーキにカシスのシャーベットを添え、軽やかで艶やかな甘さを演出しています。
夜はさらに豪華なタイアップディナーが展開されます。ビスクムースと海老、ビーツのカクテルにキャビアを添えた前菜(1,600円)は、色彩も食感も芸術品のよう。
メインの「黒毛和牛ステーキとフォアグラのポワレ」(4,500円)は、赤ワインソースが香る贅沢な一皿で、アール・デコ期の晩餐を思わせます。
締めくくりには「フルーツドレス — Parfait de robes」(2,000円)。季節の果実を層に重ね、グラスの中でドレスのように艶めくパフェ仕立てのデザートです。
アール・ヌーヴォーからアール・デコへと時代が移り変わった頃の「モダンとエレガンスの融合」を、建築そのものが体現しています。昼は自然光が差し込む開放的な空間でランチを、夜はシックなバーカウンターでグラスを傾けながらディナーを楽しめるのも魅力。展覧会とリンクしたオリジナルメニューを味わえば、芸術と美食が響き合う贅沢な時間が流れます。
開催中の展覧会 「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」(2025年10月11日〜2026年1月25日)は、20世紀初頭のパリを中心に花開いたアール・デコの美と、同時代のモード(ファッション)の関係を紐解く内容です。ココ・シャネル、ジャン・パトゥ、ジャンヌ・ランバンなど、時代を彩ったデザイナーのドレスが一堂に会し、幾何学的で洗練された造形美を間近に感じられます。さらにジュエリーや装飾品、ポスターなど、当時のライフスタイルを映す資料も豊富に展示され、モードがいかに文化や社会の変化を映し出してきたかを実感できます。
Café 1894の一皿一皿に込められた時代のエッセンスと、美術館の展示室で目にする洗練された造形美。そのふたつが丸の内の一角で共鳴し、アール・デコが生きていた時代の華やぎと創造の息吹を、今に伝えています。訪れる人は、空間と味と造形のすべてを通じて、過去と現在をつなぐ“モードの記憶”を体感することができるでしょう。
Café 1894
所在地:東京都千代田区丸の内2-6-2 三菱一号館美術館1F
営業時間:11:00~23:00
ランチタイム11:00~14:30(L.O.14:00)
カフェタイム14:30~17:00(L.O.16:30)
ディナータイム17:00~23:00(L.O.22:00)
休業日:不定休
TEL:03-3212-7156
URL:https://mimt.jp/cafe1894/#/top
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