課題はOSをまたぐeSIMの移行
実際のところ、iPhoneは、機種変更する際、クイック転送という機能により簡単に古い機種から新しい機種にeSIMを転送できるようになっている。同じアカウントで、画面に出てくるモヤモヤした球体を別のiPhoneで撮影すると、お互いが認証され、eSIMが転送できる、というものだ。
Androidにおいても、Pixelなどでは対応が進みつつあるが、OSをまたぐ転送は「まだ、この段階では誰も出来ていないので、システム上、(キャリア側で)再発行の手続きをしてもらわないといけない。ここが仕組み的に課題として残っている。これが出来るようになると、物理SIMカードを移動させるのと同じような感覚になるのではないか」と寺尾氏は語る。
ただ、iPhoneのeSIMクイック転送は、おそらくアップルとしては「ユーザーを囲い込めるツール」として位置づけているのは間違いない。物理SIMカードであれば、iPhoneからAndroidへの乗り換えが簡単だが、eSIMとなれば、何かしらの作業や手続きが必要になる。そこで、次もiPhoneなら簡単にeSIMを移行できる手立てがあれば、iPhoneへの満足度は上がる。
アップルとしては、AndroidへのeSIMクイック転送なんて、自ら取り組む理由なんてひとつもないだろう。
昨年、EUから圧力によって、iPhoneなどでもRCSが導入され、iPhoneとAndroid間で、画像や動画などが無料で送り合えるようになった。アップルの囲い込みに風穴を開けるにはEUなどの圧力が必要なのは間違いない。
果たして、何年か後にiPhoneとAndroid間でのeSIMクイック転送は実現するのか。とりあえずは、気長にその日を待ってみたい。

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