あなたが買うべきガジェットは俺たちに選ばせてくれ! 推しガジェット大賞2024 第39回
1本のサウンドバーで360立体音響が実現!
自宅で映画を見るならソニー「HT-A9000」が最高の選択だ
2024年12月06日 11時00分更新
兄弟モデルのHT-A8000も遜色のない実力を持つ
さて、ここまでHT-A9000を紹介してきたが、同機には兄弟モデルがある。それが、「BRAVIA Theatre Bar 8(HT-A8000)」(ソニーストア価格14万3000円)だ。
HT-A9000とHT-A8000の違いは、サイズと内蔵するスピーカーにある。サイズは、HT-A9000の幅130cmに対して、HT-A8000は幅110cm。スピーカーは、HT-A9000は13基を搭載するが、HT-A8000は11基で、その差はパッシブラジエーターとビームトゥイーターの有無となる。
HT-A9000のときと同じシーンをHT-A8000でも聴いてみたところ、「ゴジラ×コング 新たなる帝国」では、コングの吼え声や迫力のある足音などは遜色なく楽しめた。コングがゴジラとバトルを繰り広げるシーンでは、ピラミッドを破壊する様子などはなかなか迫力があるが、コングが移動する場面では、横や後ろに回るとサラウンド感がやや抑えられた感じがあり、バトル時の重低音もやや力強さが弱まった印象だ。
「クワイエット・プレイス:DAY 1」でも、サラウンド再生の真横や真後ろの音ではやや差を感じるが、逃げ惑う人々の声や足音などはクリアで迫力も十分。ヘリコプターが上空を飛ぶ場面ではやや漠然とした鳴り方にはなるが、上方感は出ている。そして、墜落して大爆発を起こすシーンでは、爆風を感じるかのような大迫力でうなる音が眼前に迫ってくる。
搭載するスピーカーユニットの関係で、サラウンド感や低音感に違いが感じられるものの、これらの差異は、両モデルを聴き比べて気づくレベルのものだ。一般的な家庭の環境なら十分すぎるほどのパワフルさで、テレビ放送やネット動画では、低音を除けば大きな差はないだろう。両モデルのスピーカーユニット自体は同じなので、音色やディテールの再現なども似ており、くっきりとして聴きやすい。ボーカルなどもエネルギー感たっぷりに楽しめるはずだ。
HT-A8000は、映像のスケール感との釣り合いを考えると、55V型クラスのテレビとの組み合わせに向いているだろう。基本的な部分はHT-A9000と変わらないので、機能面での不足はないはずだ。使っていて、音質面でもしも不足に感じたときは、オプションのリアスピーカーやサブウーファーで補うという考え方もあるだろう。
リビングで本格的な映画サラウンドを体験できる優秀なシステム
ここまで紹介してきたように、大画面テレビにサウンドバーのHT-A9000/A8000を組み合わせることで、十分に本格的な映画サラウンドを体験できることがわかった。
HT-A9000はサラウンドの再現がより精密で、低音も力強い。65V型やそれ以上のサイズのテレビと組み合わせるサウンドバーとして最適で、大画面のスケール感にマッチした広いサラウンド空間を楽しめるだろう。一方、兄弟機のHT-A8000も同等の機能を備えており、より手軽に家庭で立体音場が実現できる。サイズ(長さ)が少し短いことで、扱いやすいというメリットもある。
また、オプションのリアスピーカーやサブウーファーを追加すると、「360 Spatial Sound Mapping」の効果もさらに増すということも体験できた。もっと上の本格的なホームシアターを狙うなら、検討に値するだろう。
従来は、本格的なサラウンドを目指そうとすると、セッティング、置き場所、予算などさまざまなハードルがあった。だが、それらの懸念事項が解決でき、しかも手軽で快適な操作性まで手に入るのだから、HT-A9000/HT-A8000はかなり優秀なシステムと言える。この立体音響に惚れこんでしまうと、ホームシアターの深い沼にどんどんハマっていきそうな予感がする。
これまでホームシアターをあきらめていた人は、このサウンドバーで、ぜひとも再チャレンジしてほしい。両モデルとも、ファミリーエンターテインメントとして、とても魅力的なアイテムなのだ。
テレビとサウンドバー1本で、本格的な立体音響&重低音が楽しめる時代がやってきた。「こだわりのホームシアター」を目指すならHT-A9000が、「気軽におうちシアター」を求めるならHT-A8000がぴったり。いずれも「自宅で映画館」を実現できる、間違いのない選択肢だ。
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