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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第320回

アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に

2025年10月21日 22時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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ワークフローが変わる?

 筆者はどちらかというとMac中心で、デスクトップのMac Studioをデスクに、モバイル向けにMacBook Proを用いる、という体制でここ3年ほど過ごしてきました。

 このなかで重宝していたiPadはiPad miniで、Macにはないペン入力を手軽にするツールとして活用してきました。他方、よりクリエイティブ色の強いユーザーは、まず触れる第一のツールとしてのiPad Proの存在が非常に大きいのも事実です。

 AppleのTim Cook CEOが来日し、大阪・梅田のApple Storeを訪れた際、日本人のアーティスト、細川雄太さんとの会話を楽しんだ様子が印象的でした。iPadで作ったデザインを実際の刺繍を施したスカジャンを見せながら、自身のワークフローをCook氏に紹介していました。

AppleのTim Cook CEO(左)とアーティストの細川雄太氏(右)。細川氏の作品のファンだというCook氏と、iPad Proによるクリエイションについて議論を交わした。(Apple提供)

 細川さんは、iPad ProとApple Pencil Proでイラストや刺繍のデザインを作成するなど、クリエイティブの起点としてiPadを活用しており、そうしたプロにとって、iPad Proの高性能化はクリエイティブのスピードやイメージ通りの仕上がりを支援してくれているのです。

 多くのクリエイターがiPadを起点にし、Macで仕上げるというワークフローを組んでいます。

 しかしiPad Proに新たに搭載されたM5チップのパワーは、Macに持っていかず、iPad Proのみで仕上げるワークフローが現実的な選択肢になってくる……そんなMacとiPadの垣根を越えるようなアップデートになった、と評価しています。

 

筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。モバイルとソーシャルにテクノロジー、ライフスタイル、イノベーションについて取材活動を展開。2011年より8年間、米国カリフォルニア州バークレーに住み、シリコンバレー、サンフランシスコのテックシーンを直接取材。帰国後、iU大学教授としてビジネス・メディア・デザイン領域の教鞭を執る。

公式ブログ @tarosite (https://tarosite.net/)
Xアカウント @taromatsumura
YouTube #マツムラボ(https://youtube.com/@matsumlab

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