「日本のファンはベストだ」「札幌は最高の舞台」
初の日本開催のApex Legends世界大会を制したのはGoNext Esports! 試合直後に色々聞いてみた
2025年02月04日 11時30分更新
1月29日から2月3日まで、日本・札幌で開催された「Apex Legends」の世界大会「ALGS Year4 Championship」。世界中の強豪チームが集結し、グループステージ、ウィナーズブラケット、ルーザーズブラケット1/2が実施され、ファイナルでは勝ち上がった20チームが激突した。
見事世界一になったGoNext Esportsにインタビュー
最終マッチは完全にゾーンに入っていた
ファイナルは、50ポイント獲得したチームが再度チャンピオンを獲得したら、その時点で優勝が決まるという、ALGSではおなじみのルールが採用されていた。
試合が重ねていくにつれて、50ポイントに到達するチームが増えていき、最終的に10チーム以上が50ポイントに到達する、どこが優勝するかまったくわからない展開に。そして、強豪ひしめく中最後にチャンピオンをもぎ獲ったのは、GoNext Esportsだった。
今回、大会終了後に優勝チームのGoNext Esportsの選手とコーチにインタビューを実施することができたので、紹介しよう。
──ファイナルラウンドについて、マッチポイント点灯は7試合目でしたが、ファイナルはどのような心境で臨んでいたのか教えてください。
HIARKA選手:ファイナルがスタートしてから、勝つ自信はあっていけると思っていたのですが、ちょっとスロースタートで、いくつかのミスもあって、私個人的に感情的にカッとなってしまったところもあったのですが、チームメイトに助けてもらって、上手くそこから盛り返すことができました。マッチポイントになったときは、これはいけるぞ! となりました。最終マッチは、完全にゾーンに入っていましたね。
──ファイナルでは最終戦はもちろん、マッチポイントが付いたチームが複数いるなかでのマッチ7でチャンピオンになったり、ファイナル以前でもボーダーギリギリのときにチャンピオンを獲ったりと、重要な試合で勝ちぬくための秘訣はありましたか?
HIARKA選手:私たちは実はクリスティアーノ・ロナウドの大ファンなんです。彼の背番号の7という数字には、何かと縁もあります。7(という数字がつくマッチ)は絶対に落とさないという意気込みでした。トーナメントが7戦だったら、必ず私たちが勝つでしょうね(笑)。普段から、スロースタートな試合展開になることが多いです。その中で、序盤に起きたミスを調整しながら、だいたい6~8試合目で勢いが出てくる傾向にあります。マッチポイントが点灯したら、そこからは運の要素も出てくるので、今日はラッキーだったなと思います。
チャンピオンを取った後に最後に戦っていたチームがAllianceやTeam Falconsだと気付いた
──7試合目に、すでにマッチポイントだったAllianceやTeam Falconsも最後のほうまで残る中、そういったチームの優勝を阻止してチャンピオンとなり、マッチポイントを点灯させました。7試合目にチャンピオンになったときの心境を教えてください。
HIARKA選手:私たちは、自分たちのプレイだけに集中していました。とくにあの試合は勝たないといけないマッチでしたし、序盤でなかなかうまくいかなかったですが、最終的にカムバックできました。チャンピオンになって、喜んで、そこで初めて気づいたんです。「あー、あれAllianceやTeam Falconsだったんだ」って。
──今回、多くのチームがジブラルタル、ニューキャッスル、ランパートという構成だった中、カタリストを採用されていました。この意図を教えてください。
HIARKA選手:私たちは、大会に向けて準備するなかで、ほかのチームと同じくランパートを試したこともありましたが、我々のプレイスタイルにはフィットしない部分があったんです。そんな中で、コーチからカタリストを試してみたら? という提案がありました。もともとLZHIDANがジブラルタルをプレイしていたんですが、カタリストを練習してぷれいするようになってから、周りの2人が適応する形で、チームとして成長していきました。
LZHIDN選手:実際にプレイしてみるとわかると思うのですが、エンドゲームではランパートよりカタリストのほうが有利だと考えています。ランパートで円の中心を制圧するために展開するのはいいかもしれませんが、全体で考えるとカタリストのほうがより柔軟というか、とくに周りがわからないゾーンにいても柔軟な選択肢が多いので、次のゾーンに移る際にも柔軟な選択肢があるのが、我々の好きなところですね。
──これまで、ヨーロッパから世界大会優勝チームは出ていませんでした。今回初めてトロフィーをヨーロッパ地域に持って帰る感想をお聞かせください。
LZHIDN選手:僕らがベストだと思います。私たち自身も成長して上手くなっていると思いますし、多くの方々が過去に勝利したチーム見てきて、今回もまたそういったチームが勝つんだろうなと思っていたであろう中で勝てたことをうれしく思っています。
自分たちのやるべきことにフォーカスできた
これまでなかなか上手くいかなかったが、今日ですべて払拭される
──4日間という期間でかつ1日何試合もするという戦いの中で、上手くいく試合やそうではない試合が出てくると思うのですが、そういうときにそれでも勝つんだという精神力や集中力を切らさない秘訣があれば教えてください。
HIARKA選手:トーナメントが始まるにあたってアンダードッグ、つまり我々が勝つということは誰も予想してなかったはずです。そのため、そういう意味でのプレッシャーはありませんでした。だから自分たちのやるべきことにフォーカスできたんです。LZHIDANがチームに入ってきたことがおおきかったですね。これまでも、ファイナルに出る方法はわかっていたんですが、ファイナルを勝ち切ることがなかなかできませんでした。しかし、彼が入ってきたことでケミストリーが生まれて、こういう結果になったんだと思います。本当にうれしいです。
──本大会のサブタイトルは「運命が呼んでいる」ですが、皆さんはどういう経緯でチームを組んだんですか?
HIARKA選手:ずっと一緒にプレイしたいと思っていのですが、過去色々な理由でそれが叶いませんでした。ただ、今回丁度いいタイミングでLZHIDANがフリーエージェントになりました。最初はなかなか結果が出なかったですけど、今日の結果がすべて払拭してくれますね。
──UXAKO選手とHIARKA選手は長く一緒のチームですが、お互いの信頼できるところ、直してほしいところはありますか?
HIARKA選手:直してほしいところは思いつきますね(笑)。上手くいかないカップルのようなもので、ただ今夜はすべてのピースがハマったと思います。ずっと別れていたカップルが、ディナーで一緒になって炎がついたみたいな感じです。
──日本初の世界大会がここ札幌で開催されたのですが、札幌の印象をお聞かせください。
LZHIDN選手:美しい街だと思います。とても大きいですし、遅くまでショップは空いているし、会う人皆温かいし、リスペクトもあります。ヨーロッパにはないものもあるので、すごくエンジョイしました。
──大和ハウス プレミストドームは、広くて観客もすごく多かったと思います。そういった状況で試合に臨んでいかがでしたか?
HIARKA選手:最高の舞台だと思います。
LZHIDN選手:あれだけの観客に見られている中で、優勝できたのは本当にうれしかったです。私たちが愛しているゲームを、皆さんも愛してくれて見ていただいているのがすごくうれしかったです。
──日本のeスポーツ業界も年々市場規模が上がっていく一方で、すべての世代に対して浸透しているかというとまだまだだと思っています。改めてeスポーツの魅力を伝えるとしたら、どう伝えますか?
HIARKA選手:日本のファンはベストだと思うし、サポートも応援もスゴイとおもっています。今大会も私たちはアンダードッグで、誰も優勝すると思っていなかったと思うので、ひときわうれしかったですね。ヨーロッパでも、eスポーツ大会に長いフライトに乗ってまで行くほどのものではないという人もいます。しかし、実際に行くとすごく楽しんでファンになってくれるんですよ。日本でももしかしたら同じ状況なのかもしれません。今後、Apex LegendsでAPACのリージョンでもっとイベントが増えて露出が広がれば、たくさんの人がファンになっていくと思います。
──日本でもApex Legendsは多くの人がプレイしています。その中で、実力に伸び悩んでいる人が上達するにはどうしらたいいですか?
LZHIDN選手:私から1つヒントです。トリオで練習するのがいいと思います。ソロでプレイするとだいたい上手くいかないですし、上達しないので。ソロは上達してからのほうがいいですよ。3人、もしくは2人でもいいですけど、複数人でプレイすることです。
UXAKO選手:加えて、プロのプレイヤーでもより上手い人のプレイをちゃんと見て、レビューしたらいいと思います。プロのプレイヤーがどのように状況を把握して、判断しているかを見ると、色々と学べることがあると思います。
──札幌に来て美味しかったもの、これから食べたいものはありますか?
UXAKO選手:札幌に来て、美味しくてずっとチキンを食べていました。また、ラーメンと寿司は食べましたね。今夜何を食べるかは決めていないです。
──この後何がしたいですか?
LZHIDN選手:まずシャワーを浴びて、お祝いして休みたいですね。
HIARKA選手:しばらく電話を触っていなかったので、さっき触ったら通知がすごいことになってました。
──今夜はどんなふうにお祝いするんですか?
LZHIDN選手:シャンパンではなくビールが飲みたいです。
──日本でまた世界大会をやってほしいですか?
UXAKO選手:もちろんです。また来てくれますか? どこでもいいですよ。
──もちろんです! ありがとうございました。
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