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ERP専業の中本&Associatesも同基盤でAIソリューションを開発

AIビジネスを始めるなら“国産”で AI insideがRAG・AIエージェント“構築無料”の新基盤

2025年08月05日 17時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 AI insideは、2025年7月29日、AIでビジネスを始めたい企業に向けて、AIエージェント構築のプラットフォーム「Leapnet」のEA(アリーアクセス)版を提供開始した。

 Leapnetは、AI insideがこれまで提供していたノーコードのAI開発基盤「AnyData」やAIエージェントサービス「Heylix」が統合され、インフラにも同社独自の国産LLMや分散型のGPUネットワークを活用。これまでAI insideが培ってきた技術の総決算ともいえるプラットフォームだ。RAGやAIエージェントを無料で構築でき、企業の知見を活かしたAIサービスを外部展開できる。

 AI insideの代表取締役社長 CEOである渡久地択氏は、「他のAIエージェント構築サービスでも、AIプロバイダーにはなれる。ただ、我々は日本企業であり、国内のデータセンターで運用し、国産LLMも提供する。日本の商習慣を理解して、スピード感を持ってサービスを改善して、サービスを共創することも可能だ」と、Leapnetの強みを語った。

AI inside 代表取締役社長 CEO 渡久地択氏

AIを“使う側”から“提供する側”へ変える「Leapnet」

 冒頭、渡久地氏は、「DXは現在、次のステージに移りつつある」と強調する。「何時間業務を削減した」という効率化を目的としたDXから、企業変革の本丸ともいえる「新たな収益源を生む」DXへと移り変わっている。「これは“AIを使う側”から、“AIを提供する側”にまわるという変革でもある」と渡久地氏。

 このように企業が“AIプロバイダー”にまわることを支援する基盤が「Leapnet」となる。

 企業が効率化でDX基盤を固めてきたように、AI insideも、Leapnetを展開するための土台を着実に築いてきた。同社の主力製品であるAI OCR「DX Suite」は、3000社以上に導入され、AIによる業務処理は累計100億回を超える。

 このDX Suiteの性能を支えるべく、インフラ強化を続けてきており、日本語のドキュメント処理に特化した国産LLM「PolySphere」を開発。2025年6月にリリースしたv3では、非構造化データにおいて世界最高精度を達成したという。計算資源に関しても、自社ハードウェアであるAIエッジコンピューター「AI inside Cube」によって処理効率を高めてきた。

DX Suiteが培ってきた強み

 そして、Leapnetでは、これまでAI insideが提供してきた2つの製品をアップデート・統合。RAGを自動構築できる「マルチモーダルRAG」とノーコードでAIエージェントを構築できる「Build」の機能を提供する。

 マルチモーダルRAGは、PDFやCSV、画像、音声、動画など、さまざまな形式のデータをアップロードするだけで、AIエージェントのためのベクトルデータベースを自動構築する機能だ。AI開発のためのデータ基盤とノーコード開発環境を備えた「AnyData」を基にしている。

 Buildは、自然言語の指示によってAIエージェントを構築できる機能。上記のAnyDataと2023年8月にいち早く市場投入したAIエージェント「Heylix」が基になっている。「インフラ構築やモデル管理、学習、チューニングなど一切必要なくAPIが自動発行され、すぐに自社システムに組み込むことができる」と渡久地氏。

 さらに裏側では、DX Suiteとともに進化してきた同社独自のインフラが動く。AI inside Cubeが連結された「分散型GPUネットワーク」がハードウェア面で、国産LLM「PolySphere-3」がソフトウェア面でLeapnetを支える。

 このように、自社の知見を活かすRAGを容易に構築でき、RAGを活用するAIエージェントをプログラミング不要で構築できるのがLeapnetだ。そして、自動生成されたAPIを、自社のアプリケーションに組み込むことで、AIサービスを展開できる。「莫大な時間やコストをかけたPoCや専門エンジニアも必要とせず、ノーコードでAIを取り入れた事業開発が可能」(渡久地氏)

Leapnetの構成

Leapnetの利用イメージ

 特徴的なのが、「RAG」や「Build」の利用に、料金が発生しないことだ。AI insideとAIプロバイダー契約を交わした後、かかるコストは、30秒50円の処理時間課金となるAPI料金のみ(処理時間は1カ月単位で計算)。あとは、アプリケーションの開発やユーザーの契約管理、サポートに集中するだけで良い。なお、構築支援や技術ディスカッション、共同検証(PoC)、市場検証といった個別協業費用は、別途見積となる。

Leapnetの料金

 そして、AIプロバイダーの第1号として中本・アンド・アソシエイツとの契約締結も発表された。渡久地氏は、「AIエージェントを作るだけでは価値にはならない。中本・アンド・アソシエイツはERPの領域で、アプリケーションを要件定義して、作成して、運用するというノウハウを有している」と説明する。

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