ソラコム社員とSORACOM UGの共創展示をフォトレポート
服薬管理や遠隔QRリーダー、自動演奏録画などアイデア満載の「IoTプロトタイピングコーナー」
ソラコムの年次イベント「SORACOM Discovery 2024」の展示会場でひときわ目を引いたのは、ソラコム社員やユーザーグループであるSORACOM UGの面々が作った試作品を展示する「IoTプロトタイピングコーナー」だ。今年は17作品が会場に展示。さまざまなアイデアにあふれた試作を写真中心にご紹介しよう。
IoTボタンを使って、服薬を記録するユニークな展示
最初に紹介する「薬の飲み忘れをIoTで防止する」はヘルステックIoTとも呼べるアイデア。われわれも仕事や生活が忙しいと、ついつい薬を飲み忘れてしまうこともあるが、こちらの試作では薬を入れたケースに通信機能を搭載し、開けたことを自動的に通知・記録する。こうすれば、いつ飲んだかを記録できるため、一定間隔でリマインドでき、記録を分析することで、飲み忘れの多い曜日や時間帯を把握することも可能だ。介護や医療の分野ですぐに実用化できそう。
同じく服薬をテーマにした「私の服薬システム」は、3種類の薬を飲んでいるSORACOM UG参加者が自らのために作った試作。具体的には外出先からIoTボタンを用いて、スプレッドシートに服薬時刻を打刻してくれる。1クリックは定期薬、2クリックはアレルギー薬、長押しは頭痛薬といったようにクリックの仕方で記録が分けられるのが秀逸。シンプルなインターフェイスでクラウドとの連携ができるIoTの真骨頂を見た気がした。
「パパ、ちゃんと休んでね」はブースを案内をしてくれたSORACOM UG木村さんの作品。座り仕事を続けて腰に負担が来そうなパパに適度な休憩を促すというまさに娘さん目線の試作と言えよう。センサーで対象者の高さを判定し、立っているときは休憩していると判定するよう。当日の予定を参照し、予定が入ってなければ、早めに休憩を促してくれるという。これで娘さんに心配かけないようにしないとですね。
ソラカメ活用でIoTの可能性はもっと拡がる
ソラカメのようなクラウドカメラを活用した事例も多かった。遠隔でスイッチを押してくれるロボットはSORACOM UG発の作品。遠隔操作可能なスマートデバイスがまだまだ少ない中、結局のところ人間がスイッチを押さなければ動作しないということは多い。固定された場所にあるスイッチを1つポチればOKという用途ならともかく、複数スイッチがある場合は、遠隔からボタンを選択しなければならない。そんな悩みをまさにロボットとカメラで解決したのが、こちらの試作だ。
手元にあるIoTボタンボタンを押すと、遠隔にあるロボットがボタンを押してくれるのだが、カメラを現地に設置することで、まさに目として機能するのがポイント。SORACOM Cloud Camera Servicesを利用することで、カメラで撮影した動画はストリーミングで流れるのではなく、切り出してAmaozn S3に保管される。AWS LambdaからWebhook経由でSlackやLINEに通知を受けることができる。
ソラコム社員による「IoT×Music Ⅱ」は楽器の演奏や練習風景を手軽に撮影するための仕組み。2023年のときはで録画の開始と終了を指示するというシンプルな仕組みだったが、今回は録画された動画から簡易物体検知の機能を使って人物が演奏している動画を切り出せる。SORACOM Relayの新機能「Motion Detection」と「SORACOM Flux」を組み合わせることで、手動操作なしで書き出し時間のインデントを設定し、動画をダウンロードできるシステムを実現できたという(関連記事:カメラとAIで楽器演奏シーンを簡単に残す、IoTプロトタイピングの裏側)。
その他の展示もユニークだったので、写真を中心に説明していこう。
ということで、展示会場の横で見逃していたかもしれないIoTプロトタイピングコーナーをご紹介。どれも身近な課題を解決するアイデアをテクノロジーで実現した素晴らしい作品ばかりで、プチMaker Faireのような感じで楽しめた。こうしたIoTの世界に飛び込むにはSORACOM UGを体験するのが一番だと思うので、とりあえず触ってみたいというユーザーは、ぜひ年次イベントのSORACOM UG Explorerに参加してみるのはどうだろうか?