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石川温のPCスマホニュース解説 第231回

サムスン AIの日本語対応、難しかった

2025年04月08日 07時00分更新

文● 石川温

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スマホはAI競争に Pixelのレコーダーは業界で好評

 この1年、スマホ業界は、AIが競争軸になっている。

 Galaxyは、Androidであるため、当然のことながら、グーグル「Gemini」を搭載している。ただ、それだけでは、他のAndroidメーカーと同じ土俵に立っているだけに過ぎない。サムスン電子としては、他社と差別化するために素のAndroidではなくGalaxy向けにカスタマイズしたUIである「One UI」を開発。Geminiの機能を盛り込みつつ、AIをUIに融合させるなど、独自の操作性を実現している。単に「Geminiアプリ」を搭載して終わり、というわけではないのだ。

 One UIをベースにすることで、独自アプリでのAI対応を加速できるし、スマートフォン以外の機器との連携にも強みを発揮できる。日本の研究所で日本語対応をすることで、他のAndroidより使い勝手を上げることができるわけだ。

 実際に様々なスマホのAI機能を使っているが、メディア関係者のなかで評価が高いのがPixelのボイスレコーダーアプリだ。

 クラウドに上げることなく、オンデバイスで音声を認識、日本語のテキスト化をしているが、この精度が極めて高かったりするのだ。

 普段使いのスマホは別のメーカーだったりするが、インタビューや記者会見など、音声を収録するときだけはPixelのボイスレコーダーアプリを使うという人も多いほどだ。

 かつて、グーグルは日本語入力アプリの開発に注力していたこともあり、日本語の処理に長けているのだろう。

 インタビューなど取材時の音声を録音、日本語のテキストに起こす際には、どうしても「オンデバイスAI」であることが望ましい。取材のなかには、プレスリリースや記者会見を行う前段階として、世の中にまだ出ていない話を聞くことが多い。

 クラウドベースの音声認識、テキスト起こしでは、情報が流出する恐れがゼロではない。秘匿性の高い音声を扱うには、やはり、クラウドではなく「オンデバイス」として、端末内だけで処理してくれる方が安心なのだ。

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