荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第900回
2024年のお気に入り猫撮りカメラはソニー「α7C II」 画作りもカスタマイズ性も良好で散歩の友にぴったり!
2024年12月25日 12時00分更新
今年最後の「這いつくばって猫に近づけ」。メーカーから新製品を借りると、どうしてもそれを持って出かけることになり、それで猫を撮る話が多くなってしまう。なので、最後くらいは自前のカメラの話を。
いろいろあるけれども、今年一番よく持ち出したのはソニーの「α7C II」。α7シリーズの末っ子で、一番小さくて安いモデルなのだけど、上面がフラットでファインダーを搭載しているフルサイズセンサー機って、これだけなのだ。
しかも、猫AFが優秀なので、多少遠くても寝てる猫でもたいていOK。
そして、さらに気に入っている機能が2つある。
ひとつは、「押す間トラッキング+AFオン」。これを「AF-ON」ボタンに割り当てておくのだ。そして被写体検出AFは猫……、というか動物検出にしておく。
そうすると、AFモードが何であれ、猫がいる構図で「AF-ON」ボタンを押してる間は、ずっと猫を追ってAFを合わせ続けてくれる(リアルタイムトラッキング)のである。
ファインダーを覗いたとき、ちょうど親指で押しやすい位置にあるので、猫だ、と思ったらこれを押しっぱなしにしてAFを駆動させ続け、その状態でズーミングしたりアングルを変えたり、ちょうどいいタイミングを見計らってシャッターを押す。
これはものすごく便利。こんな風に猫が近づいてくるときも、「AF-ON」を押したままタイミングを待って、ここぞというときにシャッターを押すのだ。
遊んでる猫を撮るときも、この状態でタイミングを見計らって撮るのだ。
最近のαシリーズのリアルタイムトラッキングはかなり優秀なので、猫を撮るとき以外でも「AF-ON」ボタンは日常的に使ってる。イマドキの親指AFって感じだ。
普段は街のスナップを撮るセッティングにしてぶらぶらと写真を撮りながら歩きつつ、猫がいたらボタンひとつで猫セッティングになるというのが理想的で、「AF-ON」ボタンでリアルタイムトラッキングオン! ってのは、ちょっといい感じなのである。
気に入っているふたつめの機能は、「クリエイティブルック」。
ピクチャーコントロールとかリアルタイムLUTとかフィルムシミュレーションとか、各社呼称は異なるものの、好みの色や階調で撮るってのは昨今のトレンド。ソニーはクリエイティブルックという名称なのだけど、その中身はメーカーごとに特徴があって、わかりやすいところでは富士フイルムはフィルムシミュレーションというだけあって、ちょっとレトロなフィルムカメラっぽい画作りが得意だ。
ソニーらしいのは、クリエイティブルックの「SH」。ほわっと明るく仕上げてくれて、イマドキっぽい写真になる。爽やかで明るい猫写真にしたいときにいい。
クリエイティブルックの「FL」は、逆にしっとりした、ちょっとフィルムっぽい仕上がりになる。
冒頭写真もそうだ。
と、シリーズ限定の細かい話で終わるのも心苦しいので、2024年最後(&連載900回記念!)に、ややこしい写真をどうぞ。
これ、とある神社の富士塚なのだけど、この中に猫が1匹隠れてます。年末、時間がある方は、ぜひお探しあれ。
よいお年を。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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