ビジネスワークに落ち着いて集中できる、シンプルで気が散らないデザイン
もっとも、大型ディスプレイとパソコンがひとつにまとまっているというだけなら、ほかにも選択肢は少なからずある。そうした一体型パソコンの中から、今回、あえて「IdeaCentre AIO」シリーズを選んだのにはいくつか理由がある。
ひとつは、そのデザイン。ビジネス向けのパソコンは本体カラーに黒を採用したものが多いが、黒筐体は主張が強いため部屋に置くと重厚感が出過ぎてしまうことがある。インテリアにこだわりのある自室や、家族が集うリビングのような場所に置くには抵抗があるという人も少なくないだろう。
しかし「IdeaCentre AIO」シリーズは白に近い明るいグレーが基調となっている。真っ白ではなく明るいグレーというのがポイントで、上品で落ち着いたトーンのため部屋の白い壁紙や塗り壁、コンクリート、木材、クロスなど、どんな素材にも自然に馴染んでくれる。
しかも、画面周囲の枠が極細のナローベゼル(狭額縁)になっていて見た目もすっきり。この狭額縁のおかげで本体の幅や高さも抑えられているので、大画面にもかかわらず圧迫感が少ない。そのためパソコンやディスプレイの存在をあまり意識することなく、画面に集中して作業することができる。
さらに画面の角度を調整しやすいのもいいところ。チルトヒンジ機構が搭載されており、上下方向に-5~15°の間で動かせる。そのときどきの姿勢や視線の向きに合わせて画面をより見やすい角度に調節できるので、長時間作業するときでも疲れにくいのが嬉しい。
実際に自宅の机に設置してみて感心したのが本体背面のデザインだ。シンプルで美しいだけでなく、台座部分が少し後方に出っぱっていて、壁際ギリギリに設置した場合でも壁とスタンドの間に程よい隙間が生まれるようになっている。そのためスタンド背面のポートにつないだケーブル類を抜き差ししやすい。目立たない部分ではあるが、細やかな配慮が感じられて好印象だった。
27型サイズ、WQHD(2560×1440ドット)解像度でフルHDより多くの情報を表示できる
もうひとつの理由が、ディスプレイの見やすさだ。先ほども少し触れたように、画面サイズは27型で解像度は一般的なフルHDよりも高精細なWQHD(2560×1440ドット)となっている。そのためExcelのような表計算アプリなら一度により多くのセルを表示できるし、画像編集アプリなら画像のディテールがより見やすく編集しやすい。Webブラウザーでもより多くの情報が一度に閲覧できるので、スクロールの頻度を減らすことができる。
液晶パネルは視野角の広い「IPS方式」を採用しており、見る角度による明るさや色味の変化が少ないのが特徴。しかもパネル表面にノングレア(非光沢)加工が施されているため、明るい場所でも画面への映り込みが少ない。マルチディスプレイ環境を構築して複数の画面を見比べるようなときでも、斜めからのチラ見で表示内容を確認しやすいのはありがたい。
色再現性も高く、画面上に再現できる色の範囲(色域)は国際標準規格のsRGBを99%カバーしている。ノートパソコンの液晶ディスプレイはsRGBカバー率が70%程度のことも珍しくなく、鮮やかな色が若干地味な感じに見えることもあるが、「IdeaCentre AIO 27IRH9」は本来の鮮やかさに近い色を画面上でしっかり確認できる。クライアントと共有する文書や画像など、色の正確さが求められるデータを作成するときはとくにありがたみを感じる性能だ。
さらに、HDMI出力端子だけでなくHDMI入力端子が搭載されている点も魅力だ。ほかのディスプレイをHDMI出力につなげば手軽にマルチディスプレイ環境を構築でき、他のデバイスをHDMI入力につなげば「IdeaCentre AIO 27IRH9」を単体のディスプレイとして使用できる。