CORSAIR「iCUE LINK TITAN RX RGB」をチェック
iCUE LINKで面倒な取り付けやRGB設定が超簡単、冷却性能もバッチリ高いCPUクーラーが3万円強!
2024年12月23日 11時00分更新
肝心の冷却性能はどれくらい?
組み立てやすく、ライトアップ設定も楽しめる「iCUE LINK TITAN 360 RX RGB」だが、肝心の冷却性能はどうだろうか。
そこでCore Ultra 7 265Kを使い、高負荷をかけた場合の温度をチェックしてみた。
負荷テストとして利用したのは、「CINEBENCH 2024」。CGレンダリング速度からCPU性能を測ってくれるベンチマークソフトで、結果はptsという独自単位のスコアで表示される。このスコアが高ければ高いほど、性能が高いことになる。
なお、CGレンダリングはマルチスレッド処理に向いているため、多コアCPUでも使用率が100%近くに上昇する。CPUの最大性能比較や、高負荷時の挙動チェックに向いているベンチマークソフトといえるだろう。
このCINEBENCH 2024のMulti Coreテストを実行中のCPU温度を、「HWiNFO64 Pro」でチェックしてみた。なお、ファンの設定はiCUE Softwareから行ない、「安定」としている。
安定の設定では、高負荷時のファン回転数は1400rpm前後となるようで、騒音はやや聞こえる程度。この時のCPU温度は最大が73度、平均67度と、かなり抑えられていることがわかる。
CPUの設定はPL1もPL2も250Wとなっており、実質、電力制限なしで動作……つまり、CPU本来の最大性能が出せる設定だ。これでも73度までしか上昇しないというのは、なかなか優秀だといえる。
これだけ冷却性能に余裕があるなら、ファンの回転数を落としても大丈夫そう。そこで、今度はファン設定を「静か」に変更し、同じように試してみた。
静か設定ではファンの回転数が1100rpm前後となり、明らかに騒音が小さくなっていた。さすがにCPU温度は高くなっているが、それでも最大が77度で、平均71度と思っていたよりも低い。
どちらも4度ほど上昇しているとはいえ、これでも大型のサイドフロー空冷クーラーや、240mmラジエーターの水冷クーラーよりも冷えているくらいだ。
ちなみに、CINEBENCH 2024のMulti Coreテストのスコアは、どちらも1950pts台前半とほぼ同じ。性能に違いは見られなかった。
今回は機材の都合でCore Ultra 7 265Kを使用したが、さらに上位のCore Ultra 9 285Kであっても、余裕で冷やせるだけの実力はありそうだ。
iCUE LINKの手軽さと、強力な冷却性能が3万円ちょっとで手に入る
高性能CPUを使う場合に悩まされるのが、冷却性能が高く、騒音が小さなCPUクーラーがなかなか見当たらないことだ。
今回試した「iCUE LINK TITAN 360 RX RGB」は、騒音がほとんど気にならないほど静かなのに、Core Ultra 7 265Kをフルに動かしても70度台に抑えておけるだけの実力がある。安定した動作のPCを作りたいと考えている人にとって、かなり魅力的なCPUクーラーといえる。
懸念点があるとすれば、ラジエーターサイズが360mmと大きく、ケースを選ぶことだろうか。しかし、これだけ冷却性能が高ければ、240mmモデルの性能にも期待できる。ミドルタワー以下のサイズでパソコンを組みたいと考えているなら、こちらのモデルを検討してみるといいだろう。
なお、240mmモデルでも当然iCUE LINKに対応しているので、小型のケースで悩まされがちなケーブル問題も解決しやすい。
価格も360mmモデルで3万円ちょっと、240mmモデルなら2万円台半ばと、手を出しやすい価格帯となっているのがうれしい。これから水冷クーラーを使った自作PCにチャレンジしたいと考えているなら、「iCUE LINK TITAN RX RGB」シリーズは気になる存在となるだろう。
提供:CORSAIR