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精米後のお米を天日干しすることはあまり意味がない

狩野英孝さん、お米を“天日干し”するも……わずか4時間後「全く意味ないとの事でした」

2025年06月20日 11時00分更新

文● モーダル小嶋  編集●ASCII

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きれいに並べて“天日干し”した写真を公開

 価格の高騰、暑さによる不作の心配など、何かと話題になっているお米。あの有名人も、お米の話題でツッコミを受ける事態になってしまいました。

 お笑い芸人の狩野英孝さんが、6月19日に「湿気も出て来たので、お米を天日干ししてみた。。」とXの公式アカウントに投稿。お米(おそらく精米済みと思われる)をきれいに並べた写真が添付されていました。

 しかしこのポストに対し、「意味はないですよ」「水分抜けて割れる」などといった指摘が続々と集まることに。わずか4時間後、狩野英孝さんは「全く意味ないとの事でした‥‥」と反省の投稿を付け足していました。

 ご本人のアカウントには「さすが狩野英孝さん」「気持ちはわかる」などといった同情の声(?)も寄せられていました。実家が神社で神主の資格を持っている狩野英孝さんだけに、「(天日干ししたお米を)神事に使うのかと思った」というコメントもありましたが、どうやらそういった理由でもなかったようです。

稲穂を天日干しすることはあるが
精米後のお米の天日干しはあまり意味がない

今回、狩野英孝さんが天日干ししたお米のは精米後のものだと思われる

 さて、お米を天日干しすることに意味はないのでしょうか。

 読者のみなさんが気になって「お米 天日干し」で検索すると、実際に“天日干し”している農家の記事が出てくるかもしれません。しかし、それは精米済みのお米に対してではなく、収穫後の稲穂を天日で乾燥させることを指しています。

 収穫したばかりの米は水分が多いため、天日干しすることで、時間をかけてゆっくり乾燥させます。一方、コンバインで収穫し、機械乾燥することも一般的です。その場合、短時間かつ高温で乾燥をさせるため、ひびが入りやすくなる、天日干しと比較すると味が損なわれるといった意見も。

最近は機械乾燥も多いが、天日干しにこだわる農家もあります

 筆者は実家が新潟県だったので、収穫したあとの田んぼで稲を干している光景は何度か見たことがあります。

 精米済みのお米に関しては、水分が収穫直後より少ないため、天日干しする必要はまずありません。もし湿気を帯びてしまったとしても、お米が酸化する、乾燥しすぎて割れる、外気にさらすことで虫がつく可能性があるなど、天日干しによるメリットはほぼないといえるでしょう。

 ただ、米袋の中などでコクゾウムシが見つかった場合、お米を天日干しすればコクゾウムシを取り除くこと自体はできます。コクゾウムシが発生する前にお米を食べきったほうがよいのは、言うまでもないことですが……。

米びつの中のお米にコクゾウムシ(米食い虫)が発生してしまった場合、天日干しで取り除くことはできるが、そうなる前に冷暗所などで保管し食べきりたい

 そもそも、お米は長期保管に向くものではありません。高温・多湿を避け、虫などの繁殖をおさえるためにも、冷蔵庫などの冷暗所で保管することが肝心です(コクゾウムシも低温下では発育・繁殖できません)。

 お米に関しては無理な買いだめなどせず、天日干ししなくては……と思うぐらい湿気にやられる前に、食べきってしまうほうがよいでしょう。

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