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Pixel 10はグーグルの最新AI&CPUの組み合わせで最強進化! 第7回

グーグルの家庭向け音声アシスタントが進化「Gemini for Home」10月登場

2025年08月21日 12時20分更新

文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII

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ニューヨークで開催した新製品発表イベント「Made by Google」にて説明するグーグル プラットフォームとデバイス部門のシニア・ヴァイス・プレジデント Rick Osterloh氏(左)

 グーグルは8月20日(現地時間)、米・ニューヨークで開催した新製品発表イベント「Made by Google」において、次世代の家庭向けAI音声アシスタント「Gemini for Home」を公表した。これは、既存のGoogle HomeおよびGoogle Nestデバイスに搭載されている「Google アシスタント」を置き換えるもので、10月から早期アクセスが開始される。

より賢く、より自然な会話で家庭をサポート

 Gemini for Homeは、モバイルデバイス向けに提供されているAIアシスタント「Gemini」と同じ強力なAIモデルを基盤としつつ、家庭での利用に特化した独自の機能を備えている。起動時のウェイクワードは従来の「Hey Google」「OK Google」のままだが、ユーザーとの対話は根本的に新しくなるとうたう。文脈を理解し、曖昧で複雑なリクエストにも対応できるため、厳格なコマンドを覚える必要がなくなるという。

 具体的な機能として、まずメディアの検索・再生能力が向上した。「1990年の年間最優秀楽曲」や「今年の夏の大ヒットカーレース映画のあの曲」といった曖昧な指示でも、複数のストリーミングプラットフォームから目的の曲を探し出して再生できる。スマートホーム制御も強化され、「照明を暗くして、室温を72度(摂氏約22度)に設定して」といった複数の命令を一度に実行したり、「寝室以外の電気を全部消して」といった複雑な指示を推論して実行したりすることも可能だ。

 また、カレンダー登録や買い物リストの作成、タイマー設定といった日常的なタスクも、より自然な言語で操作できるようになった。「本格的なイタリアンラザニアの材料を買い物リストに追加して」と頼んだり、「お気に入りの番組の新シーズンが始まる日をカレンダーに登録して」と依頼したりできる。さらに、Geminiの能力を活かし、「夜中にアライグマが裏庭に入らないようにするには?」といった生活の知恵から、「天気や混雑、ホテル価格を考えると、ギリシャの島々を訪れるのに最適な時期は?」といった旅行の計画まで、あらゆる質問にパーソナライズされた回答を提供する。

 特に注目される新機能が、より自然な会話を実現する「Gemini Live」だ。「OK Google、チャットしよう」と話しかけることで会話モードが始まり、以降はウェイクワード「OK Google」を繰り返すことなく、人間と話すような自然なやり取りが可能になる。たとえば、冷蔵庫にある食材を伝えて「ほうれん草、卵、クリームチーズ、スモークサーモンがあるんだけど、美味しい料理を作って」と相談すれば、複数のレシピ提案から調理方法のコツまで、対話しながらサポートを受けることができる。ほかにも、「食洗機の水がはけないんだけど、簡単なトラブルシューティングを教えて」といった問題解決や、「6歳の娘のために、科学者でプリンセスでもある主人公の寝物語を作って」といったクリエイティブな共同作業にも対応する。

 Gemini for Homeは、既存のGoogle HomeおよびGoogle Nestデバイスに搭載されているGoogle アシスタントを、今秋から順次置き換える形で提供される。無料版と有料版が用意される予定で、10月には早期アクセスプログラムも開始される見込みだ。現在のところ日本が早期アクセスの対象に含まれているかは、公表されていない。

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