楽しく暮らして脱炭素できたら最高じゃん。「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」レポート 第4回
「越後バナーナ」なる最高品種のバナナ
1本1000円もするバナナが「皮ごと食べられる」らしいので皮ごといってみた
2025年05月17日 12時00分更新

寒い雪国で育ったバナナ
みなさんは「バナナの皮」にどういうイメージがありますか? 踏むとすべる? そうですよね。昔のマンガではそういう描写がよくありましたし、「マリオカート」シリーズでは相手をすべらせてスピンさせるアイテムとして登場します。
そんなバナナの皮は、食べる前に剥きます。そう、我々にとっては「捨てる」ものです。だから、ゴミとして道に落ちている→踏むとすべる、という描写が生まれたわけで……。
しかし、農業の進歩は目覚ましい。従来はゴミ扱いだった皮ごと食べられるバナナがあるそうなんです。
東京都は、“グリーントランスフォーメーション”の取組を加速させるため「TOKYO GX ACTION」を実施中。東京ビッグサイトで「TOKYO GX ACTION CHANGING 未来を変える脱炭素アクション」を5月17日、18日に開催しています。
イベントの展示の中に、「越後バナーナ」なるバナナを発見。1本1000円という価格にも驚きましたが、「皮ごと食べられる」とのことだったので気になりました。

見た目はバナナです。もう、めちゃくちゃバナナ
なぜ“皮ごと”食べられるのでしょうか? 理由は2つ。1つは、糖度が高く皮が薄い、最高品種と呼ばれる「グロスミッチェル」という品種だから。
もう1つは、農薬や化学肥料を使わずに作られるから。新潟という雪国で栽培された利点はそこにあります。バナナは北国での栽培が難しいとされていますが、虫が湧きにくいため農薬を使わなくてよいという面もあり、その点では北国のほうが都合がよいのです。

雪国とバナナ。イメージが結びつきませんが、メリットもあるそうです
食べ頃にはまだ早いのにめっちゃ甘い!
皮を食べても苦くない!

ねっとりした味に注目してしまいますが、皮が薄く、重力に負けてあっさり垂れます
さっそく食べてみたところ、十分に甘く、粘度がすごくて食べごたえがありました。まさに最高品種、グロスミッチェル。この点に関しては文句のつけようがないバナナです。

皮ごと食べたいなら、黒い斑点「シュガースポット」が現れるまで待つ
皮も薄いとのことですが、確かに剥いてみると真下にたらーんと皮が垂れる感じで、かなり薄く見えます。
実はまだ食べ頃ではなく、「さわやか」な状態なので食べるには早いようです。皮ごと食べる際は、シュガースポットがもっと出てからのほうがいいのだとか。
それでも「甘い!」「ねっとり!」と感じるのですから、最高品種、恐るべし。1本1000円という価格もうなずけます。
さて、“皮ごと”食べられるというのがポイントの越後バナーナ。薄い皮を見ているうちにどーしても気になって、(食べ頃でないことは承知で)恐る恐る皮も食べてみました。
すると……皮独特のシャキシャキ感とキシキシする感じはあるものの、まったく苦くなくてクセがない! これなら、もう少し時間をおいたら十分食べられるなと感じます。

これは担当の方が育てているバナナ。2ヵ月でこのサイズになるそうです
バナナが1本1000円と聞くと「高いな……」と感じますが、雪国育ちならではの濃厚な甘さ、皮ごといけちゃうとなるメリットを考えると、これはこれでアリでは? という感じがします。
この越後バナーナがTOKYO GX ACTION CHANGINGに出展している理由は、廃棄物を焼却する際に出てくる排熱を利用したハウスでバナナを栽培しているからだそう。安定して熱エネルギーを確保できることから、雪国でのバナナ栽培を実現し、年間を通してバナナを生産・出荷することが可能なのだとか。

越後バナーナを活用したスイーツなども展開しています
「脱炭素!」「環境問題を解決!」などと聞くと、なんだか難しそうな気がしてきます。でも、たとえば「おいしいバナナを作ることもできます」と考えると、親しみが湧いてきませんか。
皮ごとバナナを食べながら、未来の地球に思いをはせる……。ビジュアル的にはすごいことになっていたかもしれませんが(皮を食べてますからね)、なんだか楽しい体験でした。
開催概要
イベント名: TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜
日程: 2025年5月17日(土)〜5月18日(日)9:30〜18:30(南展示棟は17:00まで)
場所: 東京ビッグサイト(東京都江東区有明3-11-1)東展示棟1〜3ホール/南展示棟1〜4ホール
公式サイト: https://tokyo-gx-action.jp/event2025/
アクセス: りんかい線「国際展示場」駅、ゆりかもめ「東京ビッグサイト」駅すぐ
入場料: 無料(一部有料コンテンツあり)

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