このページの本文へ

GPU搭載で1.6kgです

Ryzen AI にRTX搭載の最強14型モバイルノートPC「RazerBlade 14」海外モデル実機レビュー

2025年09月12日 00時01分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷



 Razerは5月19日、同社史上最薄の14型ノートPC「Razer Blade 14」を世界向けに発表した。現時点では日本での展開はまったくの未定。日本では発売されない可能性すらある。しかし、ただ指をくわえて海外レビュー記事を見るだけというのはあまりにも酷というものだ。

 今回、Razerから海外モデルを借用できたので、先行実機レビューをお届けする。SNSなどで本製品について言及いただければ日本発売の可能性が高まるかもしれない。物欲が刺激された方は本製品の魅力などをコメントいただければ幸いだ。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

Razer「Razer Blade 14」直販価格1899.99ドル(約28万1238円)~

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

今回はAMD Ryzen AI 9 365、GeForce RTX 5070搭載モデルを試用した

モバイルノートPCなのに強力な3D性能
映像編集もゲームも高画質で楽しめる

 

 「Razer Blade 14」はOSに「Windows 11 Home」、プロセッサーに「AMD Ryzen AI 9 365」、ディスクリートGPUに「NVIDIA GeForce RTX 5060 Laptop GPU」/「NVIDIA GeForce RTX 5070 Laptop GPU」を採用。メモリーは16GB/32GB/64GB(LPDDR5X-8000)、ストレージは1TB/2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)から選択できる。

 ディスプレーは14型 QHD+ OLED(2880×1800ドット、120Hz、0.2ms)を搭載。オーディオ機能は6スピーカー、アレイマイクを用意。ディスプレー上部にはウェブカメラ(1080p、Windows Hello顔認証対応)を内蔵している。

 インターフェースはUSB 4(Power Delivery、Display Port 2.1)×2、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、HDMI 2.1、microSDメモリーカードスロット(UHS-II)、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。

 本体サイズは310.7×224.3×15.8~16.2mm、重量は1.63kg。バッテリーは72Whのリチウムイオンを搭載。バッテリー駆動時間は非公表だ。

 本製品の売りは、ディスクリートGPU、OLEDディスプレーを搭載しつつ、15.8~16.2mm、1.63kgの薄型軽量ボディーを実現していること。一昔前のモバイルノートPCのような感覚で、強力な3Dグラフィックス性能を活用し、高画質・高速な映像機能を享受できるわけだ。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

本体カラーはBlackとWhiteを用意

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

サーマルインターフェースジェル「Honeywell PTM7958」、0.05mmの超薄型フィン、ベイパーチャンバー、デュアルファン、冷却効率を重視した底面パネルを組み合わせた新型冷却システムを採用

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ディスプレーは14型 QHD+ OLEDを搭載。カラープロファイルによりRec. 709、DCI-P3、sRGB、Adobe RGBの色空間に対応する

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ディスプレー上部にはウェブカメラ(1080p、Windows Hello顔認証対応)、アレイマイクを内蔵

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

グローバルモデルなので当然英語キーボードだ

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

本体前面と背面。排気はすべて背面側で行なわれる

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

右側面にはmicroSDカードスロット、USB 4、USB 3.2 Gen2 Type-A、HDMI 2.1、セキュリティーロックスロット、左側面には電源端子、USB 3.2 Gen2 Type-A、USB 4、3.5mmコンボジャックを用意

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ディスプレーの最大展開角度は実測132度

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類が同梱(※ACアダプターは海外版)

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ACアダプターのサイズは実測153×73×24mm。コード長は実測205cm、電源ケーブルは実測95cm(※ACアダプターは海外版)

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ACアダプターの型番は「ADP-200JB F」。仕様は入力100-240V~2.5A、出力20V 10A、容量200W(※ACアダプターは海外版)

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

本体の重量は実測1631g

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測665g

最大50TOPSのNPUを搭載
Copilot+ PC向け機能の大部分を利用できる

 

 「Razer Blade 14」はプロセッサーに「AMD Ryzen AI 9 365」を採用している。このRyzen AI 9 365は、10コア、20スレッドのCPUコア、内蔵GPU「AMD Radeon 880M」に加えて、最大50TOPSのNPU「AMD Ryzen AI」を搭載しており、Copilot+ PCの「40TOPS以上のNPU」という要件をクリアーしている。しかし、記事執筆時点の製品公式サイトに「Copilot+ PC」という記載はなかった。

 ただ実機を確認したところ、「コクリエイター」、「スタジオ効果」、「ライブキャプション」などCopilot+ PC向け機能は実装されている。記事執筆時点で「リコール」はまだ提供されていなかったが、Copilot+ PC向け機能の大部分を利用できると言えそうだ。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

生成AIアシスタント「Copilot」を呼び出す「Copilotキー」を搭載

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「コクリエイター」、「スタジオ効果」、「ライブキャプション」は利用できたが、「リコール」はまだインストールされていなかった

 海外モデルなのでキーボードもUS配列だが、キーピッチは実測19mm、キーストロークは実測1.3~1.4mm前後を確保。ゲーミングキーボードも製造、販売しているRazerのノートPCだけに、打鍵感は小気味よく、打鍵音は低く抑えられている。

 ダイビングボード構造のタッチパッドは実測149×84.5mmの広いスペースが確保されており、こちらのクリック感も良好だ。ゲーミングノートPCとしてアピールされているRazer Blade 14だが、テキスト入力マシンとしても使いやすいと強く推せる。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

キーピッチは実測19mm

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

キーストロークは実測1.3~1.4mm前後

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

キーボードバックライトは個別に色を指定可能。エフェクトも設定できる

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

タッチパッドは実測149×84.5mm

R23で約2万のスコアを記録
最新AAAタイトルを4Kでプレイできる

 

 最後にパフォーマンスをチェックしよう。今回試用したRazer Blade 14のスペックは、AMD Ryzen AI 9 365/NVIDIA GeForce RTX 5070 Laptop GPU/64GB(LPDDR5X-8000)/2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)だ。

 比較対象機種としては、Core i9-13900H/NVIDIA GeForce RTX 4070 Laptop GPU/32GB(LPDDR5-5200)/1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載した「ROG FLOW Z13-ACRNM RMT02」を使用した。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ベンチマークは「SYNAPSE」のパフォーマンスモードを「パフォーマンス」に設定して実施

 まずCPU性能は、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は19732pts、CPU(Single Core)は1991pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1072pts、CPU(Single Core)は111ptsとなった。

 旧世代のインテルプロセッサーとの比較とはなるが、Razer Blade 14はROG FLOW Z13に対して、R23のCPU(Multi Core)で107%相当、CPU(Single Core)で98%相当のスコアということになる。CPU(Multi Core)で限りなく2万に近い値であり、クリエイティブ系アプリをスムーズに動作させられるパフォーマンスであることは間違いない。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は19732pts、CPU(Single Core)は1991pts、「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1072pts、CPU(Single Core)は111pts

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

 3Dグラフィックス性能は、「3DMark」のPort Royalは8808、Time Spyは12942、Fire Strikeは28989、Wild Lifeは78089、「ファイナルファンタシーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは22639(非常に快適)、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは17431(非常に快適)となった。

 Razer Blade 14はROG FLOW Z13に対して、3DMarkのPort Royalは145%相当、Time Spyは129%相当、Fire Strikeは131%相当、Wild Lifeは139%相当、FINAL FANTASY XV は136%相当のスコアを記録している。最新のAAAタイトルを4K解像度でスムーズにプレイできる3Dグラフィックス性能を備えている。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「3DMark」のPort Royalは8808、Time Spyは12942、Fire Strikeは28989、Wild Lifeは78089

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「ファイナルファンタシーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは22639(非常に快適)。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは17431(非常に快適)

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

 NPUの処理能力を計測する「Procyon」のAI Computer Vision Benchmarkのスコアは1795(Integer)を記録。最大50TOPSのNPU「AMD Ryzen AI」のAI処理能力はやはり高い。より多くのアプリケーションで利用できるようになることを期待したい。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「Procyon」のAI Computer Vision Benchmarkのスコアは1795(Integer)

 ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「Lexar SSD NM790 2TB」を搭載しており、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7084MB/s、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6598MB/sとなった。

 これはPCIe Gen4 x4接続SSDのほぼ上限と言える速度。ストレージへの読み書きが多いクリエイティブ系アプリで恩恵を受けられるはずだ。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「Lexar SSD NM790 2TB」を搭載、「CrystalDiskMark」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7084MB/s、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6598MB/s

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

 バッテリー駆動時間は、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10」のPCMark 10 Modern Office Battery Testを実行したところ、スコアは6時間53分となった。ディスクリートGPUを搭載しつつ、1.63kgの軽量ボディーを実現したゲーミングノートPCとしては、予想外の長時間駆動を実現している。

海外版「Razer Blade 14」実機レビュー

「PCMark 10」のPCMark 10 Modern Office Battery Testのスコアは6時間53分(ディスプレー輝度40%)

どこでもクリエイティブ&ゲーム
非常に魅力的な1台だ

 

 Razer Blade 14は、同社史上最薄・最軽量の14型ボディーに最新GPU「GeForce RTX 5070」を搭載した高性能ゲーミングノートPCだ。CINEBENCH R23で限りなく2万に近いCPU性能、3DMarkでRTX4070搭載機を大幅に上回るGPU性能を発揮。また、プロセッサーはCopilot+ PCの要件を満たすNPUを内蔵しており、AI機能も利用可能だ。

 高いCPU、GPU、NPU性能と、約1.6kgという携帯性を両立させた本製品は、場所を選ばずクリエイティブワークやゲームを楽しみたいユーザーに非常に魅力的だ。現時点ではまったくの白紙だが、ぜひ日本市場にも投入してほしい1台である。

カテゴリートップへ

ASCII倶楽部

注目ニュース

  • 角川アスキー総合研究所

プレミアム実機レビュー

ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン