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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第795回

AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ

2024年10月28日 13時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII

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8ch構成か12ch構成かの判断が難しい
後継機種のInstinct MI335X

 説明ではさらに次の製品であるInstinct MI350シリーズへの言及もあった。具体的な製品名はInstinct MI335Xになり、スペックとしてFP8/FP16ではそれぞれMI325Xの1.8倍の演算性能、そして新たにFP4/FP6をサポートし、こちらでは9.2PFlopsに達するとの説明があった。

Instinct MI350シリーズ。ここで示されたものはCOMPUTEX TAIPEI 2024の基調講演の最後で示されたことと同じ

 この9.2PFlopsというのは、Blackwellの20PFlopsの半分という見方もできるのだが、Blackwellも実は2ダイで20PFlopsであり、1ダイだと10PFlopsでしかない。あとBlackwellの方は、例えばGB200 NVL2では1本のシャーシにGB200が2つで40PFlopsがピーク性能ということになるが、もしMI355xが現在のMI325と同じように1つのシャーシに8個搭載可能ならば73.6PFlopsという計算になるわけで、もうそろそろチップ単体の性能というよりもシャーシの構成を考えないとどちらが高速か判断が付かない領域になってきた。

FP6/FP4はFP8の倍になるのは、まぁ理解できる

 メモリーは288GB HBM3Eで帯域は8TB/秒におよぶ、とする。これまでが8ch構成で、これを1.5倍にするとなると単純に考えれば12ch構成となるわけだが、ということは24GBのHBM3Eを利用する形になり、この際の信号速度は5.46Gbpsとけっこう低めになる。

メモリーは288GB HBM3Eで帯域は8TB/秒。普通に考えれば12スタックのHBMになる

 あるいは32GBスタック×9でも288GBとなるが、こちらだと信号速度7.28Gbpsとなり、HBM3Eがスペック上は9.6Gbpsまでいけるとは言え、市場にこうした高速品がほとんど投入されていないことを考えるとやや難しいのではないかと考える。

 可能性としては8chのまま(信号速度は8.19Gbps、スタックあたり36GBのHBM3Eが必要)、10ch(信号速度6.55Gbps、スタックあたり28.8GB)、11ch(信号速度5.957Gbps、スタックあたり26.2GB)あたりが思いつくが、どれも中途半端というか、イマイチしっくりしない。

 最初に挙げた12ch構成で信号速度を5.46Gbpsにした構成が一番実現可能性は高いと思うのだが、それならHBM3EでなくHBM3のままで十分なわけで、やはり今ひとつ構成がしっくりこないことに変わりはない。このあたりはもう少し詳細が明らかになったらまたレポートしたい。

 このInstinct MI355Xも従来同様OAMで個々のGPUが提供され、これを8つ集積した形でのリリースになる模様だ。提供予定は2025年後半ということなので、おそらくは2025年の今頃であろう。

もうこうしたキャリアボードに複数のGPUをまとめる形で提供するのが一般的になりつつあり、ここのGPUチップの性能を比較してもあまり意味がない時代になった

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