OpenAIは8月6日、大規模言語モデル(LLM)「gpt‑oss」を公開した。従来のChatGPTシリーズは仕組みや学習済みデータが基本的に非公開で、利用はWebやアプリ経由に限られていたが、今回は学習済みモデルを誰でもダウンロードして自由に利用できる形式での提供となる。さっそくgpt‑ossをダウンロードし、ローカル環境での実行方法を確認した。
gpt‑ossとは、なにがすごいの?
gpt‑ossはオープンウェイト推論モデルで、20B(約200億)と120B(約1200億)パラメータの2種類を提供する。推論(リーズニング)性能に特化し、思考の連鎖(Chain of Thought=CoT)、少ない例からの関数呼び出し、外部ツール連携などに対応している。Tau‑BenchやHealthBench、数学競技AIMEなどのベンチマークでは、同規模の他オープンモデルを上回る性能を示した。
安全性も重視されている。GPT‑4oクラスの社内基準を満たし、プロンプト攻撃や敵対的ファインチューニングへの耐性も確認済み。公開前には外部専門家レビューやRed Teaming Challengeも実施され、オープンモデルとしては異例の徹底ぶりだ。
可用性の面でも柔軟だ。20Bモデルは16GBメモリで動作し、LM StudioやOllamaでWindowsでも試せる。120Bモデルは単一80GB GPUで推論可能で、GroqやHugging Face Inference APIなどクラウドでも運用できる。いずれもApache 2.0ライセンスで提供されており、OpenAIの使用ポリシー(gpt-oss usage policy)に準拠すれば、無料かつ商用利用も可能だ。
このようにgpt‑ossは高い推論力・安全性・幅広い利用性を兼ね備えた次世代オープンモデルといえる。

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