このページの本文へ

最新パーツ性能チェック 第448回

Ryzen 9000シリーズの成長を見守る

TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄

2024年09月03日 13時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

OfficeでもPhotoshopでも性能向上はわずか

 ここからは「UL Procyon」を利用した実アプリを利用した非ゲーム系のベンチマークとなる。まずは「Office 365」の「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」における処理をスコアー化する“Office Productivity Benchmark”で検証する。シングルスレッド性能が高まったZen 5アーキテクチャーはOffice 365のスコアー向上が期待できるが、CINEBENCHの結果から分かる通り、TDPを引き上げてもシングルスレッド性能はほとんど変化していない。

UL Procyon:Office Productivity Benchmarkのスコアー

UL Procyon:Office Productivity Benchmarkのテスト別スコアー

 TDPを定格65Wより上に引き上げても、総合スコアーは1~3%しか伸びていない。テスト別にみるとシングルスレッド性能が活きるWordの伸びよりも、マルチスレッド性能が活きやすいExcelでのスコアー(特にRyzen 7 9700X)の伸びが大きいなど、CINEBENCHのスコアーの傾向と合致する部分がある。

 続いては「Photoshop」および「Lightroom Classic」を利用した“Photo Editing Benchmark”だ。

UL Procyon:Photo Editing Benchmarkのスコアー

UL Procyon:Photo Editing Benchmarkのテスト別スコアー

 このテストでも傾向は同じだ。総合スコアーで見るとTDPを引き上げるほどスコアーは若干伸びているが、テスト別スコアーで見るとシングルスレッド性能のスコアーに対する寄与率が大きいPhotoshopを多用するImage Retouchingは伸びが鈍いどころか、TDP 120W設定で若干下がる傾向も観測されたのに対し、マルチスレッド性能の寄与率が大きいLightroom Classicを使うBatch Processingではスコアーが順当に伸びているなど、テストごとにTDP増量の効果が異なることに注目したい。

カテゴリートップへ

この連載の記事