このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第513回
山根博士のグロスマレビュー
100倍望遠が実用的なスマホ「vivo X200 Pro」はカメラ性能が変わらず最強だった
2024年12月02日 12時00分更新
日本市場未参入ながら海外では高い評価を受けている、vivoのカメラ強化モデル「Xシリーズ」の最新モデル「X200 Pro」がグローバルで発売になった。ツァイスと提携した高性能なカメラを搭載しており、その性能は相変わらず高評価だ。今回、短時間だが試用することができたので実際にカメラを使ってみた。
高級感あるボディーのハイスペックなモデル
vivo X200 Proのディスプレーは6.78型で解像度は2800×1260ドット、4500ニトと高い輝度を誇る。リフレッシュレートは最大120Hz、HDR 10+やDolby Vision対応と高性能だ。またフロントカメラは3200万画素となっている。
背面のカメラはメインの広角が5000万画素、望遠は3.7倍の2億画素、超広角が5000万画素と高画質な組み合わせだ。レンズにはツァイスのZEISS T*(ティースター)コーティングが施されている。
本体サイズは75.95×162.36×8.49mm、ブラックモデルのみ8.2mmと薄い。重量は228gでブラックモデルは223g。カメラバンプの出っ張りはやや気になるものの、サイズ感はこのクラスの製品としては一般的。本体フレームの角の部分は若干丸みをつけた「等深度クアッド曲面」加工となっている。均一的なカーブは没入感ある体験を提供できるという。実際に持ってみると、なるほど握りやすい。
カメラバンプはローレット処理を施したリングの上に、ガラスの台座を乗せた2段構造になっている。それぞれのレンズはこのガラスの下に配置され保護されている。その中央に位置するツァイスのロゴが誇らしげだ。
デジタルカメラを意識したこのデザインは、今や高性能スマートフォンの外観の代名詞と言えるだろう。なお、フィルターを装着できるカバーなどは現時点では販売されていない。
ボディーカラーはチタン、ブラックに加え、一部の国ではグラデーション仕上げのサファイアブルーが提供される。また、中国ではホワイトモデルも販売されている。価格はメモリー16GB+ストレージ512GBモデルが台湾で3万7990台湾ドル(約18万円)だ。
チップセットはMediaTekの最上位モデル・Dimensity 9400を搭載。同チップセットは高いAI処理能力を持っており、画像の処理や写真加工などのAI性能も高い。メモリーは16GBだが仮想的に16GBをストレージから追加できる。これはMediaTekのチップセットの標準機能になっている。
今回は中国モデル、グローバルモデルを試したが、この画面は中国モデルであり、OSはAndroid 15ベースのvivo独自のOriginOS 5を搭載。グローバルモデルはFuntouch OS 15だ。OriginOSはウィジェットなどがかなりカスタマイズされている。
100倍望遠が使いものになる超高画質なカメラを搭載
vivo X200 Proのカメラの詳細スペックを見てみよう。メインカメラは5000万画素、1/1.28インチセンサー、F1.57の23mm。望遠カメラは2億画素で、センサーはこのカメラだけサムスンのISOCELL HP9であることが公開されている。1/1.4インチ、F2.67の85mmとなる。そして超広角カメラは5000万画素、1/2.76インチ、F2.0、15mmとなる。
カメラの組み合わせは、最近の中国メーカーのハイエンドモデルは同様のものが多く、望遠に2億画素を搭載するモデルはピクセルビニングとAI処理によりデジタル望遠時の画質劣化も少ない。vivo X200 Proは特に100倍望遠でも十分使える絵が撮影できた。作例はこのあと紹介する。
カメラのUIは上から下にスワイプするとクイック設定が現れる、最近の中国メーカーモデルでは一般的な動作。写真モードでは0.6倍、1倍、2倍、3.7倍、10倍とワンタッチで切り替えが可能で、最大100倍までに対応する。ポートレートモードではツァイスのレンズ数種類をデジタルで再現したボケ効果の利用も可能で、静止画のみならずポートレート動画モードも搭載している。
以下は作例だ。標準モードでの撮影のため1200万画素相当で撮影されるが、設定から5000万画素モードへの切り替えもできる。vivo X200 Proの望遠性能を確認するため、まずは各画角で撮影してみた。
3.7倍以上はデジタル望遠となる。10倍でも十分な画質だろう。スマートフォンの画面で見る限りは十分な画質と感じられる。
30倍でも画質はかなりいい。AI処理により全体的に「硬い」印象もあるが、輪郭部分がぼやけることもなく光学望遠で撮ったような絵が得られる。
そして100倍での撮影。ここまで鮮明に撮影できるとなると、記録用としてだけではなくこのまま普通に使える画質と言えそうだ。なお、手持ちで撮影したが手ぶれも抑えられており、気軽に高倍率望遠を楽しめる。
ほかの被写体でも100倍を試してみた。まずは街中の写真。遠くに青い道路標識が見える。
10倍に引き寄せてみた。
そして100倍だ。道路標識の文字のにじみもない。
草木など有機物はどうだろうか。まずは1倍で撮影。画面中央の奥にエスカレーターがあるのがわかるだろうか。
そのエスカレーター左にある草木を100倍で撮影してみた。甘さはあるが、他社の100倍望遠に比べるとここまで写せるカメラはそうないだろう。
このようにvivo X200 Proは高倍率望遠を実用的なレベルまで引き上げたカメラを搭載していることがわかる。また、ライブやコンサートなどで遠距離からステージの動画を撮影しても、同様に輪郭がボケない「ステージモード」も搭載しており、動画性能にも優れている。
夜景は明るいだけでなく
ディテールもしっかり再現
香港の街中でいくつか撮影してみた。望遠はテレマクロ機能もある。
夜景モード。光のにじみがないだけではなく、細かいディテールもかなり再現されている。
ライトの軌跡を写すモードで撮影。
以下は香港の街中を撮影したもの。
【まとめ】本命モデルの「Ultra」も出る予定だが
現時点で最強のカメラスマホ
X200 Proのカメラは設定や調整をすることなくあらゆるシーンで最高の撮影結果が得られると感じられた。作例でも見せたように100倍の望遠が実用レベルに達しているのは驚きだ。あとは可変絞り機能があればより凝った撮影もできるだろう。
前モデルの「X100」シリーズには、Proの上にUltraモデルが後から発売されたが、X200 Proも追ってX200 Ultraが登場することが期待されている。もちろんX200 Ultraはカメラ性能をさらに高めてくるだろうが、X200 Proのカメラもすでに合格点以上の性能であり、高性能なデジカメかわりにも使えるだろう。日本への投入予定がないのが残念でならない。
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