アップルが11月8日に発売した「M4 Pro」搭載のMac miniとMacBook Proが、処理能力を向上させる「高出力モード」に対応していることがわかった。海外メディア「Ars Technica」がレビューの形で報じている。
上位チップ限定の機能をM4 Proに開放
高出力モードはMacで負荷の大きな処理を実行する際、冷却ファンの回転数を上げることで内部の熱を効率よく逃がし、処理能力の低下を抑える機能。アップルは8K ProRes 4444や8K DNxHRビデオのカラーグレーディングなど、グラフィック周りに負荷がかかる作業でのパフォーマンス向上が期待できると説明している。
本機能はこれまで上位モデルのAppleSilicon(Max/Ultra)限定で提供されていたが、Ars Technicaによると、M4世代では1ランク下の「Pro」にも提供範囲を拡大。実機(Mac mini)を使った比較でも、高出力モードをオンにするとファンの音がかなり大きくなり、いくつかのGPUテストでわずかなパフォーマンス向上がみられたという。
一方、CPUテストの全項目と多くのGPUテストでは性能差が誤差の範囲に収まっているため、少なくとも短時間(数分程度)の作業では高出力モードを利用するメリットはないと結論付けている。
注意したいのは、Ars Technicaのテストはあくまでパフォーマンス(処理能力)に絞ったもので、テスト中の内部温度の検証は含まれていないこと。仮にパフォーマンス向上が僅かだったとしても、排熱能力の向上でチップ等へのダメージを減らせるなら、十分利用価値のある機能といえそうだ。