開発元のアイ・オー・データ機器にIoTデバイスの手応えを聞いた

Type-CでデバイスをSORACOMにつなげる「UD-USC1」 動作温度も防塵・防水対応もバッチリ

大谷イビサ 編集●ASCII

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 IoTプラットフォーム「SORACOM」につながる便利なハードウェアを紹介する「ソラコムにつながるIoTハードウェアの世界」。第1回目に紹介するの周辺機器メーカーとしておなじみアイ・オー・データ機器のUSBドングル「UD-USC1」になる。製品概要に加え、アイ・オー・データ機器のIoT領域への展開やスタンスについて、アイ・オー・データ機器の井村 一仁氏に聞いてみた。

SORACOM認定デバイスのUSBドングル「UD-USC1」

初ジャンルのLTE対応USBドングル 新製品の少ない市場にあえてトライ

 UD-USC1は、パソコンにモバイル通信機能を付与するいわゆるUSBドングルになる。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル、各MVNO事業者のSIMに対応しているほか、認定デバイスとしてSORACOMでも利用可能。USB Type-Cでつなげることができ、Wi-Fiが利用できない環境でもインターネット接続が可能になる(関連記事:LTE USB ドングル UD-USC1 を SORACOM サービスと組み合わせて利用する)。

 メーカーは40年以上に渡ってパソコンの周辺機器を製造・販売を続けているアイ・オー・データ機器。IoTに関しても、USBドングルやLTEルーターなど、市場に受け入れられるハードウェアの製造・販売にフォーカスしている。アイ・オー・データ機器 第3事業部 企画3課 井村 一仁氏は、「現在の人手不足やDXの流れの中で、ハードウェアメーカーとしてどうやって貢献できるかを意識しています。その意味で、われわれだけで実現するのではなく、ソラコムのような通信事業者との連携は欠かせません」と語る。

アイ・オー・データ機器 第3事業部 企画3課 井村 一仁氏

 今回投入したUSBドングルは通信用の周辺機器としては歴史も長いのだが、実はアイ・オー・データ機器としては初めてのジャンルだ。「需要はあるのですが、新製品が少ない。ユーザーも製品について意外と知らない。逆にこれはやってみる価値あると思いました」と井村氏は語る。シンクライアント、デジタルサイネージ、POSレジなどで非PC端末のほか、RaspberryPi(ラズパイ)を前提としたIoTでの事例も想定しているという。

SORACOM Discoveryで聞いたIoTならではのニーズ

 特徴はUSB Type-C対応のコンパクトな製品であること。「USB Type-CでつながるLTEドングルも、私が調べた限りでは市場にはないんです」とのことで、独自の特徴になっている。添付の専用変換アダプターを利用することで、USB-Aを搭載したデバイスにも接続可能。井村氏は、「コネクタが曲がる点は、パソコンユーザーからはブラブラしてしまうと言われますが、IoTユーザーの方からは接続の自由度が高いと評価されますね」と語る。

Type-C対応は珍しい。USB-Aでの接続も可能

 UD-USC1はOSの対応も幅広く、Windows、MacOS、iPadなどでドライバーレスで利用できる。先日は動作確認済み機器/OSバージョンも公開され、RaspberryPi OS、Android、Chrome、Fire OSなども追加された(関連サイト:UD-USC1 仕様)。「お客さまからも問い合わせも多いので、きちんと検証していきたいと思います」とのことで、同社のIoT分野にかける意気込みも伝わってくる。

 また、IoT向けハードウェアとして注目したいのは、対応環境が優れている点だ。動作保証温度は-20℃から60℃まで対応し、IP56相当の防塵・防水性能を備える。過酷な環境に置かれることの多いIoTデバイスにとって、この特徴は非常に評価すべきポイントであろう。「出展させていただいたSORACOM Discoveryの会場では、この動作保証温度に関して評価いただけました。サイネージのイベントよりも反応よかったので、『これはIoTならではだな』と感じました」と井村氏は語る。

 LTE対応の製品は今後も出していく予定だが、あまり多機能は目指さない方針。「いったんSORACOMにつながってしまえば、さまざまな機能が用意されているので、むしろハードウェアとしてはシンプルで丈夫なものが重要だと思っています」は井村氏は語る。今後もIoT領域のニーズを汲み取った質実剛健な製品が期待できそうだ。

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