ファーウェイは11月26日に中国で新製品発表会を開催し、折りたたみモデルを含む5機種を発表した。いずれの製品もメインカメラの可変絞り搭載や衛星通信への対応、新しいOS「HarmonyOS Next」へアップデート予定など機能の一部は共通化されている。
今回は発表会直後に、中国・深センにあるファーウェイのフラッグシップストアで5機種すべてを触ってきたので、写真を中心に各製品を紹介しよう。
ファーウェイ最薄の2つ折りスマホ「Mate X6」
Mate X6は横に折るタイプの折りたたみモデルで、2023年に発売された「Mate X3」「Mate X5」の後継機となる。本体を閉じた時のディスプレーサイズは6.45型(2400×1080ドット)で、リフレッシュレートは最大120Hz、輝度は2500ニトとなっている。フロントカメラは800万画素だ。
チップセットはメーカー側では非公開となっており、これはMate 70シリーズ4モデルも同等だ。
閉じたときの本体のサイズは約73.8×156.6×9.9mmで、ファーウェイの2つ折りモデルとして初めて10mmを切る薄さとなった。重量は239gで、Mate X3と変わっていない。側面は角を丸めた仕上げなので実サイズ以上に薄く感じられる。また、本体はIPX8の防水に対応している。
バッテリーは5110mAh、有線で66W、無線で50Wの急速充電に対応する。
カメラは広角が5000万画素でF1.4~4.0の可変絞りを搭載。望遠は4倍の4800万画素、超広角は4000万画素となる。薄型モデルであるにもかかわらず、可変絞りカメラを搭載したことがトピック。
本体を開くと7.93型(2440×2240ドット)のディスプレーとなる。前の2モデルは7.85型だったのでわずかに大型化した。リフレッシュレートは120Hz、輝度は1800ニトだ。なお、メインディスプレー側にも800万画素のフロントカメラを内蔵している。
開いたときのサイズは約144.1×156.6×4.6mm。前モデルの厚みは5.3mmであり、こちらも初めて5mmを切った。なお、5mm切りの2つ折りスマートフォンはHONORの「Magic V3」「Magic Vs3」とシャオミの「MIX Fold 4」、そしてサムスンの「Galaxy Z Fold Special Edition」「Samsung W25」のみだ。
価格は1万2999元(約26万9000円)からで、他社の折りたたみモデルが1万元(約20万7000円)を切る価格の中、強気の価格設定となっている。3つ折りモデル「Mate XT Ultimate Design」はもちろんのこと、ファーウェイは中国で最も多くの折りたたみモデルを出しており、圧倒的な信頼感とブランド力を持っているのだ。
ファーウェイストアでは多くの来客がMate X6とMate XT Ultimate Designを試しており、中国で最も人気の折りたたみモデルであることを実感させられた。
流線型ボディーの高性能モデル
「Mate 70 RS Ultimate Design」
「Mate 70」シリーズとして発表された新製品は、「Mate 70」「Mate 70 Pro」「Mate 70 Pro+」「Mate 70 RS Ultimate Design」の4モデル。このうちMate 70 RS Ultimate Designは、Mate 70 Proをベースに本体を特別デザインにしたモデルだ。
Mate 70 RS Ultimate Designはディスプレーサイズが6.9型(2832×1316ドット)、リフレッシュレート120Hz、輝度3500ニト。フロントカメラは1300万画素で、他にToF、生体認証センサーを搭載する。このセンサーを使う新機能がHarmonyOS Nextで搭載されるが、それについては本記事の最後に紹介する。
カメラは5000万画素広角(F1.4~4.0の可変絞り)、4800万画素の3.5倍望遠、4000万画素の超広角の3つ。八角形を2重に組み合わせたカメラバンプは、本体中央から下部側へ流れるようなラインでつながっている。ほかのスマートフォンとは大きく異なる「RS」モデルだけの外観だ。
本体サイズは約79.5×164.6×8.3mm、重量は251g。背面仕上げの関係もあり、やや重めになっているようだ。バッテリーは5700mAhで100Wの有線と80Wの無線充電に対応する。
可変絞りの動きを見てみよう。まずはF1.4の開放から。一般的なスマートフォンと同じ最大の絞り値ではレンズも大きく見える。
F4.0にすると絞り羽によりかなり絞り込まれる。実際に写真を撮ると光芒を写しだしたり、近距離の物撮りでは前後にボケの少ない撮影もできる。この可変絞りを今回の全機種に搭載したのは大きなトピックだ。
OSはファーウェイが開発したHarmonyOS 4.3がプリインストールされるが、Androidベースではなくなる次世代OSのHarmonyOS Nextへの対応が予定されている。ファーウェイストアでも一部モデルにはHarmonyOS Nextがプリインストールされていた。
そのほか、今回の5モデルすべてが中国の衛星通信に対応。メッセージだけではなく通話にも対応している。Mate 70 RS Ultimate Designの価格は1万1999元(約24万8000円)からだ。