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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第194回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月19日~7月25日

6割の企業が「外国籍ITエンジニアの採用が必要」/転職したITエンジニアの9割が「年収増加」…突出して増加額の多い職種は、ほか

2025年07月28日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回は(2025年7月19日~7月25日)、ITエンジニアの転職と年収増加の実態、外国籍ITエンジニアの採用に対する企業意識の変化、多数のSaaSをまとめて管理する「SaaS管理」製品市場の急拡大、5Gアクセスの浸透など世界全体のモバイルトレンド、“AIで守る”セキュリティの一方で懸念される“AIを守る”の今後、についてのデータを紹介します。

[ITエンジニア][転職] 転職したITエンジニアの9割超が年収増加、増加額では「機械学習エンジニア」が突出(リブセンス、7月23日)
・2024年に転職したITエンジニアの92.8%が「年収増加」、平均増加額は160万円
・平均年収増加額では20代が最大、「若手の技術適応力」に高い評価
・AI人材の価値急騰を反映し、職種別では「機械学習エンジニア」が増加額が突出

 同社のITエンジニア向け転職サービス「転職ドラフト」の実績分析より。転職したITエンジニアの92.8%が年収増加を実現し、平均増加額は160万円。年代別(20代、30代、40代)の平均増加額では「20代」が166万円と最大。2020~2022年は30代が20代を上回っていたが「2023年を境に逆転した」という。企業のDX化が加速する一方、IT人材不足が続いており、最新技術への適応力やポテンシャルが高く評価される傾向にあるという。

 ⇒ 職種別の平均年収アップ額を見ると、「機械学習エンジニア」(185万円)が突出しています。2023年の順位は7位(131.5万円)でしたが、企業がAI戦略を進めるうえで中核を担う役割となり「価値が急騰している」と分析しています。

転職者全体の年収アップ率と平均アップ額。2022年が最高の163万円だが、2024年は2023年から13万円アップしている(出典:リブセンス)

年代別の年収アップ額平均の推移(出典:リブセンス)

職種別の年収アップ額の中央値ランキング(出典:リブセンス)

[人材][ITエンジニア] 海外ITエンジニア採用を「必要」とする企業は約6割、大企業では9割が「すでに採用/検討中」(ヒューマンリソシア、7月22日)
・海外ITエンジニア採用が「必要」と考える企業はおよそ6割、大企業では7割超
・「優秀な人材であれば国籍は問わない」63%、10年前から9ポイントの増加
・海外ITエンジニアを「すでに採用」「採用検討中」の大企業はおよそ9割

 国内企業の採用担当者500名を対象に実施した「海外ITエンジニア活用に関する実態調査」より。外国籍ITエンジニアの採用について、58.8%が「必要」と回答。さらに大企業(従業員1000人以上)では73.7%が「必要」と答えた。「優秀な人材採用において国籍にとらわれずに採用すべき」との考えには63.0%が同意しており、これは2015年の調査比で9.1ポイントの増加。現在、IT人材を採用している/採用する予定のある325社のうち、63.4%は「すでに外国籍ITエンジニアを採用」しており、「採用検討中」(18.5%)と合わせて81.9%が採用に前向きという結果に。さらに、大企業層に絞ると66.2%が採用済みであり、合計で89.5%が前向きな姿勢を持つことが分かった。

 ⇒ 日本国内におけるIT人材不足の解決策として「外国籍のITエンジニア採用」が現実的な選択肢になっています。IT人材不足もすぐに解消される見込みがなく、今後はさらに注目が集まりそうです。

自社で外国籍ITエンジニアの採用が必要と考えるかどうか(出典:ヒューマンリソシア)

回答者の役職別(左)/企業規模別(右)の回答分布。役職別では一般社員が、企業規模別では大企業が、それぞれ強い必要性を感じている(出典:ヒューマンリソシア)

優秀な人材採用にあたって「国籍にとらわれずに採用すべき」と考える人は、10年前から大きく増えている(出典:ヒューマンリソシア)

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