横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記 第42回

9月21日(土)は国際レッサーパンダデー。シーパラで暮らす可愛らしいレッサーパンダファミリー

文●大坪裕美

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 みなさん、こんにちは!

 横浜・八景島シーパラダイスの飼育員がお届けする「生きもの日記」。

 第42回は、レッサーパンダの飼育を担当している大坪裕美がお伝えします。

前回の記事はこちら

見て、感じて、ふれあって。ふれあいラグーンの生きものたちが大集合『アニマルパフォーマンス』!

※過去の連載記事はこちら:横浜・八景島シーパラダイスの飼育員生きもの日記

 “森から海へ”をコンセプトにした水族館「アクアミュージアム」の4階は、海の始まりである森に暮らすレッサーパンダ、さまざまな水辺で暮らすカピバラ、コツメカワウソ、水鳥などの陸上動物たちが暮らす「フォレストリウム」エリアです。

 今回は、レッサーパンダの魅力についてお伝えします!

 レッサーパンダは生息地によって、中国南部に生息する「シセンレッサーパンダ」と、ネパールに生息する「ネパールレッサーパンダ」の2つの亜種に分けられています。体毛の色の濃さや体の大きさに違いがありますが、共通しているのは、年中涼しい山の上の、深い森に暮らしていることです。

 シーパラで暮らしているのは「シセンレッサーパンダ」です。レッサーパンダといえば、白・黒・茶で特徴的な模様の可愛らしい顔、しましま・ふわふわの尻尾を思い浮かべると思いますが、模様や行動が個性豊かです。

 まずは、シーパラで暮らすレッサーパンダファミリーを紹介します。

「ネイ」

 あどけない顔つきと、正面から見るとハート型の顔が特徴の「ネイ」は、何よりもリンゴが大好き!「どうしたらリンゴがもらえるかな?」と考えて、いろいろな行動を見せてくれます。ネイの注目ポイントは、何でも「両手」でやるところ。両手でリンゴを持って食べたり、両手で顔を挟んでグルーミングしたり。ネイがどんなときに両手を使っているか、みなさんもチェックしてみてください。

 マイペースで甘えん坊の「コキン」は、黒っぽい毛色と、鼻先のつんと立った毛がチャームポイント。身体の隅々まで丁寧に毛づくろいするので、いつもピカピカです。

「コキン」

 シーパラではリンゴのほかに、バナナやキウイ、イチゴ、サツマイモなどをあげていますが、コキンの最近のお気に入りはバナナです。食べ終わっても「本当にもうないの?」と容器をのぞき込んできます。ごはんの時間は、飼育担当とコキンのやりとりに注目してみてください!

 「つぐみ」と「くるみ」は、2022年にネイとコキンの間に生まれた双子の兄妹です。

左「つぐみ」右「くるみ」

 今年で2歳になりました!

 お顔が大きく、白い部分が少なめの「つぐみ」は、元気いっぱいでちょっぴり怖がりの男の子。空中回路の丸太になっている部分は、怖くて歩くことができません。主食の竹の葉を食べるときは、仰向けに寝転がったり、竹の下にもぐって食べたり…。とてもユニークな動きやポーズをしているので、観察してみてください。

 体の色が淡く、顔も白い部分が多い「くるみ」はおとなしい性格ですが、リンゴを前にテンションが上ったり、急に遊びスイッチが入って大はしゃぎすることも。レッサーパンダは、手のひらに種子骨という骨があり、「第三の指」として使うことで器用にものを掴むことができます。大きめのリンゴをあげると手で持って食べますが、くるみだけは手で持って食べません…。笹は掴んで食べるのに…。大きなリンゴをもらったときに、くるみがどうやって食べるのか、必見です。

 寝姿も個性的です

 ここまで、4頭の個性豊かな特徴をご紹介してきましたが、次は、担当者イチオシの観察スポットと、シーパラでしか体験できない、レッサーパンダについて学べるプログラムのご紹介です。

 レッサーパンダは木の上で生活しているため、高いところに登るのが大好きです。そのため、レッサーパンダエリアには空中回路があります。空中回路の真下に立つと、普段は見ることのできない足の裏や、お腹を見ることができます。

 何よりも、上から覗き込んで私たちを観察している姿がとても魅力的なので、ぜひ目を合わせて、観察し返してみてください。

「コキン」

「ネイ」

 もっとレッサーパンダについて知りたい!近くで見たい!という方には、「SDG‘sシアター~シーパラのこどもたち~」がオススメです。私たち飼育担当が、レッサーパンダについて解説を行った後に間近でごはんをあげる体験ができます。

 さて、ここまでレッサーパンダの魅力をお伝えしてきましたが、9月にレッサーパンダをご紹介したのには、理由があります。

 それは、毎年9月の第3土曜日が「国際レッサーパンダデー」だからです。

 野生のレッサーパンダたちは、毛皮やペット化を目的とした密猟、ダムや牧草地をつくるための森林破壊が原因で数を減らし、あと数十年で絶滅するとされています。現地では保護活動が行われていますが、世界中の動物園と水族館も保護活動を支援し、繁殖に取り組んでいます。「国際レッサーパンダデー」は、レッサーパンダの野生での状況や保護活動の必要性をたくさんの方に知ってもらうために定められたものです。シーパラでは、9月21日(土)、22日(日)、23日(月・祝)に特別解説がありますので、ぜひご参加ください。可愛いだけじゃない、レッサーパンダの魅力をみなさまにたっぷりお届けし、野生のレッサーパンダたちにも思いを馳せられる日にしたいと思っています。

 みなさまのご来館をお待ちしています!

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①「シーパラ SDGs WEEK」を9月21日(土)~29(日)に開催!
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②「WATER&MUSIC FES. supported by ナタリー」開催中!    「アイナ・ジ・エンド」とのコラボイベントなどさまざまなイベントが盛りだくさん!
https://www.seaparadise.co.jp/special/water_music_fes/
③★電車でスイスイお得にシーパラ★ 水族館と乗車券とクーポン券がセットでお得!!
https://www.keikyu.co.jp/visit/otoku/seapara_kippu.html


文/大坪裕美

2018年入社。生きものたちが毎日を楽しく過ごせる水族館を目指して、日々頑張っています。「くるみ」が、すくすくと成長中の時の写真です。