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石川温のPCスマホニュース解説 第209回

スマホがどこでも買える今、ソフトバンクの“英断”は理にかなっている

2024年09月05日 07時00分更新

文● 石川温

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他キャリアも追随してくるのでは

 かつて、スマートフォンの多くは「キャリアでのセット販売しか買えない」という状況であったが、いまではアップルを筆頭にサムスン、ソニー、シャープ、Xiaomi、OPPO、モトローラ、FCNTなど、どのメーカーのスマホもネット通販や家電量販店など、オープンマーケットで購入できるようになった。

 「オープンマーケットで欲しいスマホを自由に購入し、キャリアやMVNOを自由に選び、安価な通信料金で使う」という使い方もできれば、「キャリアで安価な割引で欲しいスマートフォンを購入しつつ、そのキャリアの使い放題プランで契約する」という使い方も可能だ。

 ユーザーからすれば、幅広い選択肢から自分に合った買い方、使い方が選べるようになっているだけに、もはや総務省や有識者がとやかく言う出番はないだろう。

 総務省や有識者は「セット割引をする日本は特殊な市場だ」みたいな論調を醸し出すが、ドイツのT-Mobileでは、キャリアがオリジナルの安価な5Gスマートフォンを企画、販売することで、4Gから5Gへ乗り換えを促すといったことをしている。

 日本でも、5Gシフトをさらに加速させるには、キャリアによる割引によって、5Gスマートフォンをさらに普及させることが不可欠なのだ。

 その点において、ソフトバンクはセット販売でしかAndroidスマートフォンを売らないという英断は理にかなっているし、早晩、他キャリアも追随してくるのではないだろうか。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

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