このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

石川温のPCスマホニュース解説 第207回

楽天モバイル好調のワケ 「三木谷キャンペーン」が金脈に

2024年08月08日 07時00分更新

文● 石川温

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

いずれ総務省に睨まれる可能性も

 当然、このキャリアが支払う1万4000ポイントや2万ポイントの原資は既存のユーザーが負担しているものと言えるのだ。あちこちのキャリアを渡り歩くユーザーへのポイントが、既存のユーザーが支払う通信料金が原資となれば、総務省が怒りがちな「ユーザーの不平等性」と指摘されてしまう。

 宮川社長も「(SIM単体契約者へのポイント付与は)本当に大事にしたい既存ユーザーが支払う通信料を消化している。我々としても何かしら手を打ちたいのは事実。ただ、事業法でもSIM単体契約は上限2万円というインセンティブが許されている。我々1社だけで辞めればユーザーに外に逃げられてしまうのは目に見えており勇気が出ない」と苦しい内情を明かす。

 総務省としては、第4のキャリアとして楽天モバイルに新規参入を認めた手前、なんとか生き残ってもらうためにも、多少、楽天モバイルが無茶をしても目をつむるつもりだろう。しかし、既存3社からつるし上げをくらえば、何からのアクションを起こさざるを得なくなる。

 果たして、既存3社から総務省に対して「三木谷キャンペーン」への横やりは入るのか。楽天モバイルをお得に契約したい人は、なる早で三木谷キャンペーンにアクセスしたほうがいいかもしれない。


 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン