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エンジニア魂が燃えたぎる!生成AI開発イベント「AI Challenge Day」 第8回

第4回「AI Challenge Day」速報レポート

“買いたくなる体験”をAIでどう作る? ─ RAG×エージェントで火花を散らす12社の挑戦

2025年06月27日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

提供: 日本マイクロソフト

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 若手からエキスパートまでのエンジニアたちがチームを組み、生成AIの“業務実装”に挑むハッカソンイベント「AI Challenge Day」。その第4回目となる熱戦が、2025年6月19日、日本マイクロソフトの品川本社を舞台に繰り広げられた。

 今回は、過去最多の12社が集結。生成AI活用のアイディアやRAG・AIエージェントの精度を競い合った。本記事では、イベントの概要から参加企業のプレゼンハイライト、表彰の様子をお届けする。なお、詳細なレポート記事も後日掲載予定だ。

イベントの様子はYouTubeのライブ配信でも届けられた

日本マイクロソフト花ケ﨑氏による今回の挑戦状は?

 AI Challenge Dayは、日本マイクロソフトとアスキーが共催する生成AIのビジネス実装を目指したイベント。2024年4月に神戸で初開催されてから、早くも4回目を迎えた。日本マイクロソフトのパートナー企業を対象としており、参加企業はチームを編成し、1週間という短い開発期間の中で、課題に応じたAI実装に臨む。

 日本マイクロソフトの花ケ﨑伸祐氏による、愛のこもった(チャレンジしがいのある)挑戦状が、本イベントの名物のひとつ。今年のテーマは、ECサイトにおける「次世代の顧客体験を提案するアシスタント」の開発である。

 ポイントは2つで、ひとつは、長年変わっていない検索体験を変革できるか。加えて、事前に用意されたクエリに対するRAGの精度を競う。もうひとつは、店舗での顧客体験をオンラインでも提供する「ハイパー・パーソナライゼーション」の実現だ。このために、日本マイクロソフトとスキルアップNeXtが開発した7体の顧客エージェントと“対話”をこなし、購入に至るまでの過程を16項目で評価する。

実際に与えられた課題

 今回、AIが使用するデータセットも過去最大の量となり、顧客体験に必要な機能群はAPIもしくはMCPで提供する。RAGやエージェントのアーキテクチャは自由となるが、出力結果はスコア付けして評価の対象となる。そのための評価プラットフォームをスキルアップNeXtの協力で構築するなど、日本マイクロソフト側も本気で準備を整えてきた。

 ここからは、参加企業12社、それぞれ8分のプレゼンのハイライトを紹介していく。

アビームコンサルティング・アドインテ・BIPROGY

 トップバッターを務めたのは、アビームコンサルティング。AI担当とリテール担当の混合チームで課題に挑んだ。

 同チームは、“探す楽しさを共有する”AIアシスタントをコンセプトに掲げた。デモでは、母親が息子向けのプレゼントを探すユースケースを通じて、AIが息子の好きなキャラクターを推定してプレゼントを勧めるといった、新たな気付きを提示する様子を紹介。SNS上での商品の口コミも表示して、購買判断をサポートする工夫も凝らした。

 開発面では工数短縮のために、GUIでの開発もできる「Azure AI Agent Service」を使用。役割を分解した検索と接客のエージェントが働く、マルチエージェント構成で精度の向上を目指した。

 スコアの結果は、顧客エージェントとの対話に苦戦したというものの、RAGの精度によって「150.1点」を記録している。

“探す楽しさを共有する”AIアシスタント

 2番手に登壇したのがリテールメディアの構築も手掛けるアドインテ。平均年齢27.6歳と若いメンバーを揃え、「われわれは、最新鋭の『kiAI(気合)』を搭載したマルチエージェントである」と意気込んだ。

 アーキテクチャは、ベストプラクティス集「Azure Well-Architected Framework」に準拠。サイネージやポイントアプリ、メッセージアプリなど、マルチチャネルでエージェントを展開し、実店舗も含めて顧客体験を向上させる構成を採用した。すべてをMCPでつないだり、最新フレームワーク「Magentic-One」を採用したりと、技術的な挑戦も散りばめられた。また、本職であるリテール領域での知見は、最適なデータクレンジングに活かされている。

 スコアの結果は、「155.6点」。今後エージェントが「インフルエンサー(メディア)を担う」という予測でCMSを組み込んだ点も、審査員を唸らせた。

さまざまな挑戦が散りばめられたアーキテクチャ

 3番手は、BIPROGYだ。同社もAI関連の開発や調査に携わる、フレッシュなメンバーを取り揃えた。

 同チームでは、顧客側と店舗側の課題を丁寧に整理し、それぞれの課題を専門エージェントが解決するマルチエージェントを構築。フレームワークには、Semantic Kernelを使用し、プロンプトを一元管理して、動的に変更可能にするなど工夫を凝らした。

 UIにおいても、エージェントが商品を提示するのに合わせて、バックグラウンドが該当の商品ページに切り替わるような仕組みを構築、購入までの導線にも気を配った。

 スコアの結果は、「157.0点」。ここまで各チーム、顧客エージェントとの対話に苦戦、RAGの精度でカバーするような結果が続いている。

会話と連動してウェブサイトも切り替わる仕組みを実装

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  • 角川アスキー総合研究所