地域おこし協力隊の制度を利用してライフシフト!活動を通して移住先でシェアキッチンをオープン

文●杉山幸恵

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クラウドファンディングにも挑戦!地域の人と協力し合いシェアキッチンを開業

 毎月1回、翌月分のカレンダーをシルクスクリーンで作成するというワークショップは、地域の子どもたちに好評だそう。そして、そんな中、定期的に行っていた「snack mamiko」のレンタルスペースが手狭になり、新たな開催場所を探し始めることに。

 「駅前商店街にいいところないかな〜と探していたところ、まさに理想的な空き家を発見。ここ借りたいなと思っていた時に、ちょうど仲のいい地元農家さんが『野菜や加工品を販売できる場所探している』という話をしていて。『じゃあ一緒にやりましょう!』と空き家を借りました」

 理想の物件を見つけたmamikoさんは農家の方と思いや意見が合致し、シェアキッチンをスタートさせることを決意する。借りてから3〜4か月間かけて内装工事などを自分で行い、開業資金調達としてクラウドファンディングにも挑戦することに。

 「開業費用はクラウドファンディング、協力隊の活動経費を含む自己資金、笠岡市の空き家補助金の3つです。店内の内装工事はほとんど自分で行い、厨房機材などは知り合いからいただいたりと、相場よりかなり低予算で進めました。クラウドファンディングは開業費用に当てるためでもありましたが、笠岡市内外の方に自分やお店の存在を知ってもらいたい、という背景もあり。クラファンのサイトでは、地域同士の団結を深めたいこと、駅前商店街に活気を取り戻したいこと、笠岡で採れる野菜のおいしさを知ってほしいことなど、移住して感じた笠岡市の課題をシェアキッチンを通して解決したい思いを綴りました」

DIY知識などほとんどないmamikoさんだったが、ネットやYoutubeを見たり、知り合いの大工に相談したりしながら内装工事を進めた

 クラウドファンディングでは見事、目標金額を達成。2024年4月、「採れたて野菜と人との交流を楽しめる場所」をコンセプトとしたシェアキッチン「Farmer's Kitchen Boonies」をオープンさせた。

 「野菜は笠岡市北部で朝、収穫したものが店頭に並びます。生産者が店頭に立つので『おすすめの食べ方は?』『どうやって育てているの?』など、野菜や農業に関することを直接聞けるのも当店の魅力。そういった会話を通し、野菜や農業の魅力を発信できる場となっています」

笠岡駅前商店街にオープンした「Farmer's Kitchen Boonies」

 シェアキッチンを利用して出店している個人や事業者はmamikoさんを含めて現在5人で、それぞれ地域おこし協力隊や農家、飲食店経営など、本業や本店が別にあるというのが特徴。料理や営業日・時間に関しては週、月ごとに異なり、出店者次第でさまざまなスタイルを展開している。

 「メインとして出店しているのが農家さんなので、その方は週に3回ほど夜営業で野菜のおばんざいを提供し、さらに週に2回ほど午前中に野菜とお弁当の販売も。私はオーナーとして営業日には店頭に立っています。ただ、笠岡ではこのシェアキッチンというシステムへの馴染みがないのが現状…。週や月ごとにメニューや出店者が異なることに違和感を感じる方も多くいらっしゃいます。どうしたらみなさんに認知されるのかが今の課題です。とはいえ、この店を通して、普段はこんな活動をしているんだと地域の方に知ってもらったり、本業に繋がるきっかけになったりと、シェアキッチン出店者さんたちの何かきっかけの場になればいいなと思っています」

「Farmer's Kitchen Boonies」のメンバー

mamikoさんは、地域の農家さんからもらった採れたて野菜のおいしさに感動と衝撃を覚えたとか。その思いもシェアキッチン開業につながっている

地元農家が腕によりをかけた野菜たっぷりのおばんざいが好評

 入隊して3年目に突入し、自身の移住生活や協力隊活動に関する情報発信、ものづくり活動に加え、シェアキッチン運営を主に行っているmamikoさん。順風満帆な活動内容に加え、移住先での住居事情も気になるところだ。もともと古民家にあこがれのあったmamikoさんだが、土地勘のない笠岡市ということもあり、最初は利便性のいい中心地のマンションを借りることにした。

 「移住して半年くらい経って、笠岡のこともよくわかってきたくらいに、知り合いの人に『いい古民家があったら住みたい』と話したところ、いい物件を見つけてきてくれたんです。内見したらひと目ぼれをして、すぐに引っ越しました(笑)。ラッキーだな、タイミングとご縁だなと思いましたね」

広い庭と畑、南向きの長い縁側、大きな梁をふんだんに使用した重厚感を感じる空間に心惹かれたそう

 築100年というその物件は水回りがリフォームされていたほか、家主が定期的にメンテナンスをしており、築年数のわりに住みやすい環境となっていた。

 「その古民家は市街地から少し離れた場所にあるので、まず静か!そして、星が綺麗に見えるのがお気に入りです。夏はクーラーがいらないくらい涼しいですが、逆に冬は隙間風でかなり寒いのが難点…。そして、ネズミが大量に発生するので定期的に悲鳴をあげています(笑)。市街地に比べると徒歩圏内で行ける飲食店やコンビニなどはありませんが、車があれば何も問題ないので、不便と感じたことはありません。ただ、ご近所付き合いはやや大変で、地域の行事や決まりごとなどが意外と多いです」

古民家ならではの土間をワークスペースに

 そして、もう一つ気になるところといえば、やはり収入と生活費について。現在、住んでいる古民家の家賃など内訳を聞いてみた。

 「まず協力隊の報酬 約20万円で、笠岡は副業がOKなので加えてシェアキッチンの売り上げなどがプラスで入ります。そこから家賃が3万円、笠岡は水道代がとても高く光熱費が約2万円、主にガソリン代ですが交通費が約1万円、食費が約3万円、雑費が約5万円です。そして委託業務形態として働いているので健康保険や市民税などは、自分で支払う必要があります」

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