Amazonは9月3日、Ringブランドの見守りカメラ「Ring 首振り機能付きインドアカム」の新製品発表会を開催した。既発売の「Ring Indoor Cam」の機能を基本としつつ、モータを内蔵。ライブ映像を見ながら、カメラの位置を変えられる。
侵入者などを検知すると、スマホアプリに通知が飛び、そこをタップするとカメラ映像が見られる仕組み。自動追尾などはできないが、アプリ上で操作することでリモートからカメラの画角を変えられる。暗視機能なども装備しており、夜間にも活躍しそうだ。
Ringはただの防犯カメラではない
発表会で登壇したRing事業部の大石愛部長は、一般的な防犯カメラとは少し異なるRingデバイスの性格について解説。「(防犯など)真剣度の高いニーズはもちろんだが、その手前にくる日常の心配・不安の低減を目指している」とした。具体的には残業中に子供が寝ているかどうかを知りたい、離れた場所に住む両親と会話したい、休み中のオフィスの状況を知りたい、外出先から愛犬の様子を知りたいといった、日常的なニーズへの対応だ。
米国のRingが最初に発売した製品は2014年の「Doorbell」だ。同社はこの技術を応用し、防犯カメラ、アラームシステム、スマートライト、車載カメラなど製品のバリエーションを広げてきた。現在のラインアップは50以上にまで拡大している。
日本への進出は2022年4月から。世界では30ヵ国目で進出した中では最も新しい国となる。事業立ち上げタイミングは、製品ラインアップを絞ってきたが、現在ではカラーバリエーション展開なども実施。2024年は前年比40%の成長を見込み、事業拡大を目指すため、量販店での取り扱いなど接触機会の増加を目指しているという。
クラウド型なので機能もどんどん追加できる
Ringの特徴はクラウド連携型のセキュリティカメラである点だが、その実力を生かすためには有料の「Ringプロテクト」への契約が必要。Basicプラン(月額350円または年額3500円)では、無料でも使えるモーション検知やライブ映像をリアルタイムで確認する機能に加えて、撮影した映像データを動画の状態で180日間、静止画として7日間保存/共有などが可能になる。また、ハードウェアが破損した際の補償にも対応したPlusプラン(月額1180円または年額1万1800円)も用意している。なお、このプランはデバイスを設置する住所ごとの登録になり、使用するカメラ台数の上限はない。
Ring事業部の瀬口雄介シニアプロダクトマネージャーは製品の概要について解説。新製品が持つ最大の特徴は可動域の広さであり、「水平方向のパンだけでなく、上下にチルト方向も169度と広く確保している。そのため、天井から床まで幅広い範囲の確認が可能である」とした。また、Ringデバイスは首振り機能の追加などハードウェア面での強化に加えて、ソフトウェアの更新によって機能が追加される点もポイントであり、ピクチャインピクチャー(PinP)やマルチビュー、クイック応答など、さまざまな機能が追加されてきたと説明。クラウド型ならではの新しい可能性を持つ点が「Ringデバイスの優位点である」と強調した。
なお、Ringはプライバシー優先のため、個別の人の顔の認識はしない。そのため首振り機能はいわゆる自動追尾型ではなく、手動でリモート操作するための機能である点にも注意しておきたい。一方でモーション検知(画面内で何かが動いているかの認識)は利用できる。「スマートアラート」では、人の動きとそれ以外の動きを検知して、必要な時だけ通知するため、不必要な検知に対してその都度対応するストレスを削減できるようになっている。そのための設定を簡便に変更できるのも、Ringがアピールしているポイントである。
マイペースな松本・森に対するヒロミのツッコミが絶好調
発表会にはタレントの森泉さんとヒロミ・松本伊代夫妻が登場。3名は本日付けで”Ring1日見守りサポーター”にも任命され、Ringのカラバリと同じ色の衣装で壇上に上がってトークした。
司会から「安心安全の思い出」について振られた松本伊代さんは、子育ての体験から「ヒロミさんはお仕事で出かけ。私も外に出る際は、お留守番している子供たちが心配だったし、ワンちゃんが4匹いたので仲良くやっているかも気になっていた」とコメント。
これに「守らないといけない人がいっぱいいるので」と応じたのがヒロミさん。この仕事の前にも「(自宅を出る際)犬が出ていく時に駆け寄ってきたので、どうしているかなと思って(Ringで確認して)いたら寝てました」と日常での使いこなし方をさりげなく紹介した。
ヒロミさんは、屋外にもRingを設置するほど積極的に使っているそうで、ある時庭が荒れていることに気づき、録画データを確認したところ、鹿が草を食べていたことに気づいたのだという。また、「DIYやリフォームの現場でも活用できそうか?」という司会者の質問に対しては「キャンプ場なども作ったりしているので、いろいろなところに活用しようと思っています」とコメントしていた。
森泉さんも相当にRingを使いこなしている様子。「自宅に11台ものカメラを導入している」ことや「感知のレベルを変えられるので、感知が弱い場合は調整したり、カスタマイズできる点が気に入っています」などとコメントしていた。
最近では「ニワトリが卵を産む瞬間がみたいというので、娘と外に設置した。(ニワトリも)びっくりしたのか、(カメラの前では)産んでくれなかった」エピソードを披露。また、外出先から自宅の様子を確認した際にペットがゴミ箱を漁っているのに気づき、道の真ん中から慌ててマイク機能で「ダメ」と呼びかけたこともあるという(飼い主の声に反応して、ゴミ箱は無事だったという)。
森泉さんはRingは「普通なら置けない場所も選べる」と魅力を紹介。無線でつながる仕組みのため、配線が不要なためだ。また、友達にもRingプロテクトプランを利用して記録したペットの動画を見せたりしているそうだ。Ringを通して「絆が近くなった気がする」とも話していた。
新製品は屋内向けだが、Ringには屋外向けの製品もある。屋外で使用する際はソーラー電池も利用できる。ヒロミさんの「(充電などしなくても)1年以上は動いている」という発言に対して、森泉さんは「どこに置こうかと考えるだけでワクワクする」と返答していた。
Ringの首振り機能を使ったゲームも実施。Ringアプリと首振り機能を使って、部屋のどこかに貼ってある「R・i・n・g」の文字を探すというもので、Ringアプリの使いやすさ、画角調整や拡大縮小の機能の便利さなどを松本伊代さんが体験した。その様子を見たヒロミさんは映像のきれいさについてコメント。「(首振りになったことで)積極的に見たい場所を見られるようになった」と感想を述べた。これに対して「虫とかも見れちゃう(かも)」と返す松本伊代さんのとぼけた反応など、ほのぼのとした雰囲気で会は進行。
最後に三人から一言ずつコメント。
森泉さんは「パワーアップした商品だし、欲しかった機能がついたので嬉しいなぁと思って、可愛らしい色も素敵だなと思いました。活用して生活を一緒にしていきたいと思います」。
松本伊代さんは「ますます、機能の素晴らしさに気づきました。大切な家族をパパと一緒に守ってほしいなと」。
ヒロミさんは「(首振りという新しい機能がついたので)ワンちゃんなんかはなかなかいい映像が撮れないけれども、これだけのものが取れるとわかった。帰ったらやってみたいと思います」と、それぞれに新しいRingを体験した楽しさや期待感を述べた。
トークイベントでは、妻である松本伊代さんに加え、森泉さんの天然発言に対するヒロミさんのツッコミが絶妙。会場の笑いを誘っていた。本番前には松本伊代さんと森泉さんが二人で「1日見守りサポーターに就任」と聞いて「1日っていつの1日?」とヒソヒソ話し合っていたそう。それをとなりで聞いていたヒロミさんはさすがの2人と失笑。何か同じものを感じるとした上で、「一緒に見守らないと(笑)」とコメントしていた。途中「今日は大変だろうなと思って。なかなかの2人ですからね」とMCを労う言葉もあった。
Ring 首振り機能付きインドアカムの価格は7980円で、出荷は明日9月4日から。Amazonや全国の家電量販店で購入が可能だ。