報告数は2万件近く減りましたが……
順調に減少傾向です。
フィッシング対策協議会が発表した2024年9月「フィッシング報告状況」によれば、「報告件数」は前月より1万8346件減って14万8210件です。過去最多だった7月を頂点に2ヵ月連続で減少しています。
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(集計時点では)翌月にプライム感謝祭を控えたAmazonを騙るフィッシングが2割近く増加して全体の約29.1%を占めました。Amazonだけで4万3000件以上報告された計算になります。ちなみに前月は全体の約20.2%で報告数は3万3000件ほどでした。
次いで東京電力、JCB、ヤマト運輸、JAバンクが1万件を超える報告数となり、合わせると5ブランドで全体の約64.8%を占めています。また、報告数1000件以上のブランドは16で、それらを合わせると全体の約94.4%にのぼります。
分野別では、JCBなどクレジット・信販系が約32.8%、AmazonなどEC系が約30.1%、東京電力をはじめとする電力・ガス・水道系は約10.2%、金融系約9.8%、そしてヤマト運輸などを含む配送系は約9.5%でした。前月と比較するとEC系、金融系が増加傾向にあります。
そしてSMS経由のフィッシング詐欺「スミッシング」は東京電力と金融機関を騙るものが多かった模様です。以前ご紹介したGoogleメッセージのRCSチャットを使うフィッシングメッセージの報告も未だ消えていません。
9月はiPhoneをはじめとする人気ガジェットの発売時期にあたりました。Amazonやヤマト運輸を騙る詐欺が増えた理由の1つ……かもしれません。10月からはブラックフライデー、クリスマス、年末年始とセール期間が目白押しですので、特にECサイト、宅配業者、そして金融機関を名乗るフィッシングには注意しましょう。
偽Webサイト数も一気に減少
フィッシングメールなどからの誘導先(偽Webサイト)である「URL件数」は、前月から3万6249件減少して4万9519件でした。6月以降、毎月激しく件数が増減しています。この順番ですと10月は一気に増えてしまいそうですが……。
また、フィッシング詐欺に悪用された「ブランド件数」は、前月から11ブランド増加して79件。前月はここ1年では最も少ない数でしたが9月は一気に増えました。騙すための効率が良いブランドに絞られていくかと思いましたが、そう簡単な話ではないようです。
なおフィッシング以外には、「ランダム文字列を記載したメール、大雨災害への支援を求める不審なメール、ポイントや現金の当選通知、ブランド模造品の販売サイトへの誘導、仮想通貨での支払いを要求する脅迫メール(セクストーションメール)の報告」が多かったとのこと。
もしあなたが怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告することをおすすめします。
※これらの数値はあくまでも「報告」件数ですので、実際の動向を完璧に反映しているとは限りません。フィッシング詐欺被害の報道が増加し、その脅威が明らかになればなるほど、同協議会に一報する人も増えていると考えるのが自然です。とは言え、現状の傾向を見るには最も適した数字でしょう。