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「世界中の鉄道切符の販売に革命をもたらした偉業」と評される

60年前から現役の鉄道座席予約システム「MARS-1」 歴史的業績としてIEEEが表彰

2025年09月03日 14時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●日立製作所

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 日立製作所は同社と旧日本国有鉄道(国鉄)の鉄道技術研究所が開発した鉄道座席予約システムMARS-1(マルスワン)が、2025年5月20日にIEEE Milestoneに選定されたことを発表した。

 鉄道座席予約システムMARSは、国鉄の鉄道技術研究所(現:公益財団法人鉄道総合技術研究所)の穂坂衛博士が発案。その試作機であるMARS-1は鉄道技術研究所の論理設計に基づき、日立製作所において回路設計と製作が行なわれ、1959年7月に完成した。国鉄の分割民営化によって運営は鉄道情報システムに引き継がれているが、改良を重ねながら60年以上運用されており、現在も新幹線の座席予約の券売機や「えきねっと」などのオンラインシステムとして活用されている。

MARS-1の中央処理装置

MARS-1の制御盤

開設当時の座席予約窓口の状況(左:MARS-1(東京駅・1960年)、右:MARS-101(東京駅・1965年)

  表彰の名称は「MARS-1  世界初の鉄道座席予約システム, 1960年」。成果とその重要性を要約したIEEEの銘板には、「1960年、日本国有鉄道は世界初の鉄道座席予約システムMARS-1(電磁式自動予約システム-1)を導入しました。当初は、1日3,600座席、最大15日先までの予約に対応していましたが、その後タスク共有方式のマルチコンピュータアーキテクチャを採用することで適用路線を増やし、1965年には、新幹線の座席予約システムとしても使用されるようになりました。その後も改良が重ねられ、1991年には1日当たり100万枚以上の切符の販売を行うことができるシステムとなり、世界中の鉄道切符の販売に革命をもたらしました」と記述される。

 IEEE Milestoneは米国に本部をおく電気・電子分野の世界最大の専門家組織であるIEEEが、社会や産業の発展に多大な貢献をした歴史的業績を表彰するもの。日本のIEEE Milestoneとしては、八木・宇田アンテナ(1924年)、東海道新幹線(1964年)、野辺山45m電波望遠鏡(1982年)など、1995年から2025年6月までに、58件が認定されている。

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