NTTコノキューデバイスは軽量でワイヤレスのXRグラス「MiRZA(ミルザ)」を発表し、報道陣向けに体験会を開催した。
MiRZAはクアルコムのチップセット「Snapdragon AR Gen 1」を世界で初めて搭載したメガネ型デバイス。企画から設計、開発、製造までを日本国内で行なっているという。バッテリーを内蔵しながらも重さは125gと軽量で、ディスプレーの解像度は1920×1080ドット。輝度も1000nitと明るい。そのほか、フルHDで撮影できるカメラと、マイク×4、スピーカー×2を搭載する。
スマホとワイヤレスで接続することで、XRのコンテンツを利用できるのだが、今のところ使えるスマホはSnapdragon Spacesに対応しているシャープの「AQUOS R9 SH-51E」のみ。SIMフリー版やソフトバンク版は非対応。今後、Androidスマホは対応端末を広げていくと説明があった。
同社代表取締役社長の掘 清敬氏によると「MiRZAは法人向けのXRグラス」とのことで、たとえば遠隔での作業支援が可能になる。作業現場の人にMiRZAを装着してもらい、離れたところからMR技術を使った作業指示が出せるのだ。このスイッチを押してください、このネジを外してくださいといった指示を空間ポインティングなどで出せるようになるという。
今回のデモでは遠隔作業支援だけでなく、6DoF(バーチャルのものを現実空間に存在するよう配置できる)を活用した、対面でのリアルタイム翻訳や文字起こし、バーチャルアーティストによるライブ、空間情報を使ったちょっとしたゲームなどが体験できた。
法人向けということで、24万8000円というハイエンドスマホクラスの価格だが(今秋発売)、今後はコンシューマ向けに性能を調整し、買いやすい価格に抑えたモデルも2025年に発表を考えているとのこと。今年は法人パートナーを増やしし、MiRZAの利用シーンの開拓から始めたいと掘社長。
また、対応アプリの開発支援や共同プロモーションの実施など、パートナープログラムも立ち上げ、事例を増やしていきたいとも語った。現在、家具の通販サイト「ENEN」が店舗にはない家具の配置シミュレーションに使っていたり、MITSUKOSHI広島が商品の3D閲覧、遠隔接客といった新たな購買体験に利用しているとのこと。
ほぼメガネに近いXRデバイスのMiRZA。コンシューマー向けが登場すれば、スマホをポケットから出さずとも、スマホと同等の操作ができて、さらに3Dコンテンツが楽しめるのなら、価格次第では先行する同様のガジェットたちに食い込めるかもしれない。