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いろいろあったけど良い未来に向かいそう

Intel 18AのPanther Lakeでインテル復活の兆し、独自のAI開発支援ワークショップも

2025年11月04日 14時30分更新

文● ジサトライッペイ/ASCII 編集●ASCII

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インテル株式会社独自の取り組みでAIを身近に

 じゃあ本稿ではなにをご紹介するかといえば、ずばりインテル株式会社独自の取り組みです。同社はインテルのAPAC組織に属してるわけですが、昔から独自性の強い取り組みを続けてきました。特に大野社長に代替わりしてからは、よりユーザー目線を意識した取り組みが増えたような気がします。

「Intel Tech Tour 2025取材レポート【その4】


 大野社長と技術本部 IA技術本部部長 太田仁彦さんが、ベテランハンターのRaMuさんにつっこまれながら「モンスターハンターワイルズ」をプレイ。

「Intel Tech Tour 2025取材レポート【その4】

 大野社長が最新PCパーツでゲーミングPCを自作。額に汗して苦労しながらも楽しそうに組み込んでいく姿が印象的でした。何年経ってもPC自作の「ワクワク感」は変わらないものなんですね。

 僕はSandy Bridge(開発コードネーム)からインテル担当(当時の編集部はメーカーごとに担当がついておりました)なのですが、今の体制が最も身近に感じます。それはやはり、大野社長の姿勢から感じるユーザーとの距離感が大きく寄与している気がします。

 インテル本社はIntel Tech Tour 2025において「米国で生産するCPU」というメッセージのほか、引き続きAI PCの将来性も説きました。そして、インテル株式会社ではそこからさらに1歩進め、今回のプレスセミナーでは「PEAR Experience by Intel」という国内AI PC向けソリューションの開発支援ワークショップを発表しました。

2025年の国内PC市場(出展:IDC)の販売台数は、Windows 10のサポート終了やGIGAスクール構想の端末更新などで例年から大幅増。その後はそのあおりでじんわりと減っていきますが、AI PC(NPUを搭載するPC)のシェアは拡大していく見込みとのこと

インテル株式会社の技術・営業統括本部本部長 町田奈穂さんが発表した、国内AI PC向けソリューションの開発支援ワークショップ「PEAR Experience by Intel」

 「PEAR」という名称はPC、Edge、AI、Revolutionの頭文字から取っており、「梨」(英語でPEAR)のロゴが入っております。同ワークショップはプログラマーだけではなく、コードを書いたことがない人でも参加できるもので、AIソフト開発の普及を目指しています。

 梨の花言葉は「愛情」や「博愛」ですが、なるほどたしかに愛を感じます。いくらこれからAIが普及するからといって、AIに詳しく人材を雇おうとしても限りがあります。

AI PCを取り巻くエコシステムは急速に拡大中で、ソフトウェアベンダーは350社以上、AIモデルは900種類以上、実際に使用できる機能も500近くあるそうな

そんな中、これからは自律的に動くエージェンティックAI(エージェント型AI)や、ロボットなどを動かすフィジカルAIなども普及していく見込みです。特にフィジカルAIは人手が不足している業界で期待されております

 また、Gartnerは、過度な期待の中で生まれるエージェント型AIプロジェクトの40%以上が、2027年末までに中止されると予測しています。近年の技術進歩を考えれば、AI市場の荒波は想定をはるかに超えたものになるかもしれません。

 ゆえに、AI人材の育成・確保は急務です。現在プログラミングに従事している人だけでは圧倒的に足りません。そんな問題を解決するためのPEAR Experience by Intelです。

 プログラミングはできずとも、イマドキはローコードの開発環境も増えております。大事なコトはAIの仕組みを理解することです。プログラマーじゃなくても、AI開発を一度経験すれば、その概要や複雑なプログラムに対するリスペクトが生まれるでしょう。

 さすれば、社内のプログラマーに対する理解も深まって余計な衝突が少なくなり、生産効率が上がるかもしれません。そのスタッフを補助する人材の重要性も高まるでしょう。そういった意味では、部署や役職を問わず参加したほうがいいワークショップといえます。

 リブランドでCPU名から「i」がなくなりましたが、インテル株式会社のAI社会を支える姿勢には「愛」を感じました。PEAR Experience by Intelは2025年11月から開催予定とのこと。機会があれば僕も参加してみたいです。

ちなみに、インテル株式会社は新オフィスに移られ、完全ハイブリッドから週4日出社になったとのこと。対面コミュニケーションも1つの「愛」の形かもしれません。ここばかりはなかなかAIではサポートできない部分ですな

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