先端テックニュースまとめ読み from MITテクノロジーレビュー 第354回
粘菌の「超能力」で都市インフラを設計/ニューラリンク元社長、「人工視覚」実用化
2025年10月27日 10時30分更新
世界最先端のテクノロジー情報をお届けするグローバルメディア「MITテクノロジーレビュー」から、ビジネスに役立つ注目のテック企業の最新動向、イノベーションにつながる最新の研究内容をピックアップして紹介します。
脳を持たない生物の知恵、 都市インフラ設計に活かす 「粘菌アルゴリズム」
交通渋滞や気候変動に直面する都市問題に、6億年前から存在する粘菌の「超能力」を活用——。米国のスタートアップは、生物の効率的なネットワーク形成能力を模倣したアルゴリズムで、地下鉄駅の接続や自転車レーンの最適化に取り組んでいる。
ニューラリンク元社長の新会社、格安買収で「人工視覚」実用化
ニューラリンク元社長が創業したサイエンス・コーポレーションが、破産寸前のフランス企業から視覚インプラント技術を格安で買収。加齢黄斑変性の患者を対象とした臨床試験の結果では、読書できるまでに回復した例もあった。同社は欧州での販売承認を申請している。
アーティストが「ゴミ製造機」批判を超えて生成AIを使う理由
生成AIは「AIスロップ」を垂れ流す「ゴミ製造機」——そんな批判が渦巻く中、AIツールで真剣に芸術作品を制作するアーティストたちがいる。オークションで高値で売れ、美術館の永久コレクションに入る作品も登場。強い反発を受けながらも、なぜ彼らは生成AIにこだわるのか。
時計の針は巻き戻せるか? 老化時計から紐解く、 「老い」のメカニズム
生物学的年齢を測る「老化時計」は、老化研究に革命をもたらした。怪しげなクリニックやサプリメントで利用されるケースもあるが、老化時計は、科学者たちが生物学における最も深遠な謎を解き明かす手がかりとなっている。最終的には、「老化というプロセスそのものを逆転できるかどうか」を私たちに教えてくれるかもしれない。
地上から系外惑星を撮る——若手天文学者、10年越しの挑戦
地球上の大気の乱れは、地上観測で新しい太陽系外惑星を検出することを困難にしている。天文学者レベッカ・ジェンセン・クレムは、望遠鏡の鏡を星のまたたきよりも速く微調整することで、地上の天文台から太陽系外惑星を発見する方法を研究している。
アフリカ発AI革命の胎動——研究者1300人が集う「インダバ」の熱気
ルワンダの首都キガリで開催されたアフリカ最大級のAIカンファレンス「ディープラーニング・インダバ」。50カ国1300人の研究者が集い、「アフリカで開発されたAI製品をアフリカ産業が採用する」自立への夢も語られた。
「気候テック企業10」選出で見えてきた3つの潮流
中国の躍進、データセンターの電力需要への関心など、MITテクノロジーレビューが発表した「気候テック企業10」の選考過程で浮き彫りになった3つの潮流とは?
心筋梗塞の兆候を自動検出、AIが病気を定義する時代の課題とは
他の目的で撮影されたCTスキャンから、AIが心筋梗塞の兆候となる冠動脈石灰化を自動検出する技術が複数の企業から登場している。年間2000万人のスキャンから見逃されていたリスクを発見できる可能性がある一方、AIが疾病を定義する時代の複雑な課題も浮上している。

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