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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第831回

Intel 18AはTSMCに対抗できるか? RibbonFET/PowerVIAの可能性と限界 インテル CPUロードマップ

2025年07月07日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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Intel 18AはTSMC N2と戦うには厳しい性能
インテルは顧客への提供を断念してIntel 14Aに集中

 説明はこの程度であり、あとは来年登場のPanther LakeでこのIntel 18Aが採用されることが紹介された程度なのだが、ここに来て複数のソースからインテルがIntel 18Aの外部顧客への提供を断念してIntel 14Aに集中することを検討中、という報道がなされている(例:ロイターによる報道)。

台湾ではPanther Lakeの動作デモが実施された

 実のところIntel 3と比較して性能改善と言われても、そのIntel 3を使っているのがXeon 6のみであり、そのXeon 6の性能は? と言われるとAMXやMRDIMMを使った場合のピーク値はともかくとして、例えば昨年10月にPhoronixが実施したXeon 6 vs EPYC 9005のベンチマークの結果を見ると、TSMC N4を利用したEPYC 9005シリーズに苦戦している様子がわかる。

 TSMC N4というのは実質TSMC N5相当なわけで、ここから考えるとIntel 18AはあるいはTSMC N5よりは高い性能を発揮できるだろうが、TSMC N3やN2と比べてどうか? と言われるとやや怪しい感じは否めない。もちろんXeon 6 vs EPYC 9005はプロセスだけが相違点ではないので、これがそのままプロセスの性能差になるわけではない。

 しかし、Arrow Lakeが当初アナウンスがあったIntel 3製造の話を捨てて全面的にTSMC N3を使っているというあたりでお察しであり、少なくともTSMC N2と戦うには厳しいのかもしれない。

 もっともTSMCのN5/N4/N3への需要もまだ高いわけであり、このN5/N4向けのニーズはある程度狙えそうな気もするのだが、外部顧客がつかまらなかったというのは、要するに製造コストがN5/N4/N3よりもだいぶ高いのか、歩留まりが十分ではないのか、あるいはその両方なのかもしれない。

 そろそろTan CEOが新たなインテルのロードマップを公開してもいい時期になっているが、さてIntel 18Aはどうなるのだろうか?

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