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年次イベント「Cloudera EVOLVE25」を開催

AIデータ基盤で巻き返しを図るCloudera、“AI-in-a-Box”を発表

2025年10月10日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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推論環境に大きなチャンスを見込む、今後はUI/UXにも投資

 EVOLVE25の開催テーマは「Bringing AI to Your Data - Anywhere」、データが存在するあらゆる場所でAIを利用できるようにすること――だった。

 Clouderaは、「ハイブリッド環境におけるAI活用を支援する」というプラットフォームのビジョンを完成させるために、先に触れた数々の買収を通じて、技術面のポートフォリオを拡充してきた。中でも8月のTaikun取得によって、技術のコンテナ化が可能になったことは大きい。

 今回のEVOLVEでは“AI-in-a-Box”として、Dell、NVIDIAとの提携も正式発表した。「Dell ObjectScale」にClouderaプラットフォームを統合し、構造化データと非構造化データを一箇所に保存したうえで、安全にアクセスできるようにする。Dell ObjectScaleは、AIワークロード用のAmazon S3互換オブジェクトストアとして利用できる。また、Clouderaの技術としては、AIモデルの構築/トレーニングのためのツール「AI Workbench」や、推論の「Inference Service」、エージェント設計の「Agent Studio」などを用意する。

 「これを自前で構築すれば7~8カ月はかかるが、Clouderaとパートナーが協力した“AI-in-a-Box”により、数週間に短縮できる」(リッキー氏)

Dell、NVIDIAとの提携による“AI-in-a-Box”の構成

 技術面では、Clouderaのデータプラットフォームを強化するものとして、「Cloudera Iceberg REST Catalog」「Cloudera Lakehouse Optimizer」を発表している。

 Cloudera Iceberg REST Catalogは、Apache Icebergをサポートしたデータカタログ技術であり、あらゆるクラウドやデータセンター間で安全なゼロコピーデータ共有と統一ガバナンスを実現するという。Cloudera Lakehouse Optimizerは、Apache Icebergの自動最適化とテーブルメンテナンスなどの技術を提供する新しいインテリジェントサービスで、任意のパブリッククラウド上のIceberg互換エンジンを活用できる。将来的にオンプレミスのサポートも実現予定だ。

Clouderaは、自社を“Best kept secret(隠れた優良ベンダー)”だと位置付ける。Clouderaの顧客には、世界の銀行トップ10行のうち8行、自動車メーカートップ10社の8社、保険トップ10社の7社が含まれるという実績も持つ。AI活用のためのデータ基盤としてClouderaを利用する企業も、すでに250社以上だという。

 CSOのリッキー氏は、現在の企業にとって「データこそ競争優位性だ」と強調した。AIの世界では、モデルも、エージェントも、フレームワークさえもコモディティ化されたため、そこでは優劣が付かず、AIの推論で使われる企業独自の「データ」こそが優位性の源泉になる、という見方だ。そこでClouderaでは、顧客企業に「信頼性」「説明可能性」「成果」の3つのポイントを押さえた製品を提供していく。

“AI Ready Data”のためのデータレイクハウスを提供する

 成長はまだまだこれからだ。Clouderaによると、AI推論市場は現在750億ドル規模だが、今後18カ月間で2倍以上の1600億ドル規模に成長する見込みだ。このうちおよそ30%が、プライベートクラウド環境での推論処理になると予測しており、Clouderaのハイブリッドアプローチの価値が高まるとみる。

 “AI時代のデータ基盤”を構成するテクノロジーがそろったところで、今後はプラットフォームを刷新し、UI/UXの改善に着手する方針だ。CROのオドード氏は「Clouderaは、最も拡張性のあるソリューションを提供する。データレイクハウス、AIとデータエンジニアリングなどを支援するプラットフォームを有する。今後はこれら優れたソリューションに加え、使いやすさにフォーカスする」と述べた。

 Taikun買収によって「(Cloudera側で)インフラの複雑さを抽象化し、クラウドのような体験を実現する。企業はデータ駆動型ビジネスアプリケーションの提供に集中できる」とサンスベリー氏は語る。オドード氏も「新しいUIを提供し、操作ステップ数を削減するUXに投資していく。今後1年間で、これまでの5年を上回る技術革新を進める」と約束した。

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