Lepton Mini B860iをレビュー
通気性全振りの全面メッシュな容積14.9Lの小型ワークステーションが爆誕!RTX 5060 Ti 16GBもCore Ultra 9 285Kもばっちり運用できる
2025年10月21日 10時00分更新
空冷クーラーでもCore Ultra 9がまともに動いてる!?
ここからは実機を使った性能面を簡単に見ていこう。今回お借りしたLepton Mini B860i
の試用機のCPUは、24コアでパワフルなCore Ultra 9 285K。低背の空冷クーラーを採用している点を踏まえると、かなりの発熱が予想できる。
Core Ultra 9 285Kの推奨電力制限は、短時間の高負荷時における最大ターボパワー(PL2)が250W、高負荷が持続する時のプロセッサーのベースパワー(PL1)が125W。空冷でも運用できなくはないが、性能面を考えると迷わず水冷クーラーを選ぶようなCPUだけに気になるところだ。
というわけで、定番のベンチマークソフト「CINEBENCH 2024」で検証してみた。このソフトはCGレンダリング速度からCPUの性能を測ってくれるもので、結果は「pts」という独自スコアーを算出し、この数値が大きければ大きいほど高性能ということになる。
テストは全コア/スレッドを使用する「Multi Core」と、1つだけ使用する「Single Core」。それぞれ、10分以上ループ実行するデフォルトの設定で試した。なお、Multi Coreテストでは全コア/スレッドに長時間高負荷をかけることになるため、温度チェックにも適している。
結果はMulti Coreが2150ptsで、Single Coreが140pts。水冷クーラーを採用した別のPCと比べると、Single Coreはほぼ同等レベルだったが、Multi Coreは1割以上低いスコアーだった。
この理由は簡単で、水冷クーラーを採用した比較PCは、PL1もPL2と同じ250W、もしくは無制限という設定になっているから。つまり、長時間高負荷が続く場合でも、お構いなしにフルパワーでぶん回す特殊な設定なのだ。
では、Lepton Mini B860i
ではどうなのかというと、これがなかなか興味深い。PL2こそ標準設定の250Wだが、PL1は125Wではなく159Wに高められていた。これがどういうことなのかという答え合わせは、CPU温度を観察すると「なるほどな」となった。
下記はモニタリングツール「HWiNFO64 Pro」で、CINEBENCH 2024のMulti Coreテスト終了直前のCPUの状態を計測したものだ。
よく見るとCPUは最大で106度まで上昇していて、サーマルスロットリングが機能した痕跡が残っている。これは高負荷状態がはじまった直後にPL2(つまり、250W)で動作していた時のものだ。さすがに、低背の空冷クーラーでは250WのCPUを冷やしきることは難しく、サーマルスロットリングで強制的に動作クロックが下げられてしまっていた。
ただし、その後のPL1(つまり、159W)になってからの動作は安定。終了直前のCPU温度の平均温度は85度で、危なげなく動作していることがわかる。もちろん、標準の125Wでも同様に安定動作は見込めるが、そうすると性能は下がってしまうことになる。ゆえに、PL1=159Wは安定動作の範囲で高い性能を発揮できるよう考えられた絶妙設定なのだ。
低背の空冷CPUクーラーではピーク性能を維持することはできないものの、電力効率とのバランスを考えた設定であれば、ハイエンドのCore Ultra 9 285Kも安定運用できる。それがLepton Mini B860i
の強みといえる。
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