第4回 チームワークマネジメント実践者に聞く

チームワークマネジメントのノウハウとBacklog活用術を集約したサイト開始

多少大げさだが、Backlogを導入すれば日本企業の悩みはだいたい解決する

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: ヌーラボ

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 企業や組織で必須となるチームワークマネジメントのベストプラクティスを紹介する「チームワークマネジメント総研」。チームワークマネジメントとは?という素朴な疑問についてはヌーラボの原田氏の記事を用意しているが、ここではそれを支えるBacklogについてASCII編集部のオオタニが持論を書かせてもらう。結論はタイトルにある「多少大げさだが、Backlogを導入すれば日本企業の悩みはだいたい解決する」である。

ASCII編集部 大谷イビサが持論を披露

結局のところコミュニケーションの課題はまだ解消していない

 記者として、この15年はクラウドとコミュニティを追ってきた。最初はAWSのようなITインフラ前提のサービスから始め、今ではSaaSが中心になっている。メディアとしてサイボウズやLINE WORKS、Acrobat(アドビ)、Slackなどとパートナーシップを組むことで、他の媒体よりリッチな取材記事をお届けできている自負もある。こうした取材活動の中、多くの企業でDX化や生産性向上などの障壁になっているのが、組織内・外のコミュニケーションの課題だ。

 「コミュニケーションの課題」と聞いて、首をかしげる読者は多いかもしれない。コロナ禍以降、ビジネスパーソンのコミュニケーション手段は以前に比べて圧倒的にリッチになったからだ。PCやスマホがビジネスパーソンの武器として渡されるようになり、通信手段で困ることは少なくなった。また、メールや電話だけでなく、コロナ禍以降はビジネスチャット、Web会議などコミュニケーション手段を選べる時代になった。テレワークも日常的になり、ルールや制度の面でもコミュニケーションは容易になった……はずだ。

 しかし、結局のところ、ツールが増えたことで、コミュニケーションは大きく混乱することとなった。ある人からはメールで、ある人からはチャットで、ある人からは電話で。ツールが増えたことで、情報は分散し、必要なことを探すのに時間がかかるようになった。企業によってはビジネスチャットが複数になり、やりとりが煩雑になった会社もある。

 実際、私はさまざまな事情でSlack、Chatwork、LINE WORKSなど複数のビジネスチャットを併用している。これに加え、メールやFacebook Messenger、メールまで含めて、大事なことがいろいろなツールからやってくる。記憶力に自信のなくなってきた初老ジャパンの私にとって、これは恐怖だ。業務に必要な情報が、複数のツールのどこにあるかわからないからだ。

 また、会社にいればすぐにわかる情報が、テレワーク環境だと伝わらなくなったり、伝わるのに時差が発生するようになったのも事実だ。テレワークで業務や本人の状態はますます見えなくなり、マネージャーは1on1を繰り返すことになる。コロナ禍で多くの会社はテレワークを導入した訳だが、業種・業態によって向き不向きもあり、便利さを実感できなかった会社もある。最近「オフィス回帰」を起こしているのも、こうしたコミュニケーションの不足が大きな原因と言える。

われわれの日常業務はもはやルーティンワークではない

 コミュニケーションツールの乱立で情報が分散し、業務が見えなくなっているこの状況を、果たしてどうすればいいか。もっともシンプルな答えは、業務に必要なデータを1ヶ所に集め、可視化することだ。とはいえ、ファイルサーバーのようなゴミ屋敷にしないために、誰でもきちんと更新でき、「ここを探せば必ず出てくる」というデータ置き場にしなければならない。できれば、ファイルだけではなく、業務の流れやノウハウなどがきちんと構造化されていれば、なお使いやすいだろう。そんな便利なツールがあるのか? ここで行き着くのが、ヌーラボのBacklogというタスク管理ツールである。

 Backlogと言えば、老舗のプロジェクト管理ツールとしておなじみ。今ではクラウドサービスが当たり前のように使われているが、オンプレミス版もあったため、以前からなじみ深いユーザーは多いだろう。しかし、個人的にはあくまで時限的なプロジェクトやソフトウェア開発現場で使う特別なツールとしか思っておらず、ユーザー層もプロフェッショナルなんだろうと勝手に想像していた。正直言って、ツールも、使うユーザーも、まったく馴染みがなかったのである。

 しかし、ヌーラボに聞いてみると、最近はソフトウェア開発者やプロフェッショナル以外のユーザーが業務で利用しているという。実際、BacklogにはJBUG(Japan Backlog User Group)というユーザーグループのイベントがあるので、そちらに参加してみると、従来型のプロジェクト管理で利用している企業もあったが、いわゆるLOB(Labor of Business)と呼ばれる現場ユーザーが、新規事業の立ち上げやクライアントワークで活用している事例も多かった(関連記事:BacklogコミュニティJBUGで聞いたプロジェクト管理のつらみ、学び、ありがたみ)。これはちょっと驚きだった。

 とはいえ、考えてみれば当たり前かもしれない。みなさんの業務は日々寸分変わらないマニュアル通りのルーティンワークだろうか? いつもと同じメンバーと、毎日同じ作業を積み重ねていけば、売上と利益が上がるのだろうか? おそらくそんなことはないだろう。日々変わっていく市場のニーズに対応し、ビジネスの価値を高めるために、異なるメンバーや取引先とコラボレーションしながら、さまざまな試行錯誤を繰り返しているはずだ。すでにわれわれの日常業務は不特定多数のメンバーとコラボレーションする非定型の業務になっているわけだ。

 こうした業務の可視化とコミュニケーションの促進に役立つのがBacklog。定められた目的をチーム全員で共有し、共通の言語と情報を持って、各メンバーがそれぞれの特性を活かして、業務を遂行する。「チームワークマネジメント」という言葉を割り当てるまでもなく、日々、多くの企業で当たり前のようにやっているこのチーム戦を、円滑に進めるために使う武器がBacklogというわけだ。

Backlogなら自分たちもチームで仕事ができるかもしれない

 今回、Backlogのサイトを立ち上げるのにあたり、私や同僚の大塚は数ヶ月の間、Backlogやタスク管理について勉強することにした。ヌーラボのご厚意で、オンボーディングを受けさせてもらい、ヌーラボとのやりとりもBacklogを活用させてもらうことにした。

 実際にBacklogを使って感じたのは、「これは一部の人だけのツールにしておくのはもったいない」という感触と、「もしかしたら、オレたちはチームで仕事ができるかもしれない」という期待だった。人手不足、働き方の多様化、職場での情報格差、業務の属人化、長時間労働など、日本企業の多くの悩みはBacklogを導入すれば解決するのではないかという直感だ。記事タイトルの通り、確かに大げさな言い方だが、試用した感触からすると、あながち間違ってはいないと思っている。

 たとえば、私の所属するASCIIのTECH編集部は、業務がきわめて属人化している。記事の企画から執筆、編集、公開までをほぼ一人で手がけるセル生産型で長らくやってきたため、ほぼ個人編集者の集まりだった。タスクも個人で管理しているため、メンバーがどんなタスクを抱えて、詰まっているのかも全然わからなかった。最近は、少ない人数ですべてのタスクをこなすのが困難になっており、タスクの漏れや遅れも出てくるようになってきた。日々更新のみをルーティンとして続けてきたことで、目標や効果測定もおろそかになっており、ピンチに感じていた。

 しかし、今まで個人で管理していたタスクをBacklogで共有し、チームでタスクを管理したらどうだろう。業務の属人化が解消し、抜け漏れがなくなり、業務管理も効率化するのではないか。それくらい初心者でも使いやすく、敷居が低いモノに感じられた。シンプルでありながら、歴史のあるツールなだけに多機能。さまざまな業種・業態に応じた、使いこなしができるはずだ。個人的には、親タスクから子タスクを作り、自分の作業が終わったら他の担当者に回すというボール回しが新鮮。いかに自分の仕事が属人化していたか痛感した。

 今までわれわれがチームでタスク管理を実現できなかったのは、タスクの漏れ、進捗の遅れなどに、対応する経験やノウハウがなかったからだと思っている。もちろん、今まですべて自らで完結させてきた個人のタスクを公開するという心理的な不安もある。しかし、タスク管理の運用にまつわるノウハウをきちんと吸収すれば、自分たちもBacklogを使いこなせるはず。幸いなことにBacklogにはJBUGというユーザーコミュニティがあり、ヌーラボもさまざまなノウハウを持っているようだ。

 この「チームワークマネジメント総研」は、文字通りチームワークのワークマネジメントをどのように成功させるかを考えていくコンテンツサイトになる。同僚の大塚が編集部での使いこなしも連載として書いてくれる。私も多くのBacklogユーザーの話を現場ならではの使いこなしや苦労話をたくさん聞くことになると思う。単なるBacklogの事例や使い方解説にとどまらないさまざまなノウハウを集約しつつ、チームワークと業務管理にまつわる多くの現場ユーザーの悩みに答えていきたい。

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