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フルタイムのワーママが副業漫画家に!スタートからわずか4年で2冊の書籍を出版

文●杉山幸恵

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会社で得られる経験は捨てがたいから、〝本業メイン+漫画は副業〟を貫きたい

 「貯金オタク、5000円の石けんで目覚める。」に加え、2024年12月には2冊目となる書籍を出版。この年はほとんど書籍の制作にかかりきだったという小日向さん。順調に漫画家としてのキャリアを積んでいるが、副業開始当初は仕事の内容と依頼料とのバランスを掴むのに苦労したとか。

 「制作時間を見誤ったり、修正などで想定よりも時間がかかって、見込んでいた単価を大幅に割ってしまったり…ということも度々。そもそも、初めのうちは依頼料を低めに設定しないと、なかなか発注いただけないというのもありますしね。ですので、数をこなしながら、自分の今のリソース・修正も含めた制作時間を踏まえて、適切な依頼料になるように調整していきました。また、複数案件を引き受け過ぎてキャパオーバーになってしまったことも…。依頼を受ける条件を明確にすること、自分のリソースを過信しないこと、ギリギリのスケジュールを組まないことなどを、その失敗から学びました。でも未だに仕事を受けすぎてしまうことがあるので、修行中です(笑)」

小日向さんが手がけた、島根県益田市の地域PR漫画冊子表紙

2024年12月に出版された「マンガでカンタン!配色の基本は7日間でわかります。」(Gakken)

 本業に副業にと、日々大忙しの小日向さんに、どのように仕事を進めているかも聞いてみた。

 「平日は、子どもを保育園に送ってから9〜18時は本業の仕事。子どもが寝て家のことが終わった夜の時間、だいたい21時ごろから副業をしていますね。切羽詰まっている時期は、休日に作業を充てることも。保育園の土曜保育を活用したり、ベビーシッターさんや母に来てもらったりしています。時間のやりくりで大変なのは、本業が忙しい日の夕方のオペレーションです。18時にいったん仕事を中断して子どもを迎えに行き、帰ってきてから夫にバトンタッチして本業の仕事の続きをします。夫が簡単なご飯を作って、また仕事を中断して夜ご飯を食べ、仕事に戻る、という感じに。夫なしでは回っていません(笑)」

このあと、21時ごろから副業をスタート。小日向さんの夫は、そっと静かに何も言わずに応援してくれているという。「私が切羽詰まっている時は、できる範囲で子どもの相手をしたり、料理を作ったりしてくれて、本当にありがたいです」。漫画は「貯金オタク、5000円の石けんで目覚める。」より抜粋

 怒涛のような毎日を送っていても、そして漫画家の仕事が軌道に乗っていても、小日向さんは現在、副業を本業にすることは考えていない。

 「理由はいくつかありますが、まず、本業をやめると経験の幅が狭くなってしまうから。会社では個人ではできないようなプロジェクトに関わらせてもらっているので、そこで得られる経験は捨てがたいです。会社での経験が漫画の仕事で生きることも結構多いんですよ。また、本業と副業があることで心の拠り所が増えるし、自分の居場所は一つでも多い方がいいと思ってます。それに、私は自分を律するのがすごく苦手なので、副業を本業にしても自分から仕事を取りに行ったり、しっかり集中して仕事したりというのができなそう(笑)」

 そんな理由から「本業で〝半ば強制的に仕事をしなければならない〟くらいがちょうどいい」と語る小日向さん。加えて現実的な問題として、金銭面も重要だという。

 「漫画やイラストで会社員並みに稼ぐことは相当難しいですし、個人事業主は会社員に比べると社会保障がかなり手薄。子どもの教育費とか、将来のことを考えたら安定収入があった方がいいと私は考えています。一方、本業を時短に…と考えたことはあったのですが、結局やめました。今の仕事は楽しいですし、任された仕事はしっかりやりたいと思っていて。多分時短にしたらできることは減るし、あまり責任のある仕事は任せてもらえないと思います。どちらも中途半端にやるよりは、当面は本業をメインにしっかり働いて、ベストを尽くしたいですね」

本業である会社員としての働き方については葛藤もあった小日向さん。漫画は「貯金オタク、5000円の石けんで目覚める。」より抜粋

 副業で漫画家を始めたことで、人生が変わった小日向さんに次なるライフシフトや10年後の目標などは定めているのだろうか。その問いに「あまり先のことを考えるのは得意じゃなくて、10年後のビジョンは明確には描けていない」「〝本業メイン+漫画は副業〟というスタイルを大きく変えることは考えていない」という前提で、こう答えてくれた。

 「強いて言えば、今はイラストやデザインのスキルがあまりないので、一度ちゃんと学んでみたいですね。そうすれば本業で今やっている仕事でも、副業の仕事でも生かすことができそうだなと。今まで結構、〝思いつきや目の前のやりたいことに取り組んでいったらいつの間にかこうなっていた〟という感じの人生だったので、また思いつきで全く別のことを始めたりするかもしれません(笑)」

 インタビューの締めくくりとして、これからライフシフトや新しいチャレンジをしたいと思っている女性にアドバイスをもらった。

 「アドバイスと言うとおこがましいのですが…もし新しくチャレンジしたいことがあるなら、あまり難しく考えずに始めてみて欲しいなと思います! 今は、ほぼノーリスクでいろいろなことができる時代です。わからないことがあっても調べればすぐ情報が得られますし、試しにちょっとやってみて、『向いてないな』『楽しくないな』となったら、またそこからどうしていくか考えればいいと思います。方向性を変えるなり、辞めるなり。人生の中で自由に使える時間って、思っているよりも短いんですよね。私個人の経験から言うと、あんまり深く考えすぎずに、やりたいことをやってみるのもいいんじゃないでしょうか。私は、新しいチャレンジはたとえ失敗しても、必ず自分の糧になると思っています」

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