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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第194回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月19日~7月25日

6割の企業が「外国籍ITエンジニアの採用が必要」/転職したITエンジニアの9割が「年収増加」…突出して増加額の多い職種は、ほか

2025年07月28日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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[SaaS] 多数のSaaSをまとめて管理する「SaaS管理」市場、この1年間で60%の急成長(アイ・ティ・アール、7月24日)
・2024年度の国内SaaS管理市場が急成長、前年度比でおよそ60%増の27億円
・SaaS利用拡大で「無駄なコスト」「セキュリティリスク」「管理煩雑化」が課題に
・続く今年度(2025年度)も約46%増を予測、「2029年度まで高成長を維持」

 企業が利用する多数のSaaSを1つのシステムで統合管理する「SaaS管理」製品/サービス市場の調査。幅広い業務でSaaS利用が拡大する中で、「無駄なコストの発生」「セキュリティリスクの高まり」「管理の煩雑さ増大」といった課題が顕在化し、その対応策として急速にニーズが高まっているという。高いシェアを持つベンダーが市場の成長を牽引する一方で、新規参入のベンダーも増加傾向にあり、2024~2029年度の年平均成長率(CAGR)は27.8%と引き続き高い伸びを予想。2029年度には90億円規模に達する見込みだという。

 ⇒ あらゆる業務にSaaSが普及したことを裏付ける調査結果だと言えます。なお、無駄なコストを削減する機能としては「アカウント利用状況の把握」「アカウント発行/解除の一元化」「コスト分析」「契約管理」などが、またセキュリティリスクを抑制する機能としては「シャドーIT(未許可SaaS利用)の検出による情報漏洩リスクの低減」などがあります。

国内SaaS管理市場の推移および予測(出典:ITR)

[モバイル][5G] 世界の5G加入契約数、2025年末には全モバイル契約の3分の1を超える見通し(エリクソン、7月23日)
・世界の5G加入者数、2025年末までに全モバイル契約のおよそ3分の1に到達
・2030年末までには、モバイルトラフィック全体の80%を5Gネットワークが処理
・固定無線アクセス(FWA)事業者の約半数が「速度ベースオプション」導入

 毎年2回発表されている「エリクソンモビリティレポート 2025年6月版」より。全世界の5G加入者数は、2025年末までに29億人を突破し、全モバイル契約の約3分の1に到達する見込み。5G契約はその後も伸び、2030年末には63億件と予想される。また、固定無線アクセス(FWA)サービスを提供する事業者のうち、速度ベースの料金オプションを提供するのは51%で、前年同期の40%から増加した。モバイルデータトラフィックは前年同期比19%増加したが、2024年末時点でそのトラフィックの35%を5Gネットワークが処理しており、2030年末にはこれが80%を超える予想。

 ⇒ 世界的な5Gの本格商用化フェーズ到来と言えます。FWA分野での速度ベース料金モデルの浸透は興味深い動きであり、従来の「つながる(接続性の重視)」から「品質で差別化する」サービスへのシフトが起きているのでしょう。5G FWAにより、ケーブルや光ファイバーサービス同様の多様な加入者パッケージの提供が可能となり、従来世代のFWAと比較して収益化機会が拡大するとのこと。

無線テクノロジー別のモバイル加入動向。5Gの加入件数は、2030年には63億件を予想(出典:エリクソン

世界のFWA通信事業者の導入率の推移(上)、2025年の地域別のFWA通信事業者の導入率(下)(出典:エリクソン

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