このページの本文へ

大谷イビサのIT業界物見遊山 第89回

時代遅れになったベンダー一人語りイベント 集まるイベントには理由がある

2024年11月01日 11時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 先日、取材でウイングアーク1stのUpdata Now 24に行ってきたが、掛け値なしに満足感は高かった。理由ははっきりしており、想定する参加者の関心事に徹底的にフォーカスしていた点である。サービス精神旺盛なのだ。

 プライベートイベントでありがちなのは、ベンダーの戦略や製品を一人語りしがちなこと。自社の戦略を知ってほしいという気持ちはわかるし、実際に伝えるのが上手なベンダーもいる。でも、B2Bイベントに参加するモチベーションは「自社の業務に役立つか」の一点。イベントの感想を上司に聞かれて、参加者がベンダーの戦略を話したところで、「じゃあ、それってうちの会社に役立つの?」と問われておしまいである。

 その点、Updata Nowは毎年ビジネスパーソンの関心事にフォーカスしている。去年は「DX」で、今年は「生成AI」。2時間近い基調講演からして、田中潤社長の話は15分足らず。「もっと話さなくていいんですか?」とこちらが心配になるくらいだ。あとはテーマにあわせたトピックを、マイクロソフト、さくらインターネット、デジタル庁、みずほ銀行などのゲストが話すという構成だった。

 イベント全体で見ても、ウイングアーク1stの話は必ずしも前面に出ているわけではなく、市場、最新動向、事例など、「とにかく参加者に役に立つ情報とヒントを持って帰ってもらいたい」という主催者側の思いをひしひしと感じた。だから、どのセッションも迷い箸してしまう内容だったし、実際に参加者の満足度もきわめて高いと聞く(関連サイト:ウイングアーク1stがたどってきたData Empowerment Companyへの道)。集まるイベントには理由がある。ベンダーの一人語りイベントは、つくづく時代遅れになったなと感じた。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    デジタル

    「そんなことも知らんで、介護やってるんですか?」 救急隊員の一言からkintone×AIの組織変革が始まった

  2. 2位

    TECH

    Claude CodeのPlan modeをやめてみる ~grill-meスキルで一歩ずつ設計を固め、アプリを作る~

  3. 3位

    ネットワーク

    「手のひらネットワーク機器」第4弾が登場、テーマは“ShowNetを手のひらに”! こだわりの両面マウントや高密度ポートも 6月11日発売

  4. 4位

    TECH

    Obsidianで構築したエンジニアの「第二の脳」― 個人ナレッジベース構築のすべて

  5. 5位

    TECH

    出自で決まる「SASE」の最適解 主要外資ベンダー5社のコンセプトと強み

  6. 6位

    TECH

    FortiGateの圧倒的シェアをサプライチェーン防御に生かす フォーティネット 2026年度事業戦略

  7. 7位

    デジタル

    ブラックスケルトンモデルも登場!ヤマハ初のWi-Fi 7対応AP「WLX333」「WLX232」投入

  8. 8位

    ITトピック

    AIによるソフト開発加速の裏で「未テストの本番投入」も増加/「AIで日常生活が変わった」まだ45%/企業のコンサルへの不満、ほか

  9. 9位

    ビジネス・開発

    「デザインの仕事は半減するかもしれない」 MIXIデザイン本部が挑む「AIネイティブなものづくり」への転換

  10. 10位

    ビジネス・開発

    急増するトークン消費にマルチモデル化 AI活用は“見える化”してから広げる時代に

集計期間:
2026年06月02日~2026年06月08日
  • 角川アスキー総合研究所