「GALLERIA XA7R-R47S 9700X搭載」をチェック、価格は29万4980円
フルHD以上を狙えて30万円以下、Ryzen 7とRTX 4070 SUPERのゲーミングPCで来たるAAAタイトルに備えよう!
2024年10月23日 11時00分更新
最新世代CPUと組み合わせたアッパーミドル構成に注目
XA7R-R47Sが搭載するRyzen 7 9700Xは、2024年8月に登場したAMD CPUの最新世代「Ryzen 9000シリーズ」の1つで、コア構成8コア/16スレッド、最大ブーストクロック5.5GHzで動作する、アッパーミドルからハイエンド向けのCPUだ。Zen5アーキテクチャ採用で消費電力や発熱を抑えつつ性能向上を図っているのが特徴で、TDP 65W・PPT 88Wと昨今のCPUとしてはパワーリミットが低く設定されている。
この低消費電力・低発熱のおかげで、XA7R-R47Sのような空冷CPUクーラー運用でも冷却能力に問題はなく、ひいてはパソコンの価格を抑えることにも一役買っていることが伺える。
なお、Ryzen 9000シリーズの対応ソケットはSocket AM5でメモリーはDDR5専用。XA7R-R47SではAMD B650チップセットマザーボードを用いており、システムメモリーは32GB(DDR5-4800 16GB×2)を標準搭載する。ゲーミング用途としては十分なメモリー容量で、増設を考慮することは当面ないはずだ。
次に、ゲーミングパソコンの心臓部とも呼べるGPUのRTX 4070 SUPERについても解説しておこう。RTX 4070 SUPERは「GeForce RTX 4070」の強化モデルとして2024年1月に登場。RTX 40シリーズのアッパーミドル向けに位置するGPUだ。ビデオメモリー容量はRTX 4070の12GBから変更されていないが、CUDAコア数が5888基→7168基に強化され、約15~20%ほどの性能アップを果たしている。
RTX 4070 SUPERのメインターゲットはRTX 4070と同じくWQHDゲーミングで、WQHDでの高画質または高フレームレートゲーミングを楽しみたいユーザーに適したGPUだ。
またフルHD環境の場合でも、これから登場するであろう高負荷ゲームタイトルに対して余裕ある動作が期待できるRTX 4070 SUPERは、将来に向けたマージン多めの選択肢として魅力的なGPUと言えるだろう。
なお、ゲーミングパソコンではCPUとGPUのバランスも大事だが、その面でもこの組み合わせは申し分ないと考える。AMD最新CPUであるRyzen 7 9700Xのゲーミング性能は、AMD「X3Dシリーズ」のようなゲーミング特化モデルには一歩譲るものの、現時点でのハイエンド帯に位置することは間違いない。このCPUであればアッパーミドル向けのRTX 4070 SUPERのパフォーマンスを十分に活かしきれるはずだ。
軽量級用途であれば4Kも十分射程に捉えるパフォーマンスを確認
ここでは基礎的なベンチマークや軽量級ゲームタイトルを用いて、XA7R-R47Sのパフォーマンスを見ていくことにしよう。まずは基礎ベンチマークとして「3DMark」(Ver.2.29.8294)を実施。結果は次のとおりだ。
まず、メインターゲットとなるWQHD(2560×1440ドット)ベンチの「Time Spy」は、高スコアーを記しており、ベンチマーク中の平均フレームレートも約120fps以上を記録していた。ただ一方で同じWQHDベンチでもレイトレーシングなど最新グラフィックスをふんだんに使った「Speed Way」はスコアー6000(平均60fps)に一歩及ばず。
最新の重量級タイトルの場合はWQHDでも設定を落としたりDLSSを駆使する必要もあることが伺える。ただそのような重量級タイトルはアップスケーラーの使用が前提という傾向もあるので、大きな問題ではないだろう。
そのほかで驚いたのが、フルHD(1920×1080ドット)ベンチの「Fire Strike」が42860とかなり高スコアーを叩き出している点だ。手持ちのデータと比較すると、「Core i7-14700F」と「GeForce RTX 4070 Ti SUPER」の組み合わせでスコアー約43000強というものがあり、比較すると上位GPUに肉薄したスコアーということがわかる。
低解像度のベンチマークはCPU性能が大きく影響する傾向にはあるので、Ryzen 7 9700Xのパフォーマンスが垣間見れた部分ではないだろうか。
また、Time Spyで行なわれるCPUテスト中のCPU温度を見てみたところ、最大でも約74.8度に収まっており、空冷CPUクーラーでも十分冷却できていることを確認できた(室温約27度)。
次は、主に軽量級のゲームタイトルを用いてXA7R-R47Sの軽負荷ゲーミングパフォーマンスを計測する。今回使用するのは「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」と「Apex Legends」。いずれも軽~中量級に位置する定番ゲームベンチマークと定番FPSタイトルだ。
それぞれグラフィックスオプションはゲーム内の最高設定を選択するようにして、解像度は1920×1080ドット(フルHD)、2560×1440ドット(WQHD)、3840×2160ドット(4K)の3パターンを計測している。
まずはファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークの結果から。画質設定はプリセットに「最高品質」を選択し、FSRやDLSSのアップスケール機能はすべて無効としている。
フルHD、WQHDともに最高評価である“非常に快適”の評価が取れるスコアー15000を大きくクリアーした。平均フレームレートも高く、WQHDで144Hzのゲーミングディスプレーとの組み合わせがピッタリのパフォーマンスだ。4Kになるとスコアーは大きく下がってしまうものの“快適”の評価の範囲には留まっている。
平均フレームレートも60fps以上を記録しているので、4Kでプレイできるパフォーマンスは十分にありそうだ。DLSSを駆使することでさらに快適な動作も期待できる。
2本目はApex Legends。グラフィックス設定でアンチエイリアスを「TSAA」とし、すべてのオプションを最高の状態とした「最高設定」を用意した。射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出して煙がなくなるまで待機。という一連の動きに対してのフレームレートを計測している。
なおフレームレートの計測には「CapFrameX」というアプリを使用。平均フレームレートに加えて、データ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」とし、これを最小フレームレートの代わりに記載している。
フルHDとWQHDでは200fpsを超える平均フレームレートを記録。min(1%)も高い値をキープできているので、リフレッシュレート240Hz以上のWQHDゲーミングディスプレーとの組み合わせがよさそうだ。
また4Kでも平均150fps以上、min(1%)も120fps以上を記録しているので、4Kゲーミングディスプレーとの組み合わせにも十分耐えられるパフォーマンスが確認できた。
最新世代CPUとの組み合わせは魅力的。後編はよりヘビーな計測を予定
今回はXA7R-R47Sの外観や構成パーツの紹介を中心に、軽いベンチマークでパフォーマンスの片鱗を確認することができた。低発熱の最新世代CPUとアッパーミドル向けGPUの組み合わせにより、バランスに優れたゲーミングパソコンに仕上がっていると感じた次第である。
後編では重量級ゲームタイトルを用いた計測や、クリエイティブ用途、AI用途といったヘビー用途を想定したベンチマークを実施し、本格的なパフォーマンスを確認していきたいと思う。